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アメリカでの不妊治療体験記 第6回 明るくて陽気な先生

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これまで日本人の医師にかかったことはありませんでしたが、不妊に関してもコラムを書いておられる押尾祥子先生(プロに聞こう 『女性の健康』)に相談してみることにしました。

押尾先生にまず言われたのは、「精子の機能を見る特別な検査があるので、それを受けること」。通常の検査では精子の数や運動率、奇形率に問題がないことはわかっても、精子が卵子の中に入っていける能力があるかどうかといったことは、この特別な検査でないとわからないそうです。また、この検査は一部の病院しか扱っていないもので、パシフィック・ノースウェスト・ファーティリティでは受けていませんでした。料金は約700ドル。すぐに決めることはできませんでした。

「問題がないと言われたのに」「本当にそこまでわかるのか」といった迷いもありましたが、それよりも、「精子が卵子の中に入る能力がないなら、もう体外受精しかない」といった次のステップの費用のこと、「そこまでして」という気持ち。そういったいろいろなことを夫婦でいろいろと話し合い、さらに数ヶ月が過ぎました。

でも、「やはりできることを試してみて、それがだめだったらやめよう」という考えに落ち着き、この検査を受けるために、カークランド市のエバーグリーン・ホスピタル内にある不妊治療クリニック(現 Poma Fertility)で不妊治療の専門家のカウンセリングを受けることにしました。

Poma Fertility
www.pomafertility.com

来院して気づいたのは、パシフィック・ノースウェスト・ファーティリティの医師と看護師のように白衣を着ている人がいないということです。看護師は青や紫などのユニフォームを着ていますが、医師はポロシャツにスラックスといった私服でした。

私たちが面談した O 先生は普通にしていても笑顔のような顔の方。かつて仕事で日本にいたことがあると話してくださり、「コニチハ!」と言う、優しい雰囲気の親しみやすい方でした。夫も、「なんて “approachable” な先生だ」と言うぐらいで、夫婦ともども、最初からリラックスしました。

最初のカウンセリングはパシフィック・ノースウェスト・ファーティリティと同じような、不妊治療のステップに関することでしたが、この時点で既に私たちがタイミング法と人工授精に失敗していることから、体外受精を行うことを前提にした話し合いとなりました。

夫と私が既に受けて問題なしとの結果が出ている基礎検査をここでもう一度受けなくてはならないと聞いた時は、「どうせもう体外受精をするなら、基礎検査はもう終わっているパシフィック・ノースウェスト・ファーティリティに戻ってやっても一緒じゃないか」とも思いましたが、親しみやすい先生にかかった方がいいような気もしました。

体外受精の費用は、やはり1回につき1万ドル程。それに関してはファイナンス担当の人が別にミーティングを設けて詳しく説明してくれるとのことでした。

また、その時の私の状態が次の生理の直前だったため、早急に基礎検査を行い、もう一度だけ人工授精(IUI:男性から採取した精液を人為的に女性の子宮や子宮頸管部へ注入すること)をしてみることになりました。

筆者プロフィール:30代に入ってから不妊治療を開始。タイミング法や人工授精での失敗を経て、体外受精に挑戦し、その結果、子供を授かることができました。不妊治療を受けようとしている方、不妊治療中の方の参考になればと思います。

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