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1932年からアイスクリームを作り続ける人気店『Husky Deli and Catering』

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Husky Deli and Catering

カウンターで接客するオーナーのジャックさん

ウェスト・シアトルの中心部にある 『ハスキー・アイスクリーム』 は、1932年から3世代にわたりアイスクリームを作り続けている人気店。3代目のジャック・ミラーさんの祖父ハーマン・ミラーさんが現在地から数軒離れたところに食料品店 『エッジウッド・ファーム・ストア』 を開店した際、窓際に置いたアイスクリーム・メーカーでアイスクリームが作られる様子を道を行きかう人たちに見せて人気を呼んだのがそもそもの始まりだそう。「当時はそこまでしか道路がなく、その向こうは森だったことから、エッジウッドという名前にしたらしい」と、ジャックさん。以来、75年以上にわたり、伝統的なアイスクリームを作り続けている。

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ストロベリー・アイスクリーム

シアトルの人が 『Husky』 という名前から思い浮かべるのはワシントン大学のマスコットだが、同店の名前は一家が1929年から続いていた大恐慌を無事乗り越える収入源になったアイスクリームから来ている。ハーマンさんがバニラ・アイスクリームにチョコレートとピーナツをあわせコーンに入れた 『Nutty Buddy』 のような商品を作って売り出したところ、シアトル・パブリック・スクールの目に留まり、販売契約を取り付けたのだ。『Husky』 と名付けたこの商品に感謝したミラーさん一家が店の名前を変えるのに時間はかからなかった。

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店内の壁には先代の写真が飾られている

第2次世界大戦後にジャックさんの父親が2代目となり、1965年に現在地に移転、1975年にジャックさんが3代目の経営者になってからも、アイスクリームの製造方法は変わらない。コーンなら2ドルから、ワッフルなら3.50ドルからと、値段も良心的だ。菓子類やスパイス、チーズに燻製肉などさまざまな商品も販売しながら、1週間に1,000ガロンのアイスクリームを売り上げるが、新鮮なフルーツをウェスト・シアトルのファーマーズ・マーケットなどから、チョコレートをオランダからと、「こだわりを持ち続けることが、喜ばれることにつながる」とジャックさん。いただいたストロベリー・アイスクリームは、なめらかなクリームの中にストロベリーの小さなかたまりが残っている、手作り感のある味。大量生産品ではこの食感は出せないだろう。

「うちは常連客が多くてね。近所の人はもちろん、ペットのことまで知ってるよ。ウェスト・シアトルという場所は、すべてが筒抜けになるほど小さくはないが、顔見知りができないほど大きくはない、そんなところなんだ。アメリカでもヨーロッパみたいに誰もが毎日買い物をしていた時代があった。でも、量販店が人々の買い物の習慣を変えた。誰とも話すことなく商品を買って帰るシステムができて、人と人とのつながりがない。でもこの店はこれからもコミュニティとのつながりを感じられる場所であり続けたいね」。

そう語るジャックさんは取材中にも買物客に話しかけられることが多く、話題は休暇の話や犬の名前の話まで多岐に渡っていた。

Husky Deli and Catering
ハスキー・デリ・アンド・ケータリング
エリア ウェスト・シアトル
住所 4721 California Avenue SW, Seattle (地図
電話 (206) 937-2810
公式サイト www.huskydeli.com

掲載:2010年8月

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