曇りの日も雨の日も晴れの日も、コーヒーにぴったり!シアトルのコーヒー文化の歴史と発展を感じさせる老舗カフェから新しいカフェをご紹介します。
ESPRESSO VIVACE エスプレッソ・ヴィヴァーチェ
シアトル市内に3店舗を展開しているエスプレッソ・ヴィヴァーチェ。1990年代には一杯のためにいちいち豆をひいてタンピングするインディペンデント系カフェとして人気を集め、オーナーのデビッドさんはその道の専門家として有名です。同店で使用されているエスプレッソ・マシンは、シアトルに本社を持つ Synesso 社のもの。抽出時の水の温度差を0.75度に保ち(多くのマシンでは8度、またはそれ以上になる)、エスプレッソの風味を最高の状態にすることで人気があります。
ANCHORHEAD COFFEE アンカーヘッド・コーヒー
2人のオーディオ・エンジニアがボトル入りのコールド・ブリュー・コーヒーの販売から始め、2016年にオープンした実店舗の1号店。ロースターカフェで、世界各地からフェアトレードで仕入れたものを、ワシントン州デュバル市にある専用のロースタリーで焙煎しています。注文を受けてから焼く、クロワッサン生地のワッフル 『Quaffle』 が人気。詳しい取材記事はこちら。
CHERRY STREET COFFEE HOUSE チェリー・ストリート・コーヒー・ハウス
1985年にキャピトル・ヒルにオープンした B&O Espresso の共同経営者だったアリ・ガンバーリ氏が1998年に独立してオープンしたコーヒー・ハウス。ガンバーリ氏の娘のレイラさんは、2014年の全米バリスタ・チャンピオン。同カフェのディレクター・オブ・コーヒーとしてビジネス全般に携わっています。軽食やスイーツもあります。
CAFFE LADRO カフェ・ラドロ
創業1994年。当初からサステナブルで道徳上正しい形で生産されたコーヒー豆を扱うことにこだわってきたロースターカフェ。1号店はアッパー・クイーン・アンにありますが、2018年5月現在、市内近郊に10店舗以上を展開しています。2000年の時点ではフェアトレードのコーヒー豆のみを扱うカフェでは最大規模で、2011年にロースターとしての事業も始めました。現在はシアトル市内近郊に10店舗以上を展開しています。カフェではアメリカンな自家製のケーキやスコーンも販売しています。「Caffe Ladro」とはイタリア語で「コーヒー泥棒」という意味。
CAFFE UMBRIA カフェ・ウンブリア
創業2002年。イタリア出身のエマニュエル・ビザーリ氏が2002年に創業したロースターカフェ。ビザーリ氏の祖父は1940年代にイタリアでコーヒー焙煎業を始め、父親は移住先のシアトルで1986年にトレファチオーネ・イタリア・コーヒー社を創業したという起業家一家。人気が高かったトレファチオーネは2003年にスターバックス社に買収され、2005年にブランド自体が廃止されてしまいましたが、エマニュエル氏はそのトレファチオーネの1号店があった店舗にこのカフェ・ウンブリアを開店しました。カウンターの向こう側にエスプレッソ・マシンを置き、立ち飲みができるようにしているのがイタリア風。照明やカップもイタリアから取り寄せています。2021年9月現在、シアトル、ポートランド、シカゴ、マイアミビーチにカフェを展開しています。
CAFFE VITA カフェ・ヴィータ
創業1995年。フェアトレードのシステムを飛び越し、コーヒー農家から直接仕入れるシステムを始めたロースターカフェ。2020年にシアトルのオーガニック・カフェ『Fiore』の創業者、デミング・マクリースがオーナーとなり、2021年現在はワシントン州各地、オレゴン州ポートランド、そしてニューヨークにも展開しています。1号店はスペースニードルのあるシアトル・センターに近いローワー・クイーン・アンにありますが、キャピトル・ヒルの East Pike Street の店舗が最大規模。奥にはドイツ製の大きな焙煎機があり、直営店で使用する豆も卸売り・小売の豆もすべて一ヶ所で焙煎しています。コーヒー豆を均等にローストするため、今でも手作業を重視。その成果もあって、シアトル近辺のカフェやレストラン約500店舗にコーヒー豆を卸すようになりました。『Fiore』は現在、『Caffe Vita』のオーガニックラインのコーヒーを代表しています。
CAFE HAGEN カフェ・ハーゲン
2020年2月にサウス・レイク・ユニオンに一号店をオープンした『Hagen Coffee Roaster』。デンマーク出身のオーナーがデンマーク文化のhygge(ヒュッゲ)を持ち込んだロースターカフェです。木をふんだんに使った温かみを感じさせる内装で、観葉植物があちこちに置かれ、リビングルームにいるような心地よさについつい長居してしまいます。その後にオープンしたクイーン・アン店も同じような居心地の良さが共通しています。サンドイッチやキッシュのような軽食も、自家製のペイストリーやケーキも美味。
HERKIMER COFFEE ハーキマー・コーヒー
殺虫剤や肥料を使わず、伝統的な栽培方法を採用している農場から購入したコーヒー豆を独自に焙煎していることで人気。焙煎はフィニー・リッジの店舗で行っています。ペイストリーはエッセンシャル・ベーキング・カンパニーなどから、ドーナツは Mighty-O などからと、ローカルにこだわりがあります。”Herkimer” は経営者の父親が育ったニューヨーク州の町の名前で、ロゴの橋はそこにあるトローリー・ブリッジを描いたものだそう。詳しい取材記事はこちら。
LIGHTHOUSE ROASTERS FINE COFFEES ライトハウス
シアトルのバリスタたちの御用達と言われていますが、フリーモントの閑静な住宅地にあるので、隠れ家的スポットと言えそう。コーヒー以外には比較的新鮮でパリパリ、サクサクのペーストリーも味わえます。カフェの中にロースターが置いてあり、豆のロースとも独自に行っています。ローカルのミュージシャンによるライブがある日も。詳しい取材記事はこちら。
MILSTEAD & CO. ミルステッド
フリーモント・ブリッジからすぐのところにあるカフェ。シアトルやポートランドなどの実力派ロースターによる30種類近くの豆が味わえること、コーヒーのいれかたも指定できることなどで人気があります。「通常、メニューに並ぶ豆は5種類ほどですが、日に何度か変更するので、1日に何度も来てくださる方もいます。好みを伺って、こちらからおすすめのコーヒーを提案することもありますよ」と語るのは、オーナーのアンドリュー・ミルステッドさん。大学時代にミネアポリスでバリスタとして働き始め、シアトルの老舗カフェ 『Espresso Vivace』 に憧れて起業を決意したそうです。詳しい取材記事はこちら。
SEATTLE COFFEE WORKS シアトル・コーヒー・ワークス
パイク・プレース・マーケットの向かい側にあるカフェ。オーナーのセバスチャンさんはドイツ出身で、コーヒー好きが高じて起業しました。もともとはさまざまなロースターの豆をそろえていましたが、今は独自に焙煎したコーヒー豆を使用しています。こだわりのコーヒー豆は店頭でもオンラインでも購入できます。
VICTROLA COFFEE ROASTERS ビクトローラ・コーヒー・ロースターズ
2000年創業の人気カフェ。自家焙煎したコーヒー豆を使ったエスプレッソ・ドリンクにはカルト的なファンが多いです。ローカルのベーカリーから仕入れたペイストリーやデザート、パニーニやサンドイッチなども販売しています。ロゴ入りのいろいろなグッズや自家焙煎したコーヒー豆も購入できます。詳しい取材記事はこちら。
ZOKA COFFEE ROASTING CO. ゾカ・コーヒー・ロースティング
スターバックスがまだ5店舗しかなかった1979年当時から15年にわたり同社の焙煎部門を担当した、業界では豆の焙煎に関して最も権威あるロースターの一人と言われるティム・マッコーマックさんが、友人でスペシャリティ・コーヒー協会副会長を務めていたジェフ・バブコックさんと1996年に創業。豆の焙煎やバリスタの教育などにこだわりを持ち、ドリンクのクオリティの高さでは定評があります。