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シアトルのミュージシャン、源(げん)・ルービンさんが投票を呼びかけ ミュージックビデオ『GET UP』配信

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『GET UP』 by We The People | VOTE for Change!

5月25日にミネソタ州でミネアポリス警察の白人警官に黒人のジョージ・フロイドさんが殺害されたことを受け、警察の黒人に対する差別や暴力、組織的差別に対する抗議活動が全米に拡大し、ここワシントン州でも続いています。それは、前例のない歴史的な出来事が次々と起こる中、「現在の状況を変える方法は何なのか」「その中で自分ができることは何なのか」と考え、何らかの行動に移している人が多い証拠でもあります。シアトル地域を拠点とするミュージシャンの源(げん)・ルービンさんもその一人。現在と過去、未来への思いをこめた楽曲『Get Up』 を二人のアーティスト共に制作し、7月中旬からシアトルの団体『Feel Good Voting』と共同配信を始めました。一人のアジア系アメリカ人としての Black Lives Matter への思い、ミュージックビデオの制作過程、約90日後に迫った選挙について伺いました。

このミュージックビデオには、最近シアトルで起きた抗議活動のさまざまな映像が含まれているようです。源さんも抗議活動に参加されていますか?参加されている場合、その理由を教えてください。

家族で Seattle Children’s March に参加し、そこでたくさんのビデオを撮影しました。私たちは自分たちの目の前で起きていることを強く支持しており、Black Lives Matter の運動への支持を示したいと思っていました。そして、この行進は私たちの子どもたちを連れていくのに最も理にかなっていたのです。また、今回のミュージックビデオでは、シアトル在住の写真家やビデオ作家にリーチアウトして提供してもらったすばらしい映像や写真も使っています。

ミュージシャンとして、抗議活動に参加する前から音楽を作ることを最初から考えていましたか、それとも抗議活動の最中や後に思いついたのですか。

はい、私は長い間、音楽やビデオを作ってきました。ジョージ・フロイド氏が殺害されるところを撮影したビデオが公開されてすぐ、親友でありラッパーでありダンサーでもあるボストンのワイアット・ジャクソンが私に連絡をくれ、私たちはこの国で何が起きているのか、今後何が起きなければならないのかについての楽曲を共同制作することにしました。私たちは、私の妻のシェリルと一緒にほぼ1日で 『Get Up』 を書き上げ、すぐに私たちの友人やミュージシャンのネットワークにリーチアウトし、歌ったり、踊ったり、叫んだりするパートでコラボレーションを始めました。抗議行動に参加して撮影するまでに、すでに多くの映像や歌を録画していました。

音楽とミュージックビデオの制作過程を詳しく教えてください。例えば、なぜ “Get Up” を一緒に歌うために、いろいろな人の顔をスクリーンに映すことを選んだのでしょうか。

この楽曲の制作は本当にすぐに実現しました。私たちが3人とも何か言う必要性を感じていたと思うので、それがすべてあふれ出てきたのです。その過程の中で、私とシェリルは、アジア系アメリカ人であることから罪悪感に直面することになりました。歴史的に、アジア系アメリカ人は公民権運動の恩恵を受けてきましたが、必ずしも黒人社会のために声を上げてきたわけではありません。

最初のコーラスでは、私たちがどのように感じているかについて多くのことが述べられています:「泣くのは十分ではない。私はあなたの味方だと言うだけでは十分ではない。ただ傍観するだけでは十分ではない」。私たちは自分たちの役割を果たしたいと思っていること、アジア系アメリカ人と太平洋諸島出身者(AAPI)のコミュニティが過去に十分なことをしてこなかったこと、同情するだけでは誰の役にも立たないことを認識していることを明確にしたかったのです。

最後のコーラスは行動への呼びかけです:「立ち上がり、変化を要求する必要がある」。シェリルが、みんながそのコーラスで「Get Up!」(立ち上がれ!)と叫ぶべきだと提案したので、私たちは、自分が叫んでいる映像を送るよう、いろいろな人に頼んだのです。さまざまな年齢、性別、民族のすべての顔が叫ぶところから始めることで、現状に満足している人々にショックを与え、皆が一緒に闘わなければならないことを示しています。

新型コロナウイルスのために社会的距離を置いていますから、皆に自分自身を撮影して、この楽曲の他の部分の映像を送ってもらうよう依頼しなくてはなりませんでした。歌手やダンサーが素晴らしい映像を提供してくれました。ワイアットの映像はとても力強く、ラップとダンスを通して物語全体の語り手となっています。これらのパーツがすべて揃った時点で、すぐに全体をまとめることができました。重苦しい雰囲気の白黒の映像で始まりますが、最後の部分で皆に立ち上がってシステムの変化を要求するところでは、希望を感じさせるよう、カラーの映像となります。

投票権を行使しない人もいますね。その理由は、「政治に関わりたくない」や「投票したいとあまり思わない」など、さまざまですが、あなたは、彼らがなぜそのように感じていると思いますか。また、選挙に参加しようと思わせるには何が必要だと思いますか。

多くの人は無関心か無関係と思っているかのように見えますが、特にマイノリティの人々に投票をさせないようにする動きがあります。確かに、非常に多くの人が、忙しすぎるとか、投票してもあまり意味がないと感じています。2016年には、約1億人が投票せず、その大多数は18歳から30歳でした。いくつかの激戦州の結果は、わずか数千票と僅差でした。

この年齢層の人たちが気付いていないのは、もし全員が投票すれば、すべての選挙の結果を自分たちだけで変えることができるということです。これはあまりにも理想的な考えかもしれませんが、このビデオに私たちが望んでいるのは、私たちの音楽を使って、人々に自分たちが実際に持っている力を認識してもらうことなのです。選挙によって、自分たちと同じように考え、国のために同じことを望んでいるあらゆるレベルの政府のリーダーを選出すれば、この国で現在人々が怒っていることの多くが変わることができることを知ってほしいのです。

この選挙に期待していることは。

何を期待していいのかわかりません。でも、私は現政権に反対する強力な国民投票を望んでいます。現政権はパンデミックへの対応をひどく誤っており、アメリカは世界で最も感染が拡大している国の一つになっています。露骨な人種差別で支持者を煽り、今は我々の目の前で、市民に対し、全体主義的な戦術で対応しています。ほとんどのアメリカ人は現状に満足しておらず、誰もが恩恵を受けられるような変化を望んでいると信じています。そして、私たちは皆、その変化を実現するために投票しなければならないのです。

ありがとうございました。

掲載:2020年7月



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