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ドジョウ (漢字名: 泥鰌、分類:コイ目ドジョウ科、英名:Amur Weatherfish)(2)

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ドジョウ料理の中で最も人気のあるのが、ささがきゴボウと骨抜きドジョウをだしで煮たものに、溶き卵を加えてしばらく蒸した『柳川鍋』。

その他には、ドジョウを丸ごと食べる 『どじょう鍋』、そしてから揚げや蒲焼き、味噌汁や煮付けなどにも使われます。このように、美味なドジョウは昔から庶民の安直な栄養源として親しまれてきたのです。

筆者が育った東京足立区の神明町という町は、東西南北を綾瀬川、溜の川、葛西用水、綾瀬川と中川を結ぶ運河に囲まれ、近くにはため池もあるという、それこそ水に囲まれた町でした。

さらに自宅の玄関に入る前に、溜の川と運河を結ぶ幅約1.5メートルほどの用水路上の粗末な木橋を渡る必要がありまし た。台風が関東に接近すると、河川の増水情報をラジオ(テレビではありません)や新聞で知り、洪水の心配をしたものです。そのような環境でしたから、川魚類等とは非常に縁があり、コイ・フナ・ウナギ・ドジョウ・ナマズ・サヨリ・ライギョ・ハゼ・クチボソ・エビガニ・カタッケ・カニ・カエル・メダカなどを、さまざまな漁具や漁法で近所の遊び仲間と獲ったものでした。

ドジョウの効果的な漁法はカイボリと四手(よつで)の2つ。カイボリとは秋にかけて自宅の玄関前の幅約1.5メートルほどの用水路の水が少なくなった時を見計らい、泥や石、木で水の流れを止め、水をかい出して素手でドジョウを獲る方法です。また、四 手とは太い竹棒の先端に4つの平たい竹を頂点にし、下方に四角い網を付けたもの。竹棒の先端に紐を付け、適当な間隔で紐を引っ張り四手を上げ、ドジョウを 獲りました。自宅前の用水路は幅が1.5メートルと狭かったので、四手も約1メートル正方の小さいものでした。

前述の川魚類等で一度も食べなかったものは、ドジョウ・ライギョ・カニ・カエル・カメおよびメダカでした。ドジョウは筆者が子供時代に食べられなかった食べ物 の1つで、体が長く、チュウチュウと鳴くので、子供のころの筆者にとっては非常に気持ち悪く、結果的に一度も食べませんでした。食わず嫌いでドジョウが美 味かどうか残念ながらいまだにわかりません。ライギョはずんぐりむっくりした太長の体形をし、大きいものは確か50センチ以上もあったと記憶しています。ライギョそのものが気持ち悪く、家に持ち帰ることもなかったため、結果的に筆者の家族の食材にはなりませんでした。

掲載:2008年5月 更新:2020年5月

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