2017年は、シアトルと神戸の姉妹都市提携60周年にあたる。文化・教育・経済などの分野で活発な交流を行っている両都市は、今年はお互いに訪問団を送るなどの記念事業を実施し、結びつきをよりいっそう深める活動を予定している。
在シアトル日本国総領事館で24日に姉妹都市交流の関係者が参加して行われたキックオフイベントで挨拶に立ったシアトル市のエド・マレー市長は、「昨年、神戸を初めて訪問した際、抹茶と日本のウイスキーが大好きになった」と述べて会場を和ませた後、「シアトルと神戸は、両国が非常に厳しい関係にあった後に姉妹都市となった。アメリカが直面している現状において、最も重要な姉妹都市関係であり、その交流と歴史は癒しと友好のシンボルとして非常に大切だ」と述べた。
シアトルでは神戸とのつながりが随所に見受けられる。インターナショナル・ディストリクトには春には桜が美しい花を咲かせる神戸テラスがあり、シアトル・センターのシアトル・チルドレンズ・ミュージアムには、神戸の街を再現したコーナーもある。1995年に阪神・淡路大震災が発生した際は、シアトルからたくさんの支援が届けられ、神戸からシアトルに贈られたシアトル・センターの「神戸の鐘」では、地震が発生した1月17日(日本時間)にあわせて追悼式が毎年開催されている。
また、政府機関や姉妹港の交流、教師や生徒のエクスチェンジなどに加え、草の根レベルでも積極的な交流が行われているのが大きな特徴だ。YMCA of Greater Seattle と神戸の青少年団体は1967年から交流プログラムを実施しており、シアトル・ヨット・クラブと須磨ヨット・クラブが1983年から3年おきにセーリング大会を開催している。2000年から開催されているシアトルの女性ジャズ・ボーカリスト大会の優勝者には、神戸最大のジャズイベントへの出演が約束されており、過去の優勝者には、日米でシンガーソングライターとして活躍しているシアトル出身のエミ・マイヤーさんがいる。
シアトル神戸姉妹都市委員会のベンジャミン・エリクソン会長は、「姉妹都市の交流は、言語や文化が異なるさまざまな人たちの協力があってこそなので、シアトルと神戸が姉妹都市として60周年を迎えたことは本当にすばらしい。ですが、この交流は、シアトルと神戸に縁がある人だけのものではなく、シアトルとすべてのコミュニティの交流です。どなたでもイベントに参加していただけますし、コミュニティのサポートなしでは進めません。今年は "神戸の年" として、地域全体で姉妹都市交流を盛り上げていければ」と話してくれた。
シアトル・神戸姉妹都市委員会
www.seattlekobe.org
掲載:2017年2月