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第69回 残業代(Overtime Pay) を代休 (Comp Time)として扱うための条件

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第59回のコラムで、最低賃金適用除外社員(Exempt employee)と最低賃金該当社員(Non Exempt Employee)の分類があることを説明しましたが、今回は、後者の最低賃金該当社員(Non Exempt Employee)が残業代の対象であるということと、その従業員に対する残業代の計算の仕方と休暇による代償(代休)を与えるための条件についてご説明します。

まず、2014年1月をもってワシントン州の最低賃金は$9.32になりました。これは連邦政府が決めている最低賃金の$7.25と比較するとかなり高く、全米で最高額となっています。前述のように、最低賃金該当社員には残業代を支払う義務があるので、1週間に40時間を超えて就業した場合、超過時間に対し1時間当たり1.5倍の報酬を与えなければなりません。月ごとに報酬を得ている従業員は、金額を就業時間で割って出した1時間当たりの時給が$9.32を下回ってはいけません。したがって、残業代は$9.32の1.5倍にあたる$13.98を下回ることはできません。

企業によっては、ある週は40時間以上働いていても、他の週はその半分しか働いていないなど、フレックスタイムで従業員を雇用しているところもあります。また、予算の関係で残業代支給が経営上難しいこともあります。その場合、問題解決の方法として、残業した時間分の支払いを、代休 (Comp Time) として与える方法があります。ただし、雇用者が従業員にこの代休制度を法的に与えるためには、下記の条件を満たしていなければなりません。

  1. 代休制度が雇用契約書に明記されていること。
  2. 代休がどのように取れるのか等の詳細についての同意が書面にて雇用者と従業員の間でなされていること。
  3. 従業員が週40時間働くことを義務付けられていること。
  4. 代休が残業代の交換レートで算出されていること。たとえば、もしAさんがある週に2時間の残業をしたら、3時間分の代休を与えること。
  5. 240時間以上の残業に対して代休を与えないこと。もし240時間を超える残業がたまっていたら、それ以上の残業時間に対して通常の時給の1.5倍の支払いをすること。
  6. 代休として与えられた休暇は、「使わなければなくなる」などという企業方針を採らないこと。すなわち、もしA さんが会社を辞める際に代休が残っている場合、その代休に対する支払いをしなければならない。

これらの条件を満たさない雇用者は、残業代を支払う義務があります。最後に、従業員が代休を取るタイミングに関しては、企業の経営に差し支えのない方法で取る必要があるので、雇用者は従業員に対して代休の取り方を指定することができます。

シャッツ法律事務所
弁護士 井上 奈緒子さん
Shatz Law Group, PLLC
www.shatzlaw.com

当コラムを通して提供している情報は、一般的、及び教育的情報であり、読者個人に対する解決策や法的アドバイスではありません。 読者個人の具体的な状況に関するご質問は、事前に弁護士と正式に委託契約を結んでいただいた上でご相談ください。

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