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シアトルでサーフ・パーチを釣る

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サーフ・パーチ釣り

シアトルからはちょっと遠いが、太平洋岸のビーチでは投げ釣りでサーフ・パーチを釣ることができる。

もくじ

サーフ・パーチとは

サーフ・パーチとは、日本の海タナゴに相当する魚らしく、卵胎生であるところも同じなので、おそらくタナゴと呼んで間違いないようだ。真鯛を少し平たくしたような形で、身は少し柔らかいが、刺身がさっぱりと癖がなくて、淡白でよろしい。塩焼きや煮つけなどにも適しているので、釣りの対象としては悪くない。

しかし、シアトル近郊では釣れないので、オーシャン・ショア(Ocean Shores)やロング・ビーチ(Long Beach)など、片道3時間かかる太平洋岸まで遠征しないといけないのが難点だ。

サーフ・パーチの釣り方

釣り方は簡単で、遠投用の8~10フィートの長めの竿に、4~5オンスの重りをつけた4フィートのリーダーを結び、枝ハリにイカの切れっぱしをエサに付けて投げればいい。同じビーチでレーザー・クラムが獲れるので、その解禁日に合わせて行けば、クラム堀りの前か後にパーチを釣って帰るとという、効率のいい釣りができるという塩梅。往復6時間の遠征であるから、獲物がひとつだけではもったいないということだ。

こう書いていると、パーチ釣りはえらく気楽な釣りのように思われるかもしれないが、実は滅法ハードな釣りである。

サーフ・パーチ釣り

というのも、浜から魚に届くように仕掛けを投げるには海に入らなければならないからだ。浅瀬とはいっても、太平洋岸のビーチは波が荒い。まずは胸まであるウエーダーを履き、上から防水のジャケットをかぶって、腰の周りをベルトでしっかりと締め付ける。こうしておかないと、万が一転んだ時にウエーダーの中に海水がドバッと入ってしまい、その重みで立ち上がれなくなり、波に飲まれて溺れてしまう危険性があるからだ。

こうして準備を整えたら、押し寄せる波に向かってドタバタと果敢に突き進んでいく。かなりの遠浅なので、どんどん入っていかないと魚の泳いでいるあたりまで届かない。大波の間隔のタイミングを見計らいながら、行ける所まで行ったら、思いっきり竿を振って、仕掛けをできるだけ遠くまで投げてやると同時に、一目散に岸に向かって逃げる。

後ろから大波がやってくると体がドーンと押されて、宇宙遊泳のように浮いてしまうこともあるので、ヒヤリとする。ここで転んでしまったら全身ずぶ濡れだ。

サーフ・パーチ釣り

何とか浅場まで逃げ帰り、膝くらいまで水に浸かって竿を立て、糸をピンと張ってアタリを待つ。魚がいれば結構早く竿先にビビっと魚信が来るので、ガツンと竿を合わせて糸を巻けばいい。しばらくアタリがなければ、糸を少し巻いてじっと待つ。これを繰り返して反応がなければ、また海に突入して遠投し、逃げる。

釣れる時は続けて何匹も釣れることがあるが、釣れない時は長時間にわたり海の中に立ちんぼうで、寒い季節だと身体の芯まで冷えてしまうハードな釣りだ。

ビーチからの投げ釣りは年中オープンで、上述のビーチならば、だいたいどこでも釣れるようだ。12匹まで持ち帰れるので、試してみてはいかがだろうか。

ワシントン州で魚釣りや潮干狩りをするには、ライセンスを購入する必要があります。また、量・数には制限があります。ワシントン州魚類野生動物管理局(WDFW)の公式サイトでライセンスを購入し、規則を読んでから出かけましょう。

文:光岡則夫
1952年、横須賀生まれ。小学生の時に2年間をアメリカで過ごす。東京大学卒業後に電通に入社、旅行会社への転職を経て、1981年にロサンゼルスの DENTSU AMERICA へ。その後、オイル・チェンジのバルブを販売する会社をシアトルで起業。普段は釣りや松茸狩りなど、ワシントン州の四季を満喫する日々を送っている。『ぶらぼおな人』での取材記事はこちら。ワシントン州での釣り、松茸狩り、栗拾い、山菜取りなどについてまとめた 『人生そぞろ歩き』 を文芸社から出版。

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