「米国の料理界のアカデミー賞」と言われるジェームズ・ビアード賞を授与するジェームズ・ビアード財団は23日、2022年度のセミファイナリストを発表しました。
1991年に創設されたジェームズ・ビアード賞は、米国の料理業界、ホスピタリティ、メディア、そして幅広い食のシステムにおける優れた才能と業績、さらに、人種と性別の平等、地域社会、サステナビリティ、そして誰もが活躍できる文化を実現することへのコミットメントを評価し、表彰するものです。
ワシントン州からノミネートされたレストランやシェフを一覧にまとめました。全米のリストはこちら。
Outstanding Chef 優秀シェフ部門
Rachel Yang and Seif Chirchi:Joule (シアトル)
Outstanding Restaurant 優秀レストラン部門
The Walrus and the Carpenter(シアトル)
Emerging Chef 新進シェフ部門
Kristi Brown:Communion(シアトル)
Best New Restaurant 最優秀ニューレストラン部門
Matia Kitchen & Bar(オーカス・アイランド)
Outstanding Baker 優秀ベーカー部門
Pamela Vuong:The Flour Box(シアトル)
Outstanding Hospitality 優秀ホスピタリティ部門
Bar del Corso(シアトル)
Outstanding Wine Program 優秀ワインプログラム部門
Tomo(シアトル)
Best Chef: Northwest and Pacific ノースウエスト&パシフィック最優秀シェフ部門
Nick Coffey:Ursa Minor(ロペス・アイランド)
Erasto Jackson:Lil Red’s Takeout and Catering(シアトル)
Liz Kenyon:Rupee Bar(シアトル)
Melissa Miranda:Musang(シアトル)
David Nichols:Eight Row(シアトル)
Brandon Pettit:Delancey(シアトル)
Mutsuko Soma:Kamonegi(シアトル)
Aaron Verzosa:Archipelago(シアトル)
Chad White:Zona Blanca(スポケーン)
ノースウエスト&パシフィック最優秀シェフ部門への4度目のノミネートとなった『Kamonegi』 の相馬睦子さんは、「今年は新顔が多いですね。日本人は私だけですが、POC(※)のシェフや女性のシェフも多く認められるようになってきて嬉しいです。自分ももっともっと努力して、社会貢献できるようにがんばります」と話してくれました。
※:POC: People of Color(有色人種)
評価されること、活躍することで出したい効果について伺ってみると、「発信することですね。ただ料理をするだけではいけないということだと思います。ネットで世界が繋がっているわけですから、情報を自分から発信しないと、お客さんが来ない時代になっています」とのこと。オリジナリティのある料理を創作し、ソーシャルメディアでほぼ毎日シェアしていることに、相馬さんの意気込みが伺えます。
受賞発表を兼ねたガラは、6月13日にシカゴのリリック・オペラで開催されます。
オレゴン州ポートランド生まれのジェームズ・ビアード氏(1903-1985)がアメリカの料理界の発展に大きく寄与したことをたたえ、その死後にアメリカにおける料理界の発展・継承を目的として設立されたジェームズ・ビアード財団。一年を通してさまざまなイベントや奨学金制度を実施するほか、1990年からレストランや個人に栄誉あるジェームズ・ビアード賞を授与しています。