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アメリカの卒業式|角帽とガウンの歴史、タッセルに込められた意味

アメリカの卒業式でタッセルを右から左へ動かす様子
Image by Chantellen from Pixabay
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5月から6月は、アメリカの卒業シーズン。卒業生は房飾りのついた四角い角帽をかぶって式服に身を包み、家族や親戚、お世話になった方々などと卒業式に出席して、門出を祝います。

卒業生は事前に学校を通じて角帽と式服を購入したりレンタルしたりますが、アメリカの学校を卒業したことがない親だと「キャップとガウンが必要」と言われてもピンとこないかもしれません。アメリカで初めて卒業式を迎える学生も、「キャップとガウンの注文受付が始まりました」という連絡を受けて初めてその名称を知り、自分で購入するものだと理解する、というケースも少なくありません。この記事では、衣装の正式名称や着こなしのルール、タッセルの儀式の意味やスピーチの背景をまとめています。

目次

角帽とガウン、その正式な名前と由来

Graduate in a black cap and gown holding a rolled diploma tied with a red ribbon, tassel hanging, smiling at the camera.

卒業式の衣装は「cap and gown(キャップ・アンド・ガウン)」と総称されます。卒業前に購入またはレンタルするのが一般的で、学校によって色や素材が異なります。

cap(キャップ):角帽

角帽の正式名称は「mortarboard(モルタルボード)」または「academic cap(アカデミック・キャップ)」。14~15世紀のヨーロッパで学者やアーティストの間に広まり、オックスフォード大学やケンブリッジ大学での着用が現在の形の原型とされています。

Photo by Good Free Photos on Unsplash
キャップを飾るのも定番

かぶり方にもルールがあります。平らな部分を水平にし、房飾り(タッセル)を顔の右側に垂らすのが基本です。デコレーションするのも定番で、メッセージや絵を描いて個性を出す卒業生も多くいます。

gown(ガウン):式服

ガウンの正式名称は「academic dress(アカデミック・ドレス)」。学部や取得する学位によっては、ガウンの上に「hood(フード)」と呼ばれる布をつけることもあります。ガウンの下は特に決まりがなく、ドレスやスーツ、民族衣装など自由です。

タッセルを動かす瞬間が、卒業の合図

アメリカの卒業式でタッセルを右から左へ動かす様子
Image by Chantellen from Pixabay

卒業式のハイライトのひとつが「タッセルの儀式」です。式の最初、角帽についている房飾り(tassel/タッセル)は右側に垂らしています。卒業証書の授与が終わったタイミングで、アナウンスとともに全員で左側へ動かします。

このアナウンスは、”Graduates, please move your tassels from the right side to the left.”(卒業生の皆さん、タッセルを右から左に動かしてください)というようなものです。

この動作が「正式に卒業した」という合図です。小規模の学校なら学長がステージ上で一人一人のタッセルを動かすこともできますが、大人数の場合は全員で一斉に行のが普通です。何年もかけて単位を取り、試験を乗り越え、最後にたどり着くこの瞬間は忘れられないものになるかもしれません。

髪をぺたんこにしたくないからか、キャップを後頭部に垂直にあててピンで留める卒業生もいますが、これではこのタッセルの儀式ができません。

世代を超えて語り継がれる卒業式スピーチ

アメリカの卒業式では、著名人や大統領が「commencement speech(コメンスメント・スピーチ)」を行う伝統があります。「commencement」は「始まり」という意味で、卒業は人生の新たなステージへの出発点という考え方が込められています。

これらのスピーチは、社会的変化、個人的成長、回復力の重要性を強調し、モチベーションを与える深いメッセージが込められています。ここでは、今でも語り継がれているスピーチをご紹介します。

スティーブ・ジョブズ

アップル共同創業者のスティーブ・ジョブズが2005年にスタンフォード大学の卒業式で行ったスピーチ。「点を繋げること(connecting the dots)」や「死を意識することが人生を充実させる」というメッセージは、卒業生だけでなく世界中の人々に届き、20年が経った今も繰り返し視聴されています。

バラク・オバマ前大統領

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