アマゾン(本社:シアトル)は27日、食料品事業の再編計画を明らかにしました。Amazon Go(アマゾン・ゴー)および Amazon Fresh(アマゾン・フレッシュ)の全実店舗を閉鎖する一方で、Whole Foods Market(ホールフーズ・マーケット)とオンライン配送サービスに経営資源を集中させる方針です。
アマゾンは今回の決定について、自社ブランドの店舗(Amazon Go や Amazon Fresh)では、全国に広げていくために必要な「利益を出せる仕組み」と「他にはない魅力的な買い物体験」を両立させることが困難だったとニュースリリースで説明しています。今後は、すでに利用者から高い支持を得ており、成長が見込める分野へ優先的に投資を振り向けるとしています。
Amazon Go(アマゾン・ゴー)と Amazon Fresh(アマゾン・フレッシュ)の全店舗閉鎖

ミル・クリーク店
今回の発表により、シアトル市内および近郊に展開されていた以下の実店舗が順次閉鎖、または改装の対象となります。
- Amazon Go(アマゾン・ゴー): 本社のある 7th Ave 店を含むシアトル・ダウンタウン、サウス・レイク・ユニオン、キャピトル・ヒルなどの全店舗。(公式サイト)
- Amazon Fresh(アマゾン・フレッシュ): シアトル市内のジャクソン・ストリート店、オーロラ・アベニュー店、ベルビュー店など。(公式サイト)
実店舗での行列や在庫切れに不満を持つ消費者が、より利便性の高いオンライン配送や信頼できる既存ブランドに流れている現状があることから、これらの店舗の一部はホールフーズ・マーケットへと転換される計画です。
Whole Foods Market(ホールフーズ・マーケット)の拡充

カークランド市のトーテム・レイク店
2017年の買収以降、ホールフーズ・マーケットは売上高が40%以上増加し、現在は550以上の拠点を運営しています。アマゾンはこの成長を背景に、今後数年間で100店舗以上の新規出店を行う計画です。
また、都市部向けの小規模フォーマット Whole Foods Market Daily Shop(ホールフーズ・マーケット・デイリー・ショップ)も、2026年末までに現在の5拠点から10拠点へと拡大されます。
加速する「30分配送」とオンライン市場のシェア争い
金融ニュースメディア『The Street』によると、米国のオンライン食料品市場は2030年までに2,279億ドル規模に達すると予想されています。現在のオンラインシェアは、首位ウォルマート(Walmart)の28.5%に対し、アマゾンは23.4%に迫っており、以下の配送サービスを急速に拡大しています。
- Amazon Now(アマゾン・ナウ): シアトルやフィラデルフィアの一部で、生鮮食品を30分以内に届ける超高速配送をテスト中。
- Same-Day Delivery(当日配送): 全米2,300以上の都市で生鮮食品の取り扱いを開始。
アマゾンは現在、全米5,000以上の都市で食料品配送を提供していますが、2025年に当日配送(Same-Day Delivery)サービスへ生鮮食品(Perishables)を導入したことで、同サービスにおける生鮮品の売上高は前年比で40倍に増加したと発表しています。
また、シアトルを含む一部の都市では、数千点の必需品を約30分以内で届ける超高速配送オプション Amazon Now(アマゾン・ナウ)のテスト運用が実施されており、今後も配送スピードと利便性の向上に向けた投資が継続されます。
まとめ
全米の食料品市場全体では、依然としてウォルマート(Walmart)が21.2%のシェアで首位を走り、クロガー(Kroger)やコストコ(Costco)が続きます。アマゾンは今回の再編で、ブランド力のある「ホールフーズ」と、得意とする「配送テクノロジー」を掛け合わせた新しい試みで買い物体験にさらなる変化をもたらすことが期待されます。

