2025年4月30日、北米の女子プロホッケーリーグ(PWHL)は、シアトルを本拠地とする新チーム「PWHLシアトル(仮称)」の設立を正式に発表しました。チームは2025–26シーズンからリーグに参戦し、Climate Pledge Arena(クライメット・プレッジ・アリーナ)でホームゲームを開催、練習は Kraken Community Iceplex で行われます。
チーム名とロゴは現在選定中で、当面は「PWHLシアトル」として活動します。チームカラーには、WNBAのシアトル・ストームを思わせるエメラルドグリーンにクリーム色が加えられる予定です。
バンクーバーとの新たな西海岸ライバル関係が始動
この1週間前の4月23日、PWHLはカナダのバンクーバーを拠点とする新チーム「PWHLバンクーバー」の設立も発表しており、シアトルとともにリーグ初の拡張チームとして注目を集めています。
バンクーバーは、かつてNHLバンクーバー・カナックスが本拠地としていたパシフィック・コロシアムをホームとし、チームカラーには「パシフィックブルー」とクリーム色を採用。こちらも正式名称とロゴは今後発表される予定です。
ロイターによると、バンクーバーのチーム設立のきっかけは、2025年1月にロジャーズ・アリーナで開催された「PWHLテイクオーバーツアー」の成功で、同イベントでは19,000人超の観客が来場し、PWHL史上最大の動員を記録しました。
シアトルとバンクーバーは地理的にも文化的にも近い関係にあり、これにより新たな “国境を越えた女子ホッケーライバル関係” が誕生することになります。
PWHLとは?
PWHL(Professional Women’s Hockey League)は、2023年に北米で創設された女子プロアイスホッケーリーグです。初年度はボストン、ミネソタ、モントリオール、ニューヨーク、オタワ、トロントの6都市で開幕しました。
2025–26シーズンにはシアトルとバンクーバーが加わり、全8チーム体制となります。
- Boston Fleet(Tsongas Center:アメリカ/マサチューセッツ州ローウェル)
- Minnesota Frost(Xcel Energy Center:アメリカ/ミネソタ州セントポール)
- Montréal Victoire(Place Bell:カナダ/ケベック州ラヴァル)
- New York Sirens(Prudential Center:アメリカ/ニュージャージー州ニューアーク)
- Ottawa Charge(TD Place Arena:カナダ/オンタリオ州オタワ)
- PWHL Seattle(Climate Pledge Arena:アメリカ/ワシントン州シアトル)
- Toronto Sceptres(Coca-Cola Coliseum:カナダ/オンタリオ州トロント)
- PWHL Vancouver(Pacific Coliseum:カナダ/ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー)
女子スポーツの街・シアトル

すでにシアトルには、WNBA のシアトル・ストームと NWSL の OL レインという女子プロスポーツチームが活躍しています。今回の PWHL シアトルの誕生により、シアトルは名実ともに女子スポーツの一大拠点として、さらにその存在感を高めることになります。
ホームアリーナとなる Climate Pledge Arena はストームの本拠地でもあり、今後はPWHLシアトルと会場を共有する形に。これにより、女子アスリートたちにとってはさらなる露出やファンとの接点が生まれ、地域全体にとっても大きなプラスとなるでしょう。
シアトルの女子スポーツにとって、まさに新しい時代の幕開けです。今後発表されるチーム名や選手の顔ぶれにも、注目が集まります。