ワシントン州政府が、Environmental Protection Agency(EPA:環境保護庁)が決定したワシントン州の水質基準の変更に反対し、トランプ政権を提訴しました。
ワシントン州には水質を保護する Clean Water Act(水質浄化法)という法律があり、その最新基準は2016年に40年ぶりに強化され、オバマ政権下での環境保護庁に承認されました。
しかし、トランプ政権下の環境保護庁は「米国の水路」を、船舶の航行が可能な水路、そしてそれに隣接している、年間を通じて水が流れている湿地帯や小川と再定義し、船舶が航行できない、年間を通じて水が流れていない湿地帯や小川は対象外としました。
KING5によると、製紙会社や Washington Farm Bureau が含まれる業界団体がこの基準に反対して再検討を求め、トランプ政権下の環境保護庁はこれを受け入れ、基準を元に戻すことを5月に発表していました。
しかし、船舶が航行できない、年間を通じて水が流れているわけではない湿地帯や小川も、雪解け水や大雨の際に水が流れる場合があり、環境保護団体の Puget Sound Keeper はそうした湿地帯や小川を、採鉱や流出雨水、農業汚染や下水流出物、工業排水から守るため、この変更に反対しています。
ワシントン州のボブ・ファーガソン司法長官は、今回の変更はワシントン州の水質浄化法に反しており、トランプ政権の環境保護庁は産業利益に従って水質保護基準を変更することはできないと主張しています。
この水質浄化法による水質基準はワシントン州のみを対象としており、健康を守るために必要な水の清潔度の基準の判断に使用されています。