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4月は自閉症啓発月間 早期診断・早期治療の必要性

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Studio Mene and Counseling Services
高田 Dill 峰子さん

Mineko Takada-Dill, MA, LMHC, ATR
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4月は自閉症啓発月間(Autism Awareness Month)です。自閉症は基本的には遺伝的なものと環境(公害、妊娠中の病気など)の組み合わせで起きる障害だと考えられていますが、非常に複雑で、原因ははっきりとはわかっていません。

今、アメリカでは自閉症の診断が降りる子供たちは88人に一人(男の子は54人に一人、女の子は252人に一人)と言われています。2013年の4月までは、広帆性発達障害というグループの中に、自閉症、アスペルガー症、PDD-NOS といった障害が含まれていましたが、5月に精神科のマニュアルが改正され、アスペルガー症や PDD-NOS の障害名が除去され、今では自閉症スペクトラムといった名前に変わりました。

スペクトラムとは、プリズム(分光器)を通した白色光が分解されて、さまざまな光の周波数が、虹のようになって見える各成分の分布のことだそうです。その言葉が自閉症の診断名の一部になったのは、実は自閉症を持った人が一人ひとり違っていて、二人として同じような症状を示さないほど複雑であるといったところから来ているようです。

それでは、なぜ自閉症と診断される子供の数が増加しているのでしょうか?一つには、診断するテストの枠組みがはっきりしてきたことによります。きちんとトレーニングを受けた、精神科・脳神経外科の医師や、サイコロジスト(phD)に診てもらうと、今では18ヶ月の幼児も診断できるようになりました。昔は小児科医も自閉症のことをよく知らないまま、定期健診で自閉症の懸念があっても、「もう少し待って見ましょう」といった対応をとることがあったのが、小児科医の自閉症に関する再教育も進み、早いうちに専門のクリニックを紹介したり、0-3と呼ばれる想起教育のセンターの訪問を勧められるようになってきました。

他にも、去年の改正前の精神科のマニュアルにあったアスペルガー症の提示により、本当は自閉症スペクトラムに含まれない軽度の自閉傾向の人も自閉症として数えられたため、今までは知的障害と診断されていた子供たちが自閉症と診断されたからだとの説もあります。

とはいえ、現段階では自閉症の診断は子供の行動が基準で、血液検査や MRI などでは診断ができないのが現状です。最近では自閉症と診断されたケースのうち約10% が、違った病気に基づく自閉症であることがわかっており、また、遺伝子のレベルでは1000種類近くの問題が発見されるなど、なかなか原因がわからない障害でもあります。

4月が自閉症啓発月間である理由の一つは、自閉症の治療は早期発見・早期治療がとても大切だからです。子供の脳の成長期という脳が柔軟な時に、脳に働きかけることが必要なのです。子供さんが、視線を合わせない、名前を読んでも反応しない、自分の世界に入っていて他の人に興味がない、こだわりが強く、生活や行動のパターンが変わることに耐えられない、音や光、着るものの繊維・匂い等に過剰に反応するなどの問題がありましたら、ぜひ専門の先生に相談してみてください。

掲載:2014年4月

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