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「雨氷」に備えよう:ワシントン州西部の気象警報と対応策

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北極からの寒気で、米国の多くの地域が先週12日から記録的な寒波に見舞われ、交通や電力供給などに大きな影響が出ています。15日夜にはナショナル・ウェザー・サービス(国立気象局)が1億2000万人以上に対し風冷警告や注意報を出しました。AXIOS によると、この寒さでオレゴン州で12日に亡くなった4人を含む合計9人が亡くなっています。

ワシントン州西部も例外ではなく、日中の最高気温が零下のままの日が今月12日から14日まで続きました。15日にはようやく38°F(3.3℃)まで上昇しましたが、ナショナル・ウェザーサービスは、カスケード山脈に16日午後から18日午前にかけて冬季気象警報を出したほか、16日午後から17日の午前にかけてワシントン州西部の内陸の低地で “freezing rain”(雨氷:うひょう)が降る可能性があるとして、注意を呼びかけています。

もくじ

freezing rain(雨氷)

“freezing rain”(雨氷)

ナショナル・ウェザー・サービスによると、”freezing rain”(雨氷)とは、地面や木、車、その他の表面付近の温度が32°F(0℃)以下の時に接触して凍る雨のことです。

雨氷が発生すると、上の写真のように、樹木をはじめ、道路、歩道、電線が氷でコーティングされたり、つららが垂れ下がったりします。

雨氷による被害

雨氷が垂れ下がった電線

見た目にはきれいな “freezing rain”(雨氷)ですが、電線や道路に甚大な被害を及ぼすことがあります。雨氷による被害には、次のようなことが挙げられます。

  • 道路が凍結し、車が滑って制御が効かない。歩行もままならない。黒いアスファルトが凍っていることが目ではわかりづらいため、「ブラックアイス」と呼ばれる。
  • 電線に氷が垂れ下がり、その重みで停電が発生する。
  • 木の幹や枝に氷が垂れ下がり、その重みで折れる。
  • つららが垂れ下がり、落下した時に当たれば怪我をする可能性がある。
  • 除雪車や砂、塩では氷を取り除くことができない。暖かくなって溶けるまで待つ必要がある。

2022年の年末にシアトル地域にいた人は、雨氷で凍結した道路で歩行者が転倒して怪我をしたり、車が滑って事故を引き起こしたりしたことや、広範囲で停電したことを覚えているでしょう。外出しないのが最適ですが、どうしても外出しないといけない場合は、歩くのであれば凍結したところでも歩くことができるスノー・クリーツの使用をおすすめします。

ハイキングブーツや丈夫な靴にアイス・クリーツをつけると、凍結した道路や歩道を歩くことができます。
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電力会社が電気の節約を呼びかけ

厳しい寒波で電力の消費量が増加しています。そのため、ワシントン州西部の一部地域に電力を供給しているピュージェット・サウンド・エナジーが、先週から数日にわたり、電力網への負担を軽減するため、使用を減らすよう呼びかけています。

節約の方法としては、室内の設定温度を68°F(20℃)以下に下げる、ウォーターヒーターの設定温度を120°F(48.9℃)以下に下げる、食洗機・洗濯機・乾燥機などの電化製品の使用を制限するなどが挙げられます。詳しくは同社の公式サイトでご確認ください。

道路や交通カメラなどへの影響

ワシントン州運輸局によると、この寒波で交通カメラや高速道路の電光掲示板が作動しなくなるなどの影響が出ています。有料道路の課金システムにも影響が出ていることから、SR167とI-405は、通常であれば有料の時間帯も、1月14日から一時的にHOV(二人以上が乗車している場合にのみ走行できる)となります。

I-405:月〜金 午前5時〜午後7時
SR167:毎日午前5時〜午後7時

なお、SR520の浮橋、タコマの Tacoma Narrows Bridge、SR99のトンネルは通常通り有料です。詳細はwww.wsdot.wa.gov/news でご覧ください。また、リアルタイムの交通情報は wsdot.com/traffic や、公式アプリ、公式ソーシャルメディアで確認できます。

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