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神経発達障がいの懸念がある場合

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Studio Mene and Counseling Services
高田 Dill 峰子さん

Mineko Takada-Dill, MA, LMHC, ATR
カウンセリング:
Rockwood Office Park
1409 140th Place NE, Bellevue, WA 98007

アート・セラピー・スタジオ:
7048 27th Avenue NW, Seattle, WA 98117
【電話】 (206) 276-4915
【メール】 info@studiomene.com
【公式サイト】 jp.studiomene.com
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高田さんへのご質問はこちらからお送り下さい。

Q:神経発達障がいの懸念がある場合は、どうすれば良いでしょうか?

A:親として、子供の発達に遅れがあるかもしれないという懸念は計り知れない重みがあると思います。育て方を間違ったかもしれないといった自己批判や、バイリンガル教育の影響かもしれない、心配し過ぎかもといった迷いもあれば、友人や家族からは「心配しなくとも、時間が解決する」とアドバイスを受けるかもしれません。

しかし、本当に発達障がいがある場合は、逆に子供が大きくなるにつれて、普通に発達している子供との格差が開いていくことが多いので、早期診断と、子供の脳が柔軟な時期の治療が、とても大切です。

アメリカでは、適切な診断を受けておくと、医療保険を使ってのセラピーや学校での特別支援教育を受ける大きなメリットになります。

神経発達障がいの懸念がある場合

小児科の定期検査で明らかに発達障がいがあると見られる知的障がいを伴った自閉症であるとわかる場合は別にして、子供の発達の遅れや、他の子どもたちとの違いがあることの懸念はプリスクールや、場合によっては小学校に入って、他の子どもと交わり始めてから気づくことが多々あります。先生方は診断する立場にはありませんが、子供の標準的な発達の知識や経験がありますので、学校から子供の発達に対する懸念を話された場合、子供や親を批判をしていると捉えるのではなく、あなたの子供を助けたいという先生の思いを理解し、しっかりと相談に乗ってもらいましょう。

アメリカで神経発達障がい(neurodevelopmental disorders)といわれる障がいは、以下のように分類されます。

  • 自閉症スペクトラム症
  • ADHD、ADD(注意欠如・多動症)
  • 言語障がいを含むコミュニケーション障がい
  • 学習障がい
  • 知的能力障がい
  • 運動障がい

どの障がいも、血液検査や MRI などの検査ではなく、専門のトレーニングを受けた医師や心理学の先生(psychologist)による子供の行動の観察や IQ テストをはじめとする標準テストの結果によって診断されます。言語障害のみの場合はスピーチ・パソロジストが検査してくれます。

シアトル近辺で日本語の通訳をつけてくれる病院関係のクリニックは下記のとおりです。

【自閉症】

ワシントン大学 UW Autism Center
通常、Psychologist による検査を行います。ABA セラピー、スピーチセラピーなどの治療も提供しています。
公式サイト:depts.washington.edu/uwautism/clinical-services/

シアトル・チルドレンズ・ホスピタル Children’s Hospital Autism Center
自閉症の診断から治療まで行います。目的によって、psychiatrist、speech pathologist、psychologist による検査・治療を受けられます。
公式サイト:www.seattlechildrens.org/clinics-programs/autism-center/

【発達障がいの診断】

ワシントン大学 UW Child Development Clinic
昔からの名称 CHDD で呼ばれています。神経発達障がい全般の診断をしてくれます。MD、psychologist、speech pathologist、occupational therapist 等のチームによる検査です。
公式サイト:depts.washington.edu/chdd/ucedd/ctu_5/child_devclinic_5.html

どの機関も3ヶ月から1年ぐらいの待ち時間があります。その間に、「0-3」と呼ばれる養育センターか、学区の特別支援教育を受けるための検査を行う Child Find、学齢期の場合は子供の通う学校などに連絡して、発達の遅れが見つかった場合は、早期の対応を始めてください。

子供の第1言語が英語でない場合、通訳を通しての検査では社会性や言語力などの検査は難しく、はっきりと診断が出にくい場合もあります。中には、余分に費用がかかるものの、子供の保育園に出張して診断したケースもあります。第1言語が日本語の場合は、子供と日本語で触れ合っている保育園や学校の先生に子供の発達についてレポートを提出してもらい、検査の参考にしてもらったりします。

検査の後、Parent Conference と呼ばれる、検査官とのミーティングが行われます。最近では予算の関係などで、このミーティングの時間が短いケースもありますが、わかりやすく、2時間にわたりじっくりと説明をしてくれたといったケースもあります。日本語の通訳に入ってもらう場合は、最初から余分に時間をとってもらうよう要請した方がよいかもしれません。また、ミーティングの前に自分の質問事項を書きとめて当日質問するようにし、ミーティングの後も検査官に質問できるシステムを作ることも可能です。

ミーティングの後、検査結果や推薦事項をまとめたレポートが送られてきます。このレポートをもとに、学校でのサポートやプライベートでのセラピーなど、子供に適した養育プランを立てることができます。

掲載:2015年8月

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