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赤ちゃんの健康のために 第6回 乳首が傷ついた時の対処法

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ナースプラクティショナー・助産師・看護学博士
押尾 祥子さん

Sachiko Oshio, CNM, PhD, ARNP

Nadeshiko Women’s Clinic

【メール】 info@nadeshikoclinic.com
【公式サイト】 www.nadeshikoclinic.com
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母乳育児を始めると、いろいろな原因で乳首が切れてしまったり、水ぶくれができてしまうことがあります。それぞれの場合によって、その原因を取り除く対策が必要です。ほとんどの場合、乳首の傷は、赤ちゃんの口がお母さんの乳首を正しくふくんでいないために起こります。まず、ラクテーション・コンサルタントや、母乳育児に詳しい人に乳首の含ませ方を診てもらうことが大切です。

傷そのものの対策としては、下記のような工夫をすることができます。

  • 授乳の30分から1時間ぐらい前に、痛み止めの薬を飲みます。イブプロフェン、タイレノールなどを瓶の指示通りに飲みましょう。この二つは、母乳をあげている時に飲んでも安全な薬です。
  • 痛くない方から授乳して、ほとんど満足したころに、傷のある乳首から吸わせます。飲み終わっても、まだ乳房が硬いようなら、柔らかくなるまで手搾りをします。
  • 塩水につけると、傷の治りが早い、という報告もあります。コップ1杯(250cc)ほどのぬるま湯に、小さじ半分(3 gm)ほどの塩を入れて解かし、ほんの1-2分間、傷のついた乳首をその中につけます。そのまま、そっと押さえるようにして水気を取り、柔らかい軟膏をぬります。
  • この目的のために作られた、All Purpose Nipple Ointmentという、3種類の薬を組み合わせた軟膏があります。これは、炎症を抑え、細菌の繁殖を止め、カビが傷の治りを遅らせるのを防ぎます。これは、医師、助産師などの処方箋が必要で、どこの薬局でも売っているわけではありません。どこで手に入るか、処方をしてくれる人に聞いてみてください。
  • 傷は、湿った状態の方が早くなおります。Hydrogel、 ComfortGel、 Soothiesなどの名前で売られている寒天のようなパッドをブラジャーの中に入れて、軟膏を塗った乳首を覆い、なおるまで傷が乾いてしまわないようにしましょう。

傷だけでなく、乳房全体が痛くなってしまった場合は、乳腺炎の可能性もあるので、受診しましょう。乳首が傷つくと、乳房にばい菌が入って、乳腺炎になりやすくなります。

掲載:2014年5月

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