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第3回:これがアメリカ流?!研修5日で怒涛の一本立ち!

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パナマ・ホテル

パナマ・ホテル

日本人建築家・小笹三郎氏が設計を手掛けたホテル。1910年8月、日本から出稼ぎのため単身渡米した男性向け長期宿泊施設としてオープン。第二次世界大戦時に強制収容された日系アメリカ人の家財道具などを地下で保管し、ホテル1階に開店したカフェ『パナマ・ホテル・ティー&コーヒー』の床のガラス越しに、戦後になっても引き取り手が現れなかった荷物を見ることができる。パナマ・ホテルと日系人の強制収容を描いたジェイミー・フォードの小説『Hotel on the Corner of Bitter and Sweet(邦題:あの日パナマ・ホテルで)』(2009年出版)が、2010年にニューヨーク・タイムズのベストセラーリスト入りし、その存在が米国で広く知られるようになった。2006年、米国史跡認定。2015年、米国国宝認定。2020年、日本政府より「令和二年度外務大臣表彰」受賞。

わたし 「パナマ・ホテルで働きたい!」
ジャン 「時給いくらほしいの?」
わたし 「法律で決められている額をいただければいいです!」
ジャン 「考えておく」

これで終わりです。

ほんの10秒くらいの会話でした。

「考えておくって、前向きに?それとも後ろ向きに?」と思いながら、はっきりとした返事はいただけず、その日はそのまま帰宅しました。

それからまたジャンから返事を聞きにパナマを訪れたところ、今度は短いスパンでジャンに会うことができました。

わたし 「ジャン、それで…私はここで働くことができるの?」
ジャン 「アルベルトがシフトを考えてるから、アルベルトとナイスに相談して、何曜日に働けるかを決めてちょうだい」

ということで、採用されました!(/・ω・)/バンザーイ 

そんなこんなで、カフェで OPT を開始することになりました。

当時は10年ほどパナマのカフェで働いていた古株のアルベルトと、2年くらい前にシアトルのダウンタウンにあるホテルのレストランで働いていたところ彼のサービスに感動したジャンにスカウトされたナイスなど4人がカフェで働いていたのですが、そこに私が加わりました。

パナマ・ホテル

研修はまさかの(大変短い)5日間。その5日間ですべてを覚えて一本立ちです。私はコーヒーが飲めないので、ラテ、カプチーノ、モカ、マキアート、コルタードなどが一体何でできているのか、そこから学ぶ必要がありました。また、お茶の種類によってカップ一杯分の茶葉の量が異なるので、それを覚えるのも大変でした。

でも、最も苦労したのは、ラテのフォーム作りです。不器用すぎて、何度やってもできない私を見たアルベルトがため息をついていたことを、昨日のことのように思い出します・・・。嗚呼・・・

カフェのオープンのシフトでは朝7時には出勤し、8時のオープンに向けてカウンターの掃除、床掃除、エスプレッソマシンの準備、釣銭の確認など開店準備します。

目覚めの一杯にはコーヒーの代わりに煎茶を飲んでいました。もともと緑茶が好きなので、この朝の一杯で「よっしゃ!今日もがんばるぞー!」と気合を入れるのです。

開店時間が近づくと、今度はジャンに開店準備完了の報告も兼ねて、作りたてのラテと朝刊をパナマ・ホテル内の彼女の部屋まで持って行きます。ジャンのラテは特別。通常のパナマ・カフェのラテはエスプレッソをダブル・ショットで入れますが、ジャンの場合はシングル・ショットで、ノンファットミルクを人肌くらいに温め、カップに蓋をしてストローを紙ナプキンに包んで持っていくのがルールでした。

開店すると、常連のお客さんを迎えてスタートします。

和菓子とほうじ茶を注文する方、毎週決まった曜日にアメリカン麻雀で遊ぶグループ、カクテルを飲みにくる3人組、フランス語のレッスンのために来るフランス人の先生とその生徒さんたち、猫好きのおじいちゃん、いつも何か書いている男性、グループでコーヒーを飲みに来る警察官、バスの運転手さん、ヘアサロンで働くおしゃれタトゥーのスタイリストさん、ヘアサロンの店長さんなどなど、たくさんの人たちと会話するのが楽しかったです。ジャンを手伝おうとボランティアで来てくれる人もいたりして、常にいろいろな方に囲まれていました。

そんな中、クビになりそうな出来事が起こってしまい・・・

(第4回に続く)

文:疋田 弓莉(ひきた・ゆり)

東京出身。幼い頃から北米で生活してみたいという夢を抱く。日本で鉄道会社に勤務後、2018年から2020年の約2年間にわたり留学生としてシアトルに滞在。パナマ・ホテルと運命的な出逢いを果たし、1年にわたりOPTでパナマ・ホテル・ティー&コーヒーで働く。日本帰国後、東京のPR会社に就職。

掲載:2021年4月



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