MENU

第102回 上級職員(Exempt Employees)に関する賃金制度改正について

  • URLをコピーしました!

2016年5月に公正労働基準法 (FLSA: Fair Labor Standards Act)の改正が連邦政府により承認されました。承認された多くの規定の中には、今年12月から上級職員の最低賃金・基準の変更規定が執行されることにより、多くの企業が報酬・給料の見直しを迫られることが見込まれています。

上級職員と一般職員

上級職員は、決まった時間帯に就業する一般職と異なり、残業手当の支給が法的に必要とされません。一般的に、上級職員とは、重役、管理職、専門職で構成されます。

一方、一般職員は、最低賃金と残業手当が法的に補償されているため、年々の最低賃金の上昇と1.5倍の残業手当の支給が義務付けられています。

上級職員の最低賃金・報酬の基準値の変更

これまで、フルタイムの一般職員の雇用が企業の諸経費の増加につながることから、ここ数年、企業側は一般職員を上級職員として採用し、一般職員に支払う報酬よりも低い賃金で雇用する傾向が目立っていました。

これを避けるため、今回の改正では上級職員と一般職員の役割の定義の明確化と、一般職員の最低賃金の上昇に沿った上級職員の報酬の引き上げが目的のひとつとなりました。

次に、上級職員の最低賃金・報酬の基準値が下記のように設定されました。

1)フルタイムで働く上級職員には、全国の40パーセンタイルに当たる報酬を与えること。つまり、最低支給額が1週間に913ドル、年間47,476ドルとなること。

2)重役・専門職など、高額の支払いを受けるべき職員に対しては、全国の90パーセンタイルに当たる報酬を与えること。つまり、最低支給額が年間134,004ドルとなること。重役・専門職の条件に該当することが前提。

3)3年毎に報酬額を見直し、上記の基準に満たされていることと、上級職員の条件に該当することを確認すること。

なお、上記の条件を満たすため、ボーナス等の特別報酬を支給することもできます。

労働局の監査でこれらの規定違反が発覚した場合、罰金のみでなく、職員に対する損害賠償金、未支払分に相当する支払い、弁護士費用等の支払いが企業側に求められることになります。

シャッツ法律事務所
弁護士 井上 奈緒子さん
Shatz Law Group, PLLC
www.shatzlaw.com

当コラムを通して提供している情報は、一般的、及び教育的情報であり、読者個人に対する解決策や法的アドバイスではありません。 読者個人の具体的な状況に関するご質問は、事前に弁護士と正式に委託契約を結んでいただいた上でご相談ください。

  • URLをコピーしました!

この記事が気に入ったら
フォローをお願いします!

もくじ