MENU

花を知れば、さらに楽し! ワシントン州シアトル おすすめハイキング10選

  • URLをコピーしました!

高原に広がる一面のお花畑。トレイルを登りきった後にそんな風景に出会った時の感動はひとしおですよね。

色とりどり、形さまざまの花は、識別がしやすく、写真撮影やスケッチの対象としても抜群で、何より山を歩く人々の目を楽しませてくれます。そこで、アウトドア・アクティビティの盛んなワシントン州シアトルから訪れる、山の花を楽しむおすすめハイキングコースをピックアップしました。

さらに、比較的見分けやすいワシントン州のワイルドフラワーもご紹介。まずは、これらの名前を覚えて、山を訪れてみてください。気になる花を発見したら、撮影したり名前を調べたりしてみると、ハイキングがもっと楽しくなりますよ!

ワシントン州の山を彩る代表的な花3種

アバランチ・リリー(Avalanche Lily)

タイガー・リリー(Tiger Lily)

リリー(Lily)
ワシントン州の山には多種のユリ科の花が自生している。細く繊細な茎についた大きな花が、風にそよそよと揺れている。白い「アバランチ・リリー(Avalanche Lily)」や、黄色の「グレーシャー・リリー(Glacier Lily)」は、雪解け時に一斉に開花し、群生していることも。花びらのそばかすが印象的な「タイガー・リリー(Tiger Lily)」や、やや珍しい「チョコレート・リリー(Chocolate Lily)」も、要チェック。

ペイントブラシ(Paintbrush)

ペイントブラシ(Paintbrush)
自然界の中でも最もビビットな赤色を作り出す「ペイントブラシ」。マジェンタ、ピンク、レッドなど、多くの色名にちなんだ品種に分かれているが、その特徴ある形態で他の花と見間違うことはない。色鮮やかな「筆」の部分は、厳密に言えば花びらではなく苞葉。比較的長い期間、色づいている。

ルピン(Lupine)

ルピン(Lupine)
切花や園芸に使われる「ルピナス」はカラフルで派手なイメージだが、ワシントン州自生の「ルピン」は、その花の上品な紫色が印象的で目につく。マメ科の植物特有の蝶のような形をしていて、細長い葉が放射線状に広がっているのが特徴。花が終わった後は、サヤエンドウのような実ができる。

もっと知りたい人のための花4種

トリリウム(Trillium)

トリリウム(Trillium)
トリリウムの「tri」がラテン語で「3」を意味するように、三つの花びら、三つの萼、三つの葉がバランスよく開き、その美しさが数学的に解析できそうだ。開花期間は比較的長く、和名は「エンレイソウ(延齢草)」。登山口周辺から山の中腹ぐらいまで、森林の日陰となる場所に生植する。真っ白な花びらは、時を経てピンク、深紫に染まる場合も。

パーリー・エバーラスティング(Pearly Everlasting)

パーリー・エバーラスティング(Pearly Everlasting)
真珠の粒のような蕾がやや開き、黄色の花芯が顔を出して一層の輝きを見せる「パーリー・エバーラスティング」。春の花が終わった後に開花し、「Everlasting(永遠に続く)」という名前の通り、秋まで枯れずに残る。

ウエスタン・パスケフラワー(Western Pasqueflower)

ウエスタン・パスケフラワー(Western Pasqueflower)
モコモコとした大きめの綿毛が可愛いらしい「ウエスタン・パスケフラワー」。山の中腹から標高の高いエリアの斜面や高原で、広く生植する。この姿、実は雪解け直後に花を咲かせた後の状態。アネモネ系のこの花の開花は早く、命は短いが、この綿毛姿は夏の間ずっと見ることができる。

ファイヤーウィード(Fireweed)

ファイヤーウィード(Fireweed)
伐採や山火事の後など、森林の失われた荒野にも生植する「ファイヤーウィード」。可憐なピンクの花と、空に向かってまっすぐ、高さ3メートルほどまで伸びる佇まいが印象的。湿気のあるところから日当たりが良く、乾燥気味のところまで、いろんな場所に生植し色を添える。

おすすめハイキング10選

高山の花は雪解けと共に咲き出し、その開花期間は限られています。また、山に残る雪の量や、気温の上昇具合によって毎年異なります。それぞれのハイキングコースの花の開花状況に関しては、Washington Trail Association の公式サイトで、ハイカーたちの投稿するトリップレポート(Trip Reports)を見てみましょう。特に2017年は前年度の大雪のため、例年より開花が遅れがち。なお、山道は雪や土砂などの自然災害が多いため、アクセス状況も踏まえて、最新のレポートをご確認の上、お出かけください。

Navaho Pass(ナバホ・パス)
シアトルから比較的近く、カスケード山脈東側を探索できる人気コース。渓流に沿って、標高の異なるいくつかの草原を通り抜け、峠までたどり着くと、広大なスチュワート山脈を見渡せる絶景が待っている。パーリーエバーラスティング、ルピン、タイガーリリーなど、多種多様の花が見られる。Northwest Forest Pass が必要。

エリア スノコルミー地域
花の開花見込み 6月中旬~7月中旬
往復距離 11マイル
標高差 3000フィート
詳細 www.wta.org/go-hiking/hikes/navaho-pass

Icicle Ridge via Fourth of July Creek(アイシクル・リッジ)
レブンワース近くのハイキングコース。真夏の日差しの強さ、急勾配のトレイル、ヘビとの遭遇確率の高さで知られるが、春先からルピンなどが咲きはじめ、チョコレート・リリーなど珍しい花に出会えるチャンスもあり、花を見るには嬉しいコース。Northwest Forest Pass が必要。

エリア セントラル・カスケード
花の開花見込み 6月中旬~7月中旬
往復距離 12マイル
標高差 4370フィート
詳細 www.wta.org/go-hiking/hikes/icicle-ridge

Windy Ridge Trail(ウィンディ・リッジ・トレイル)
マウント・セント・ヘレンズの東側に位置する、家族向けのトレイル。1980年の大噴火で崩壊した山に生命が蘇りつつあり、ファイヤーウィード、ルピン、ペイントブラシ、パーリー・エバーラスティングなどが咲く。ヘレンズのメイン窓口でもあるジョンソン・リッジ観測所エリアよりも火口に近く、大きな駐車場が完備されているわりに人が少なく、穴場スポット。Northwest Forest Pass が必要。

エリア サウスカスケード(マウント・セント・ヘレンズ国立モニュメント)
花の開花見込み 6月中旬~7月
往復距離 4マイル
標高差 200フィート
詳細 www.wta.org/go-outside/seasonal-hikes/go-hiking/hikes/windy-ridge

Lodge Lake(ロッジ・レイク)
スノコルミー・スキー場のゲレンデにあるハイキングコース。家族向け。スキーのチェアリフトがそびえ立ち、傍に別荘が立ち並ぶ風景は、大自然を求めるハイカーには好まれないが、高山植物の観察が目的ならアリ。手軽な距離で、十分な広さの駐車場があり、リフト下には高山植物と外来種が混在するという珍しい植生も観察できる。ゲレンデ斜面を登りきれば、意外と人が少なく静か。Northwest Forest Pass が必要。

エリア スノコルミー地域
花の開花見込み 6月下旬~8月
往復距離 3マイル
標高差 500フィート
詳細 www.wta.org/go-hiking/hikes/lodge-lake

Marmot Pass (via Big Quilcene Trail)(マーモット・パス)
オリンピック半島東部にある人気コースで、シアトルからでも日帰りハイキングができる。湿地帯や鬱蒼とした森林を抜け、開けた高原と峠に出るため、バラエティに富んだ自然環境が一度に楽しめる。花の種類も豊富。最終目的地「マーモット・パス」にたどり着くと、その名の通りマーモットが多数生息しており、甲高いホイッスルのような鳴き声が絶え間なく聞こえる。Northwest Forest Pass が必要。

エリア オリンピック半島
花の開花見込み 6月下旬~8月
往復距離 11.5マイル
標高差 3489フィート
詳細 www.wta.org/go-hiking/hikes/marmot-pass-upper-big-quilcene

Sauk Mountain (サーク・マウンテン)
花目当てなら7月がベスト。車で登山口に向かう間も、ペイントブラシやデイジーなどが道端を彩る。トレイルは南向きの斜面にあり、日差しを好むファイヤーウィード、ペイントブラシ、パーリー・エバーラスティングなどが多く見られ、時折マーモットの鳴き声が聞こえる。頂上からはマウント・ベーカーやグレーシャー・ピークをはじめとする主なピークが見渡せるので、地図があれば周辺の地形を確認するのも楽しい。

エリア ノースカスケード
花の開花見込み 7月~9月上旬
往復距離 4.2マイル
標高差 1200フィート
詳細 www.wta.org/go-hiking/hikes/sauk-mountain

Hurricane Hill(ハリケーン・ヒル)
オリンピック国立公園のハイライトの一つ、ハリケーン・リッジのビジターセンターから整備されたトレイルを尾根沿いに歩ける家族向けのコース。特に7月は雪解け直後の色とりどりの花が足元に咲き乱れ、視線を上げればオリンピック山脈の絶景が目前に広がる。トレイルのあちこちに花の名前を記した表示があるので、花の勉強をするには便利。National Park Pass が必要。

エリア オリンピック国立公園
花の開花見込み 7月~8月
往復距離 3.2マイル
標高差 650フィート
詳細 www.wta.org/go-hiking/hikes/hurricane-hill

Green Mountain(グリーン・マウンテン)
 
名前通り、緑豊かな山。原生林を抜け、新緑の高原を歩けば、カスケード山脈の見渡せる頂上にたどり着く。シーズン初めはルピン、グレーシャーリリー、タイガーリリー、ペイントブラシなどなど、高原がカラフルに染まる。後半になるとファイヤーウィードなどに顔ぶれが変わる。

エリア マウンテン・ループ・ハイウェイ
花の開花見込み 7月~8月
往復距離 8マイル
標高差 3100フィート
詳細 www.wta.org/go-hiking/hikes/green-mountain

Paradise(パラダイス)
「山のお花畑」と聞いて誰もが思い浮かべるのが、マウント・レーニアのパラダイス。標高5,400フィートのビジター・センターまで車で行くことができ、駐車場から見上げる高原はリリー、ルピン、ペイントブラシなどでカラフルに色づく。高原一帯にトレイルが行き交うが、見晴らしがいいので地図なしで好きに散策できるのも気楽。シーズン中は渋滞が見込まれるので、できれば平日の早朝や夕方などに訪れたい。National Park Pass が必要。

エリア マウント・レーニア国立公園
花の開花見込み 7月下旬~8月上旬
往復距離 5マイル
標高差 1700フィート
詳細 www.nps.gov/mora/planyourvisit/paradise.htm
www.wta.org/go-hiking/hikes/paradise

Naches Peak Loop(ナチェス・ピーク・ループ)
クリスタル・マウンテンの南にある家族向けのループトレイル(時計回りがおすすめ)。ハイキング可能な時期は短く、年によっては8月初旬でも雪に覆われていることも。しかし、時期が来れば間近にそびえるマウント・レーニアを背景に、花が咲き乱れる高原を歩くことができる。夏場は混むので、早朝か夕方に。

エリア マウント・レーニア周辺
花の開花見込み 7月末~8月
往復距離 3.2マイル
標高差 600フィート
詳細 www.wta.org/go-hiking/hikes/naches-peak-loop
www.nps.gov/mora/planyourvisit/natches-peak-loop.htm

注意)高山植物の開花時期は、ハエや蚊が活発に活動する時期でもある。長袖のシャツや虫除けスプレーの準備を忘れずに。

掲載:2017年7月 更新:2019年7月 文・写真:渡辺菜穂子



  • URLをコピーしました!

この記事が気に入ったら
フォローをお願いします!

もくじ