「アメリカでも深いお風呂が人気」回答者：インテリア・デザイナー吉川みどりさん

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回答者：吉川みどりさん
Midori Yoshikawa Interior Design, Inc 経営。インテリア・デザイナー（内装設計士）
日本で美術学校を卒業後、デザイン会社に就職。26歳でシニア・デザイナーに就任。1991年にシアトルに移住し、住宅デザイン会社勤務を経て、ノースウエスト・デザイン・コンペティション優勝をきっかけに2005年5月に独立。インタビュー記事「100%努力し、絶対諦めないこと！いつも笑顔を忘れずに」。
【公式サイト】 www.midoriinteriordesign.com
【Facebook】 www.facebook.com

「日本で一般的な、肩までつかれる深いバスタブにしたいのですが」

「アメリカでは、浴槽（バスタブ）が浅すぎて、寝た状態で入っても肩までなかなかつかれない」という日本人の方の声を多く耳にします。

確かに、アメリカの一般的な住居の場合、深さが13～14インチ（約33～36cm）のビルダー規格のバスタブが使われていることが多く、「寝そべっても肩までなかなかつかれない」という状態になりがちです。

実際のところ、アメリカでもさまざまな深さと大きさのバスタブがあります。賃貸住宅では改装は不可能ですが、購入された戸建てやコンドミニアム、タウンハウスなら、深いバスタブに変更できます。最近の新築住宅の主寝室では、深さ19～21インチ（約48～53cm）のバスタブが多くなっています。

（1）アメリカの深いバスタブの例
前述のとおり、今はアメリカでもさまざまな規格のバスタブがありますので、深いものでは最高34+インチ（約100+cm）のものもあります。追い炊き機能はありませんが、保温機能のついたバスタブをお選びになれば、お湯を保温することも可能です。
参考記事：https://luxatic.com/japanese-soaking-tubs/

また、最近私がクライアントに提案している日本のようなお風呂場（シャワー室にタブを設置）が好評をいただいています。

床の段差をなくせば、バリアフリーの環境も可能です。

（2）深いバスタブ=重量に注意が必要
現在お使いのバスタブよりも深いバスタブに替える際に気をつけなければならないのは、お湯の量です。タブが深くなる分、お湯の量が増えますので、ご自宅の床がこの重量に耐えられる構造になっているか、必ずお調べください。

特に、2階にあるバスルームのバスタブを深いものに替えたい場合は、耐久構造の確認をお勧めします。

（3）補強工事ができない住宅や補強工事の予算がない場合
構造検査の結果、深いバスタブを入れられることが確認できた場合、工事担当者と相談して、必要な工事をしてください。工事にかかる費用などは、家の年数、バスタブの大きさなどすべてが案件によって異なりますので、その都度ご確認ください。

「家の構造上の理由から、2階の補強工事ができない」「補強工事をするだけの予算がない」という場合は、1階にあるバスルームに深いバスタブを備え付けることをご検討ください。

「日本の温泉のようにバスタブを床に埋めこんでいるような設計にしたい」という場合、床下のスペース（crawl space）がかなりある住宅や、新築の家を初期の段階からデザインできるのであれば、実現できると思います。

（4）タンクレス・ウォーターヒーター（tankless water heater：瞬間湯沸器）が理想的
深いバスタブには、タンクレス・ウォーターヒーター（tankless water heater：瞬間湯沸器）があったほうが便利です。

アメリカの一般的なご家庭ではタンク式のウォーターヒーターが1台ガレージに設置してありますが、一台のタンク式では深いバスタブに1回分のお風呂のお湯をはるだけで、家じゅうのお湯を使い切ってしまう可能性が大です。ですので、タンクレス・ウォーターヒーターは、深いバスタブには必須アイテムの一つと言えるでしょう。または、ウォーターヒーターのタンクを2台設置することを検討してみてください。