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シアトル市パブリック・アート・プロジェクト参加アーティスト 森澤直子さん

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セントラル・ディストリクトの共同農園(East Spring Street と 25th Avenue)に
設置された作品 『Dahlia Garden』。展示は2016年1月3日まで

歩行者や自転車が安全に利用できる道路「グリーンウェイ」を設置するというシアトル市の事業がある。現在、その一部であるセントラル・ディストリクトのグリーンウェイを散歩すると、7人のアーティストによる作品に出会える。そんなシアトル市主催アート・インタラプション・プロジェクトに参加した森澤直子さんは、現在活躍中の注目アーティストだ。

シアトル市が公募したアート・プロジェクトに選ばれ、初のパブリック・アートを手がけた森澤さん。

「そもそも大きな壁画を制作するはずだったのですが、市政の条例により直前で変更を余儀なくされ、『ガーデンモザイク』 というテーマでコミュニティ・ガーデンに作品4点を配置しました」。

今回は屋外のパブリック・アートということで、メタルシートに印刷された作品を展示しているが、森澤アートの醍醐味はウッドモザイクというユニークな手法。日本の寄木細工を応用し、着色した木片を組み合わせ森林の香りが漂ってくるようなモザイク絵を作り上げる。ポップな作風で、色使いもおしゃれだ。

森澤アートには、靴やきのこなどをテーマとしたシリーズ物の作品群がある。

「何かの話から 『靴をプレゼントするっていいな』 と思ったのが靴シリーズのきっかけです。シリーズ第一作目のタイトルは 『ギフト』 でした」

「日本では外観になじむアートを意識していましたが、アメリカに来てから色使いに対する考え方が変わりました。もっと主張したいというか、しなければならないというか」。

夫の仕事の都合で北米に移住したことを機に、アートへの向き合い方も変わったと言う。

「アメリカは日本より、アートが一般的で身近な気がします。若い方でも結構な金額の絵を、
『奥さんの誕生日プレゼントに』 と言って買ってくれるんです」

「実はアメリカに移住して以来、ずっと自信がなかったんです。自分にも作品にも。思うように英語が話せない私は文盲と同じで、友達もできませんでした」。しかし、言葉の不自由さがアートにのめり込む後押しとなり、文化の違いが自己を解放するきっかけとなった。結果的に、アート活動を通して多くのつながりができた。

自分の作品をアピールすることは今も苦手だそうだが、「最初は作品を買ってくれる方に 『こんな作品でいいんですか』 と言っていましたが、最近は 『私の作品を選んでくれてありがとう』 と言えるようになりました」。

制作を依頼されたり自分から応募したりと、現在は国内外の多くの展覧会やコンテストに参加し、多忙な日々を送っている森澤さん。

「アートは私にとって自分の表現手段の一つです。目指しているのは、どこかにモダンな要素がある作品です」。

プロフィール:横浜出身、多摩美術大学デザイン科卒業。日本では商社の宣伝部に所属しパッケージ・デザインなどを手がけたり、カルチャーセンターで絵のインストラクターを務めた。2004年に北米に移住し、本格的なアート活動を開始。代表的な受賞&展覧歴は、2008年ポートタウンゼント Northwind Arts Center 最優秀賞、2014年アイルランドのダブリンビエンナーレ出展、2015年シアトル市ミュニシパル・タワービル(Municipal Tower Building)個展開催。
【公式サイト】 www.naokomorisawa.com

掲載:2015年9月 取材・文:渡辺菜穂子 写真提供:森澤直子

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