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アメフトの頂点 NFL を目指す! 李卓選手・西村有斗選手にインタビュー

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アメフトの頂点 NFL を目指す! 李卓選手・西村有斗選手にインタビュー

李卓選手(左)・西村有斗選手(右)

2001年シーズンのみ運営され、2020年に復活することが昨年発表されたアメリカンフットボールのリーグ「XFL」。現在シアトルやロサンゼルスを含む8都市が賛同してチームが作られており、先月シアトルでトライアルが行われ、日本の X リーグに所属する社会人アメリカンフットボールチーム「オービックシーガルズ」の RB 李卓選手と WR 西村有斗選手が招待され参加しました。両選手とも、この春にテキサス州オースティンで開催されたさまざまなプロリーグ注目のスカウトイベント、The Spring League(TSL)に参加したことが、今回につながったとのこと。XFL でアメリカでプレーするチャンスをつかみ、アメフトの頂点 NFL でプレーするという目標の実現を目指すお二人に、メールでお話を伺いました。

– アメフトとの出会いについて教えてください。その当初からアメフトに感じておられる魅力とは。

西村:アメフトとの出会いは中学生の頃でした。その頃、僕はサッカーに熱中していたので、4つ上の兄が高校でアメフトを始めて試合を見に行くようになり、かっこいいスポーツだとは思っていましたが、やろうとは思っていませんでした。でも、中学を卒業し、たまたま兄と同じ高校にサッカーをするために入学してみると、アメフトの方が格好良く見えてしまい、担任もたまたまアメフト部監督だったこと、強く誘われたこともあって、入部を決めました。

李:中学の部活で名古屋では珍しかったアメフト部の体験入部に行ったことがきっかけです。NFL の映像を見て、一目で魅せられました。大観衆のスタジアムで華麗なプレーをする選手たちとその選手たちが着ているヘルメットや防具ユニフォームのビジュアルすべてに強烈にしびれました。かっこいいユニフォーム姿と、一目ですごいとわかる華麗でビッグなプレーがアメフトの魅力です。

– ご自身のプレーや精神面での長所は何だと思いますか。この二つについて、シアトルでのトライアルではどういったことが行われ、ご自身ではどういったアピールをすることができたとお考えでしょうか。また、トライアルを通してアメフトやご自身、アメリカの文化などについて新しい発見はありましたか。

アメフトの頂点 NFL を目指す! 李卓選手・西村有斗選手にインタビュー

西村有斗選手

西村:僕は、突出した足の速い選手ではないですし、体がでかいわけでもありません。しかし、アメフトのプレースピード(緩急だったり、体の使い方、ボールへの執着心など)に自信があります。あと、一番の長所は高校の頃に鍛えられた根性です。これをなくすと、自分ではなくなります。トライアウトを通じて思ったことは、日本でやる試合よりハードだったこと。かなりしんどかったです。しかし、それ以上にめちゃくちゃ楽しかった。1本たりとも気を緩める瞬間がなく、常に本気で相手とやり合える環境でした。自分の欠点も見つかり、まだまだ自分がうまくなれる部分を見つけることができ、とてもワクワクしています。

李:僕の強みはどんな相手にも臆することなく堂々とプレーする強い気持ち、技術面ではクイックネスとストップ&ゴー(加速・減速)です。今回のショーケースイベントでは40 yard、3コーン、立ち幅跳びなどの測定種目と各ポジションにわかれてのスキル練習、そして1対1や7対7の勝負練習を行ないました。十分に持ち味を発揮して存在感を残せたと思います。今まで国内、国際大会やアメリカで、本場のアメリカ人選手と闘う機会はありましたが、今回のショーケースの1対1が一番タフでした。しかし、その分、得る物も大きく、自分の伸び代に気づくことができ、こんなハイレベルな環境でフットボールがしたいという想いがより一層大きくなりました。

– XFL と契約した場合、その後、さらに NFL を目指しますか。その場合、NFL 選手になるための最大の課題は何でしょうか。

西村:もちろんです、上記で書いたように、本気でやり合える環境に身を置きたいです。毎日バチバチあたり合える体のタフさだと思います。怪我をしたら終わりなので。

李:もともと NFL を目指し会社を辞めて挑戦しているので、XFL と契約しアメリカでプレーするチャンスをつかみ、十分にやれるということを証明したいです。フットボールにおけるアメリカと日本の違いはタフさです。タックルをいなす技術はもちろんですが、でかくて強い相手のタックルを受け続けても自分のベストパフォーマンスを発揮し続ける身体のタフさや精神面のタフさが課題だと思います。また、日本では大きな僕ですがアメリカでは普通、もしくは軽い方です。そのタイプの選手はパスをキャッチする要因としても求められるので、キャッチの技術向上も避けては通れません。

アメフトの頂点 NFL を目指す! 李卓選手・西村有斗選手にインタビュー

李卓選手

– 幼い頃の経験で、今の自分につながっていると思われる大切な経験は何でしょうか。また、今からスポーツ(アメフトに限らず)でその本場を目指したいと思っている日本の子どもたちやその保護者に伝えたいことは何でしょうか。

西村:今でもアメフト始めるきっかけについて考えることがありますが、最後に背中を押してくれたのは、サッカーの監督からの言葉だったと思っています。僕が所属していたサッカーのクラブチームは1年生から3年生まで合わせて300人ぐらいの大所帯で、上には上がいて、自分がなかなかうまくならないことに大きな挫折を経験しつつも、「一度始めたことは最後までやり遂げること」という親の教えもあり、3年間サッカーに熱中しました。3年時には24人のメンバーに選出され、試合中はいつ交代に呼ばれても良いようにアップしていましたが、試合に出場する機会がないうちに卒業。でも、サッカーチームを卒業する時にいただいた監督からの手紙に「お前は3年間努力を一切怠らなかった。それはチームに良い影響を与えていた。高校に進んでサッカーをすると思うが、新しい自分を探し、挑戦してみろ!」と書いてありました。高校でサッカーを続けるかアメフトを始めるか悩んだ時にその手紙を読み返し、「新しい自分とはアメフトかもしれない」と思い、アメフト部に入部しました。

この思い切った決断により、僕の人生は大きく変わり、今でもアメフトを続け、頂点を目指すことができる選手になりました。子どもたちに伝えたいことは、目標は高い位置に設定すること。目標達成をするためのプロセスを大事にし、1日、1時間、1分、1秒を大切に努力し続けること。そのなかで、絶対につらい時やしんどい時はありますが、それは自分が試されている期間であり、諦めず努力すれば必ず自分のものになる。スポーツにおいても、人生においても自分次第でどうにもなる。自分の行動に責任を持って偽りのない自分を作ることができれば、必ず相応の結果が待っている。それは善も悪もどちらも存在し、どちらにするかは自分次第。これは高校の監督からの教えで、つまり、自分に嘘をつくなということです。

李:在日4世として日本で生まれ、幼稚園はインターに通っていました。人種も家で話す言葉も違う友達に恵まれ、日本学校に進学した後も小学4年生の夏休みに単身アメリカのアイオワ州の家庭にホームステイをする機会がありました。そういった経験が、自分というアイデンティティをしっかり持ちながらもインターナショナルなマインドを形成し、バランス感覚をもった広い視野を養ってくれました。それはステレオタイプにとらわれず新しいことに挑戦する心構えにつながっているように思います。

子ども達に伝えたいことは、自分の可能性を信じること。子どもの可能性は無限大で、強い憧れや意志の強ささえあればいくらでもその可能性を生かす事ができるように思います。保護者の方にも子どもの可能性を信じてあげてほしい。そして、子どもに決断をするチャンスを与えてほしい。自分で決めることがどの道に進んでもその先の道を歩む覚悟になるので、決断をするきっかけを与えるアシストをして上げてほしいなと思います。

– ありがとうございました。

西村有斗(にしむら・あると)略歴
大阪産業大学附属高校でアメリカンフットボールを始める。ポジションはWR、CB(コーナーバック)。3年時(2011年)にクリスマスボウル(高校選手権)に出場し両校優勝。チャク・ミルズ杯を受賞。日本大学ではWR。2,3年時(2013,2014年)に2年連続で甲子園ボウルに出場。3,4年時にはオール関東に選出。副将も務めた。1年時(2012年)にU-19日本代表として U-19世界選手権に出場。3年時(2014年)と卒業後の2016年春にはカレッジ日本代表として2大会連続で大学世界選手権に出場した。2016年オービックシーガルズ加入。2019年春には、アメリカのスカウトイベントであるザ・スプリング・リーグに参加した後、XFL のトライアウトにも招聘された。

李卓(り・たく)略歴
愛知県の南山中・高でアメフトをプレーし、慶応大学在学中に2年連続で関東大学リーグのリーディングラッシャー。在日韓国人4世として生まれ、2014年に日本国籍を取得。大学3年だった2015年の世界選手権では大学生で唯一、日本代表のメンバーに。大学4年時主将。2017年4月、パイロット候補生として日本航空に入社し、勤務の合間にトレーニングを続け、社会人アメフト界でも第一線で活躍を続けるが、2018年9月、アメフトの最高峰 NFL を目指すため、退社。現在は日本Xリーグのオービックシーガルズに所属しながら、XFL と NFLとの契約を目指してアメリカで挑戦中。

掲載:2019年7月 取材:編集部/オオノタクミ



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