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シアトルでニジマスを釣る

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イーストサイドの一押しスポット、Pine Lake

毎年、4月末になるとワシントン州の湖のニジマス(trout)釣りが解禁になる。

シアトルのグリーン・レイクなど、一部の湖は年中オープンだが、よく釣れる湖の多くは、4月末から9月にかけての半年だけ解禁になるのが普通だ。冬の間に休ませた分、魚も多く、また大抵の湖には養殖場で育てたニジマスを解禁直前に大量に放流してくれるので、解禁直後はいとも簡単に釣れることが多く、この機会を逃す手はない。

ちなみに、湖の釣魚規則、並びにニジマスの放流スケジュールは Catchable Trout Plant Reports で見ることができる。

イーストサイドで一押しの湖といえば、サマミッシュ市の Pine Lake である。筆者もここにはもう20年間欠かさずに通っているが、5月上旬から6月にかけては魚影も濃いので、釣れないということはまずない。駐車場から公園を抜けて湖畔に出ると、釣り用のドックがある。トイレも完備していて、湖面は波ひとつなく静まり返っているので、のんびりと早朝の陽射しを浴びながら、魚信を待つのも悪くない。必需品は釣り道具の他に、折りたたみの椅子。ここでの釣りは、投げ釣りで置き竿なので、天気の良い日にコーヒーとドーナッツなどを持参し、朝食を食べながら、気長に魚がかかるのを待つ、という按配だ。

ニジマス釣り

使用する竿は、6~7フィートの軽めのものが手ごろである。ラインは6ポンド・クラスが適当。トラウトはせいぜい1-2ポンド止まりなので、あまり大げさな道具は必要ない。糸の先には1/2オンスくらいの、中通しのオモリを通した上で、サルカン(Swivel)といわれる金具を結ぶ。その先に仕掛けをつけるのだ。

仕掛けは小さめの針に Power Bait という、ビン入りで売られている丸い練り餌を使うという簡単なものである。赤・緑・黄色など、いろいろな色のものがあるが、筆者はレインボー・カラーという派手なものがなんとなく気に入っている。

これを2つくらい、落ちないように針にしっかりと付けるのがいいようだ。通常、トラウト用の針は長さ1-2フィートの糸が付いて売られているが、これでは少し短いので、4ポンド・クラスの糸(リーダー)を結んで長くする。それを、先のメイン・ラインのサルカンに結ぶのであるが、このリーダーの長さが極めて重要だ。つまり、餌の Power Bait は軽くて水に浮くが、鉛のオモリは重くて湖底に沈むので、そのリーダーの長さが餌の湖底からの距離となるわけである。これを、釣り用語で「タナ」という。「タナ」が深すぎても、浅すぎても魚は釣れない。魚は目が上にしか付いていないので、下を見ることができない。したがって、魚が泳いでいる深さより下に餌が浮かんでいても、出会うことは全くないのである。

ニジマス釣り

Pine Lake ではこの「タナ」は8-10フィートのようで、リーダーの長さもそのくらいに合わせたほうがよく釣れるようだ。リーダーが竿の全長よりも長いと、初心者には投げ辛いが、それはどこかで練習するしかない。ドックから真正面に投げ、できるだけ遠くへ仕掛けを飛ばしてやる。湖底にオモリが着地したら、糸の緩みを巻き取って、糸をピンと張る。竿をそーっと欄干に置いて、後は魚信を待つのみ。待つことしばし、竿先がピピッと反応したら、すぐに竿を取って糸を巻く。トラウトは、初めはあまり抵抗なく、近くまで寄ってきて人の顔を見た瞬間に暴れ始めることが多いので、ここで無理をしてはいけない。リールのドラッグ(ブレーキ)を緩めにしておいて、ゆっくりと時間をかけて上げればいいのである。糸を切られないように、小さな手網を持参すると良い。湖ではサイズ制限はないが、リミットは普通5匹となっている。

ワシントン州で魚釣りや潮干狩りをするには、ライセンスを購入する必要があります。また、量・数には制限があります。ワシントン州魚類野生動物管理局(WDFW)の公式サイトでライセンスを購入し、規則を読んでから出かけましょう。

文:光岡則夫
1952年、横須賀生まれ。小学生の時に2年間をアメリカで過ごす。東京大学卒業後に電通に入社、旅行会社への転職を経て、1981年にロサンゼルスの DENTSU AMERICA へ。その後、オイル・チェンジのバルブを販売する会社をシアトルで起業。普段は釣りや松茸狩りなど、ワシントン州の四季を満喫する日々を送っている。『ぶらぼおな人』での取材記事はこちら。ワシントン州での釣り、松茸狩り、栗拾い、山菜取りなどについてまとめた 『人生そぞろ歩き』 を文芸社から出版。

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