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シアトル神戸姉妹都市提携65周年 神戸訪問団のカーリン・ザーグ・ブラック団長インタビュー

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シアトル神戸姉妹都市提携65周年

神戸市の『人と防災未来センター』にて
左から:Port of Seattle の International Business Protocol Liaison &神戸訪問団長のカーリン・ザーグ・ブラック氏、コミッショナーのトシコ・ハセガワ氏、コミッション主席補佐官アーロン・プリッチャード氏、コミッショナーのフレッド・フェルマン氏、エグゼクティブ・ディレクターのスティーブ・メトラック氏
Photo by Alabastro Photography

今年は、シアトルと神戸の姉妹都市提携65周年。11月16日にシアトルからブルース・ハレル市長をはじめとする総勢77名の訪問団が約5日間の日程で神戸を訪問。10月に神戸からシアトルを訪れたばかりの久元喜造市長らと再会し、市政府、空港・港湾、教育機関、民間企業などを訪問しました。

シアトルと神戸は、市民が中心となり、数ある姉妹都市関係の中でもとても活発な交流を続けています。65周年の訪問団の団長で、シアトル神戸姉妹都市委員会の役員を務めるカーリン・ザーグ・ブラックさんによると、訪問団による訪問は姉妹都市となった時から5周年ごとに行われているとのこと。ブラックさんに、今回の神戸訪問と姉妹都市の活動について伺いました。

今回の神戸訪問は、シアトル・メトロポリタン商工会議所とグレーター・シアトル・パートナーズが企画した国際リーダーシップ・ミッションの一環で、ハレル市長は神戸訪問の前に東京も訪れています。

シアトル神戸姉妹都市提携65周年

神戸市主催の歓迎レセプションにてスピーチをするシアトルのブルース・ハレル市長

– 姉妹都市となった時から5周年ごとに訪問団を送りあい、とても活発に活動していますね。

シアトルと神戸は、5周年ごとに行われる訪問に加えて、3年に1度、40年以上続いているシアトルヨットクラブと須磨ヨットクラブのレガッタや、シアトルYMCAと神戸YMCAの交流など、大きな提携を記念して、臨時の訪問団を派遣しています。65年間の姉妹都市関係で、少なくとも25回以上の訪問団がシアトルと神戸を訪問しあっていると考えてよいかと思います。

シアトル神戸姉妹都市提携65周年

神戸市の『人と防災未来センター』を訪問
Photo by Alabastro Photography

– ブラックさんは、これまで何回訪問団に参加していますか。

私は1993年から1996年まで JET プログラムに参加し、神戸市長室で働いていました。その後、シアトルに戻り、1997年からシアトル神戸姉妹都市委員会(SKSCA)でボランティアをしており(会長も経験)、1997年の姉妹都市40周年/姉妹港35周年の企画委員を務めたので、姉妹都市提携記念の年の活動や交流のオーガナイザーとして関わるのは今回で6回目になります。今年は記念事業企画委員会の委員長を務めました。

シアトル市経済開発局のステイシー・ジェリックさんは1996年から1997年までJETプログラムに参加し、姉妹都市提携40周年の時も神戸市長室から参加していたので、これまで6回に及ぶ記念事業に一緒に関わりました。

また、Port of Seattle の国際ビジネスプロトコルのリエゾンとして働いてきたこの6年間、姉妹港関係の一環として、港湾会議や会合で神戸を何度も訪れましたし、インスリー知事のワシントン州と兵庫県の姉妹州関係を祝う代表団にも参加しましたから、少なくとも10回は姉妹都市・姉妹港・姉妹州の公式訪問で神戸を訪れたことになります。

シアトル神戸姉妹都市提携65周年

神戸市の『人と防災未来センター』で、防災グッズを見学
Photo by Alabastro Photography

– 今回の神戸での日程は、地元企業や教育機関を複数訪問し、技術、街づくり、鉄道、科学、教育、文化などの分野を通じて神戸を知るというものでした。過去の訪問団も同じような形式だったのでしょうか?

シアトルと神戸は、両市にとって初めての姉妹都市です。アイゼンハワー大統領が1956年に提案した姉妹都市プログラム構想によって、1957年に提携しました。私たちは、第二次世界大戦後、二つの都市の人々が草の根の交流を行うことが有益で、平和で友好な関係を作ることができるという考えをいち早く取り入れていたのです。ですから、65年にわたって交流を継続したことは、祝うに値するマイルストーンです。

シアトル・メトロポリタン商工会議所とグレーター・シアトル・パートナーズが、世界的なパンデミックを経験した後、この記念すべき年を祝い、日本との長年にわたる強力な経済関係を祝うために、国際リーダーシップ・ミッションを日本に送ることを企画したことを、大変光栄に思っています。神戸にはシアトル地域から合計77人が集まりました。

今回の訪問団も、姉妹都市提携のテーマである行政、教育、ビジネス、文化の交流の柱をしっかりと守っていました。

シアトル神戸姉妹都市提携65周年

神戸市立医療センター中央市民病院 ロボット手術センター
Photo by Alabastro Photography

– 今回の訪問団の最大のゴールは。

長い歴史を持つ両都市のパートナーと関わり続けながら、常にその時々の各都市のニーズに基づいたさまざまなトピックを議論し、絆をさらに深め、より多くの人々を巻き込む新しい交流や活動を生み出しているのは、私たちの姉妹都市・姉妹港関係の証と言えるでしょう。

どの記念訪問団も、1)共通の課題に直面している自国での実践に役立つ革新的なアイデアをお互いから学び、2) 交流やパートナーシップのための新しいアイデアを開発し、3)神戸のパートナーだけでなく、地域のリーダー同士の関係も強化することを目的としています。

シアトル神戸姉妹都市提携65周年

神戸大学
Photo by Alabastro Photography

今年は、神戸への訪問団と、その数週間前に行われた久元神戸市長のシアトル訪問で、環境問題と二酸化炭素排出量の削減をテーマに、水素などの代替燃料源について話し合いました。シアトルと神戸の姉妹港は、共通する課題に取り組むため、情報を共有し、学び合っています。貿易と経済の発展、高速鉄道の導入、緊急事態対策、地域の警察活動なども、今回の訪日のテーマとなりました。久元市長は、神戸に持ち帰る新しいアイデアを得るために、技術的な解決策や図書館システム、空港の調査にも目を向けていました。また、ワシントン大学や神戸大学との連携もテーマに含まれています。

姉妹都市協会は、長年にわたり、シアトルと神戸の住民が、野球やジャズなど、すでに持っている活動や情熱を通じて、互いの都市を結びつけ、そこに国際的な要素を加えようと努力してきました。今年は、神戸市側と企画会議をする中で、スモールビジネスの交流というアイデアを生み出し、クッキー、コーヒー、ビールを作るビジネスをペアにし、イベントが実現しました。スモールビジネスのパートナー同士が知り合い、お互いの街でおいしい商品を楽しく紹介できるのは、とても素晴らしいことです。シアトルからの参加者も、クッキーやコーヒー、ビールを楽しみながら、日本の文化や姉妹都市である神戸について学ぶことになりました。

宇和島屋では、神戸のお酒を中心とした神戸フードフェア、コーヒー、ビール、クッキーを中心としたビジネス交流と商品PRに力を入れました。コーヒーのパートナーは Vivace Espresso と萩原珈琲、ビールのパートナーは Lucky Envelop Brewing と六甲ビール、スイーツのパートナーは Hello Robin と Mont Plus です。

これから、シアトルと神戸の訪問の成果について、さらに議論を深めていきたいと思います。

シアトル神戸姉妹都市提携65周年

神戸の Sone Jazz Club で歌う、シアトルのジャズ歌手ジャクリーン・タボー
Photo by Alabastro Photography

– 神戸レガッタ&アスレチック・センターでのカジュアルなレセプションは、神戸の神戸シアトル姉妹都市委員会のメンバーの方々とお会いし、姉妹都市関係の基本が人と人との交流であることを多くの人が再認識する機会になりました。今年の代表団は、シアトルと神戸の絆をより深めるために、どのような役割を果たしていると思いますか?

姉妹都市関係の基本は人であることは、間違いありません!それが、1956年のアイゼンハワー大統領の姉妹都市構想の原点です。旅をして新しい文化を体験することで、人は人生を変えるような経験をし、自国の文化や自分自身について考えることができます。それは、シアトル神戸姉妹都市委員会の委員たちが、神戸や日本の他の都市で経験したことにも当てはまります。

政府関係者、企業関係者、教育関係者、芸術家など、さまざまな人々とのつながりを築くことが、姉妹都市提携記念事業の目的です。また、訪問団のメンバー同士が交流する機会にもなり、新しいつながりや友情が生まれ、新しい何かが生み出されるでしょう。

シアトルのジャズボーカリスト、ジャクリーン・タボーを神戸で「発見」して、地元シアトルでまた聴きたいと言ってきたり、「神戸で食べた Hello Robin のクッキーをシアトルで買いに行ったり、神戸で初めて食べた梅干しを宇和島屋に買いに行ったり、シアトルの代表団のメンバーはすでに行動を起こしています。そのようなつながりが、姉妹都市としてのつながりをより強固なものにしているのです。

また、旅行先で今まで体験したことのないようなこと、たとえばカラオケを体験してもらうこともできます。今回、多くの代表団メンバーが神戸でカラオケに参加し、日本の典型的な文化活動を体験できたことは素晴らしいことでした。シアトルのキャピトル・ヒルにあるカラオケで、日本の歌の楽しさを再体験し、人々の違った一面を見、どんな音楽が好きなのかを知ることができるようなイベントをしたいと思います。

久元神戸市長と安井神戸市議会議長がシアトルを訪れた際、キャピトル・ヒルでハロウィンのクリエイティビティとトリック・オア・トリートの楽しさを体験していただき、ハレル市長に神戸でカラオケが生み出す温かさと楽しさを体験していただいたことは、今年の記念事業の二大文化交流ハイライトになったと確信しています。この二つの出来事だけで、それぞれの姉妹都市の人々にたくさんの楽しい思い出を作り、温かさを育むことができました。私たちがこのイベントを企画したのは、まさにそのためだったのです。

– その他に、シアトルと神戸の参加者から聞いたコメントや感想があれば教えてください。

シアトル・メトロポリタン商工会議所とグレーター・シアトル・パートナーズの国際訪問団と姉妹都市の訪問団のメンバーからの反応は、間違いなくすべて非常にポジティブなものでした。

パンデミックから回復し始めたばかりの日本に77人を連れて行くのは大変なことでしたが、長年の貿易・文化パートナーである日本に、パンデミック後の最初の貿易ミッションとして日本を選び、強い絆を再確認できたことは、この上なく価値のあることだったと思います。

また、スノホミッシュ郡、キング郡、ピアス郡やワシントン州など、より広い地域のリーダーたちに神戸を体験してもらい、姉妹都市・姉妹港の関係の強さを直接知ってもらうことは、今後の意識向上に大きな影響を与えると思います。今後数ヶ月間にわたり、さまざまなアイデアや交流のフォローアップを行っていくことは間違いありません。

シアトル神戸姉妹都市提携65周年

シアトルの Lucky Envelope Brewing と神戸の六甲ビールがコラボして完成した姉妹都市ビールは、2023年1月6日に披露されました。
Photo by Brian Chu

– 今後、どのような企画が予定されていますか。

今後数週間、数ヶ月のうちに、新しい共同プロジェクトやイベントが始まるでしょう。

シアトル港と神戸港は、二酸化炭素排出量の削減とその方法について話し合いを続ける予定です。また、ワシントン大学と神戸大学は、研究を共有し、つながりを作るための新しい機会作りについて話し合いを続けることを予定しています。

シアトル神戸姉妹都市委員会と市役所のパートナーは、すでに5年後の70周年記念事業について話し始めています。私たちが長年にわたって行ってきたプロジェクトの中には、神戸市立博物館で開催したチフーリ・アート展や、シアトル美術館で開催した 『Japan Envisions the West』 展など、確実に5年間の計画期間を設けているものがあります。ご期待ください!

スモールビジネスの交流という点では、シアトルのクッキー専門店『Hello Robin』 のロビンは神戸を訪れ、4つのイベントで神戸の人たちにクッキー作りを披露しました。神戸のパティスリーモンプリュのシェフパティシエ・林周平さんのシアトル訪問を希望しています。コーヒーのパートナーである Vivace Espresso と萩原珈琲も昨年12月にオンラインイベントを開催しました。また、シアトルの Lucky Envelope Brewing と神戸の六甲ビールのオーナーは、それぞれ1週間お互いの都市で過ごし、学び、一緒にビールを醸造しました。その結果が、2023年1月6日に美味しい姉妹都市ビールとなって披露されました。

シアトル神戸姉妹都市委員会は、ボランティアを常時募集しています。ご興味のある方は、Facebook やインスタグラムで Seattle-Kobe Sister City Association をフォローするか、www.seattlekobe.org でメーリングリストに申し込んでください。

ご興味のある方はぜひ下記の公式サイトをご覧ください。

シアトル・神戸姉妹都市協会:www.seattlekobe.org
神戸シアトル姉妹都市協会:kobeseattle.com

シアトルのブルース・ハレル市長からのメッセージ

シアトルのブルース・ハレル市長

神戸シアトル姉妹都市協会の歓迎会で、ボランティア・鵜川有さんと茶道を体験するハレル市長
Photo © Seattle-Kobe Sister City Association

「今回の訪問の一番の思い出は、久元市長、神戸市職員の方々、姉妹都市関係者の方々、そして地域の皆さんと再会できたことです。何年も前に、シアトルの私の自宅で神戸市からの姉妹都市訪問団を受け入れたことがあり、その皆さんと再会できたのは嬉しいことでした。この出会いによって、私たちの多様性と共通性がはっきりと実感できました。また、伝統的な日本の茶道を体験することを通して、私たちは神戸側で草の根活動をしている皆さんと打ち解け、文化や経験についてさらに学びました。国や文化、地域社会が一丸となって対応する必要のある効果的な治安維持について話し合い、アイデアや解決策を話し合うこともできました。私たちの背景はまったく異なりますが、共通の価値観と地域社会における優先事項のもとに団結し、この訪問の後も長く続くであろうつながりを生み出しています。」

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