国勢調査局が12日に発表した2020年国勢調査の詳細なデータで、シアトルの人口は2010年から12万8000人以上増加して約73万7000人となり、10万人以上増加した14都市の一つとなったことがわかりました。
また、今回の国勢調査では、白人の人口が1790年の国勢調査の開始以来初めて減少した一方、ヒスパニックやアジア系の人口が増加し、人種の多様化が進んでいることが示されています。
調査日の2020年4月1日時点でのシアトルの人口は73万7015人で、2010年から21%増加しました。また、シアトルのあるキング郡の人口は、2010年の193万1249人から33万8426人増え、2020年には226万9675人となりました。シアトル大都市圏のピアス郡の人口は2010年から12万5905人増えて92万1130人、スノホミッシュ郡の人口は2010年から11万4622人増えて82万7957人に増加しており、シアトル大都市圏は総人口401万8762人を抱える、全米で15番目に人口の多い都市圏となっています。また、ワシントン州の人口は2010年調査から14.6%増加した770万5281人で、全米で13番目にとなりました。
米国の人口は3億3144万9281人で、2010年の3億874万5538人から7.4%増となったものの、人口増加率は史上2番目に低くなりました。また、384の都市部のうち312の都市部に住む人口が前回調査の85%から86%に増えたことから、都市部への人口集中が進んでいることがわかります。
人種構成は、ヒスパニックやアジア系の人口が増加し、米国の多様化が進んでいることがわかりました。
白人(中南米系のヒスパニックを除く)は引き続き最大の人種・民族グループで、2億3540万人が白人のみまたは白人と別の人種の複数人種であると回答していますが、白人のみと回答した人口は、2010年調査から8.6%減少し、全体に占める割合は57.8%に縮小しています。ワシントン・ポストによると、白人人口の減少は1790年の国勢調査の開始以来初めて。一方、ヒスパニックの人口は23%増加し、全人口に占める割合は18.7%となりました。アジア系は35.5%、黒人は5.6%にそれぞれ増加。また、2つ以上の人種(複数人種)のバックグラウンドを有する人口は、2010年から大きく変化し、2010年の900万人から、2020年には3380万人と、276%増加しました。さらに、白人と他の人種の複数人種であると認識している人は、316%増加しています。
ワシントン州も白人が減少し、その他の人種が増えており、米国全体の傾向に沿った状態にあることがわかります。州人口に非ヒスパニック系の白人が占める割合は63.8%で、2010年の72.5%から減少しています。シアトル・タイムズによると、この8.7%の減少幅は、全米50州で最大。2番目に多いヒスパニックまたはラテンは13.7%(2010年は11.2%)、3番目に多いアジア系は9.4%(2010年は7.1%)、次に多い黒人は3.4%から3.8%に増加しました。
シアトル大都市圏のアジア人人口は、シアトルのあるキング郡が45万2475人(郡人口の19.9%)と最も多く、次いでスノホミッシュ郡の10万1464人(郡人口の12.3%)、ピアス郡の6万3460人(郡人口の6.9%)となっています。
国勢調査の統計は、アメリカ合衆国下院における各州の議席数を決定し、連邦議会や州議会の選挙区の境界線を引き直すことに使われます。また、病院や診療所、学校や教育プログラム、道路や橋、緊急対応といった重要な公共サービスなど、すべてが国勢調査に依存しています。
詳細は国勢調査局のニュースリリースの日本語版でも確認できます。