アメリカ本土で日本から最も近い街、シアトル。緯度で見ると南樺太(サハリン)と同じくらい高い場所に位置していますが、地形や海を流れる暖流の影響により、夏は基本的に過ごしやすく、冬は寒いものの雪は珍しいという、おだやかな海洋性気候に包まれています。
近年、世界的に気象の変化が注目されていますが、シアトルも例外ではありません。米国立海洋大気局(NOAA)が発表している1991年から2020年までの新平年値や、直近2025年までの記録を反映した、現在のシアトルの気候について紹介します。
シアトルの最新気温データ
1991年から2020年の平年値を基準に、2025年までの傾向を含めたシアトルの平均気温は以下の通りです。
| 月 | 平均最高気温 | 平均最低気温 |
| 1月 | 9℃ (48℉) | 3℃ (38℉) |
| 2月 | 10℃ (50℉) | 3℃ (38℉) |
| 3月 | 13℃ (55℉) | 6℃ (42℉) |
| 4月 | 16℃ (60℉) | 7℃ (45℉) |
| 5月 | 19℃ (66℉) | 10℃ (50℉) |
| 6月 | 22℃ (72℉) | 13℃ (55℉) |
| 7月 | 25℃ (77℉) | 14℃ (58℉) |
| 8月 | 25℃ (77℉) | 14℃ (58℉) |
| 9月 | 22℃ (71℉) | 12℃ (54℉) |
| 10月 | 16℃ (61℉) | 9℃ (48℉) |
| 11月 | 11℃ (52℉) | 6℃ (42℉) |
| 12月 | 8℃ (47℉) | 3℃ (38℉) |
春:ゆっくりと訪れる花の季節

シアトルの春は、比較的ゆっくりと進みます。3月や4月になっても曇り空の日が多く、冬のような肌寒さが残ることも少なくありません。ワシントン大学の桜が咲く時期であってもジャケットは欠かせません。日差しが出ると暖かくなりますが、朝晩は冷え込むため、脱ぎ着しやすい重ね着やスカーフ、帽子がおすすめです。
夏:汗をかかない、過ごしやすい季節

シアトルの夏は「独立記念日(7月4日)が過ぎてから本格的に始まる」と言われるほど短めですが、その快適さは格別です。
- 乾燥した空気: 7月は雨が非常に少なく、湿度が低いため、気温が上がってもカラッとしていて過ごしやすいのが特徴です。
- 長い日照時間: 夏至の頃には夜10時を過ぎても明るく、一日を長く活用できます。
- 近年の変化: かつてはエアコンが不要な街とされていましたが、2021年の記録的な熱波(Heatwave)以降、住宅への普及が進んでいます。米国国勢調査局の調査では、2021年時点でシアトル地域の住宅の半数以上にエアコン(Air Conditioning)が設置されていることがわかっています。
秋:しっとりとした雨と紅葉

© Junko
9月に入ると空気が入れ替わり、雨の日が少しずつ増えていきます。シアトルの雨はザーザーと激しく降ることは稀で、しとしとと静かに降る霧雨のような天候が特徴です。
現地では「傘をさしているのは観光客だけ」という冗談もありますが、防水機能のあるフード付きジャケットなど、好みに合わせた雨具の準備が役立ちます。
冬:『ザ・ビッグ・ダーク』

冬になると、現地で「ザ・ビッグ・ダーク(The Big Dark)」と呼ばれる、日照時間の短い季節が到来します。朝8時頃まで暗く、午後4時過ぎには日が沈むため、太陽が恋しくなる時期でもあります。
最も降水量が多いのは11月、12月、1月で、特に11月が最も多く、平均160mm(6.3インチ)の雨が降ります。帽子、手袋、ヒートテックなどの防寒下着、タイツ、ブーツなど防寒対策が必要です。
氷点下を下回る日は年間平均で約2週間しかありませんが、防寒対策をして出かけたり、カフェで温かい飲み物を楽しんだり、車で1〜2時間ほどの距離にある山へスキーやスノーボードに出かけたりといった過ごし方が一般的です。

都市部で雪が積もることは珍しいものの、坂道が多い地形のため、わずかな積雪でも交通機関に影響が出やすいという側面があります。積雪地帯から来た人は「これしきの雪で」と笑ってしまうようですが、雪に慣れていない人の中には雪道の歩行や運転を甘くみる人も少なくありません。自分は大丈夫でも、事故に巻き込まれることもあるので、気をつけましょう。

まとめ
シアトルを訪れるのに最も適しているのは、青空が広がる7月から9月です。一方で、雨に濡れた街並みや冬の静かな空気も、緑の多いこの街の大切な一面。それぞれの季節に合わせた服装を準備して、シアトルの多様な天気を楽しみましょう。

