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シアトル警察、暴力行為の軽減を目的とした新たなタスクフォースの設置を発表

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シアトル警察は、今年に入って発砲事件が増加していることを受け、市内のダウンタウン、オーロラ・アベニュー、サウス・シアトル、セントラル・ディストリクトの4地区で発砲事件を減らすことを目的とした、新しいタスクフォースの結成を発表しました。

地元メディアの報道によると、新しいタスクフォース 『Community Violence Task Force』 の結成は、今月13日の日中にベルタウンで妊婦のエイナ・クォンさんが撃たれて死亡したことや、16日午前にバラードで4人が銃で撃たれて負傷したことなどに後押しされたもの。50~60人の警察官と刑事で構成され、専門部隊は市内のダウンタウン、オーロラ・アベニュー、サウス・シアトル、セントラル・ディストリクトの4つの問題地域に配置転換される予定ですが、人員不足が課題となっています。

シアトル警察が公開しているデータによると、シアトルでの殺人事件は2012年の24件から2022年の52件と、過去10年間で大幅に増加しました。また、今年の最初の5カ月間にシアトルで起きた発砲事件は270件で、昨年一年間の303件に迫る勢いで増えています。負傷または死亡に至った銃撃事件は、昨年は78件、今年の最初の5カ月は67件。射殺事件のみに絞ると、昨年の最初の5カ月間に射殺された人は15人、今年は最初の5カ月だけで18人となっています。

2023年の今までに発砲があった地域の上位10位は次のとおりです。

  1. レーニア・ビーチ 18件
  2. セントラル・エリア/スクワイア・パーク 17件
  3. レーニア・ビュー 12件
  4. ブライトン/ダンラップ 12件
  5. マドローナ/レシャイ 11件
  6. チャイナタウン/インターナショナル・ディストリクト 11件
  7. キャピトル・ヒル 10件
  8. ダウンタウン/コマーシャル・ディストリクト 9件
  9. ユニバーシティ、マウント・ベーカー、サウス・レイク・ユニオン/カスケード 各8件

今月13日にシアトルのベルタウンで射殺された韓国系女性のエイナ・クォンさん(34)は、4th Avenue と Lenora Street の交差点で停車していたところ、男にいきなり発砲を受けました。クォンさんは現場近くで経営していたレストラン 『Aburiya Bento House』 に夫のソン・クォンさん(37)と一緒に出勤途中だったと見られています。シアトル警察は、妊娠していたエイナさんは救急病院の Harborview Medical Center に搬送された後に死亡し、緊急摘出された胎児も間もなく死亡、ソンさんも腕を数発撃たれて負傷したと発表。事件発生直後に容疑者のコーデル・グースビー被告(30)を特定して逮捕しています。シアトル・タイムズによると、検察は16日に同被告を第一級殺人罪と第一級暴行罪で起訴。22日に罪状認否が行われる予定です。

シアトル警察は、グースビー被告がDVでインディアナ州に指名手配されており、イリノイ州クック郡で規制薬物の所持と武器または車両の加重不法使用で重罪の前科があると見ています。検察はこれらの州外での犯罪歴を確認中で、それが完了次第、銃器不法所持の罪を追加する予定です。

シアトルのハレル市長はクォンさん夫婦の事件について声明を発表。「コミュニティの安全を守るためにあらゆる努力をしなければならない。そして、路上から銃を排除し、法執行機関と行動保健リソースを増やし、銃暴力に対するコミュニティベースの解決策を進め、加害者にその行動の責任を取らせるための努力を絶え間なく続けなければならない」と述べています。

同被告が使用した銃は、盗まれたものであることが判明しています。殺傷用武器の販売禁止法を法制化するなど、銃規制を強化することも一つの方策ですが、銃を入手するべきでない人が違法に銃を入手したり、合法的に購入した銃が盗まれて街中に出回ったりすることを完全に防ぐことは、現実的に非常に困難です。

クォンさんの家族が韓国から葬儀に出席できるよう、GoFundMe を通じて寄付活動が行われています。

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