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第139回 母乳育児中の母親のサポートと法的保護(Nursing Mother Accommodation)最新情報

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第100回のコラムで、母乳育児中の母親のサポートと法的保護についてご説明しました。

その主な内容は連邦法(Section 7 of the FLSA)に基づいています。連邦法では、50人以上の従業員を雇用する企業が対象ですが、州法では15人以上の従業員を雇用する企業が対象となります。

今回、2016年以降に行われたいくつかの法改正を含む、州法(RCW 43.10.005)での規定について、簡単に補足します。

もくじ

職場での授乳に関するサポート期間

まず、職場での授乳のサポート期間ですが、従業員が授乳のサポートを求めた場合、雇用者は連邦法では1年間、ワシントン州法(RCW 43.10.005 (1)(c)(viii))では最低2年間にわたり便宜を図り、調整を行うことが決められています。

授乳の場所

授乳の場所は、トイレ以外の場所で、他の従業員は入ることができず、外から見えないことが条件です。

ワシントン州法ではRCW 43.70.640に職場での授乳場所に関する詳細が記載されています。

授乳しやすい環境・就業時間

また、授乳場所に加え、授乳しやすい環境や柔軟な就業時間を提供することも求められます(RCW 43.10.005 (1)(c))。例えば、授乳中は飲食を可能にする、就業時間の変更や休憩時間の延長を許可するなどが挙げられます。

ただし、第100回のコラムでもご説明しましたが、休憩時間が10分(4時間毎)を超えた場合、雇用者はその延長分に対する報酬を与える義務はありません。

食事休憩についても、州法では就業開始後から5 時間以内に30分の食事時間を与える義務がありますが、食事時間を有給にする必要はありません。例えば、従業員が1時間30分の食事休憩と授乳時間を求めたとしても、雇用主はその1時間半に対する報酬を支払う義務はありません。

便宜を図ることが難しい場合

雇用者にとってこれらの便宜を図ることが難しい場合、それを証明する必要があります。その証明には、”Undue Hardship”(相当の困難)という基準が該当します。

訴訟問題に発展するケース

雇用主が、授乳について便宜を図ることを要求したことを理由に従業員を解雇した場合(従業員からの要求が原因でなくても、そのタイミングが近い場合、要求したことが解雇の理由とみなされることがあります)、従業員は報復人事として雇用者を訴えることができます。

刑務所に収監された母親の母乳育児サポート

ワシントン州法では、刑務所に収監された母親が出産した際の母乳育児のサポートも義務付けています。これは米国でもユニークなことです。

シャッツ法律事務所
弁護士 井上 奈緒子さん
Shatz Law Group, PLLC
www.shatzlaw.com

当コラムを通して提供している情報は、一般的、及び教育的情報であり、読者個人に対する解決策や法的アドバイスではありません。 読者個人の具体的な状況に関するご質問は、事前に弁護士と正式に委託契約を結んでいただいた上でご相談ください。

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