初めての出産・育児では、戸惑うことがいろいろあります。ラ・レーチェ・リーグ Eastside Japanese では月に一度の集いを開き、授乳中のトラブルや悩み、役立つ情報などの情報交換を行っているので、集いに参加してみましょう。また、ラ・レーチェ・リーグ Eastside Japanese のリーダー光岡いずみさんと、なでしこキッズ主宰者であり、助産婦・看護学博士の押尾祥子さんによる共同翻訳本 『母乳育児が必ずうまくいく本』 の中にもたくさん役立つ情報が書かれています。『母乳育児が必ずうまくいく本』 についてはこちら。下記の Q&A は光岡いずみさんに回答していただきました。
授乳中の食生活で大切なことを教えて下さい。避けた方が良い食べ物はありますか。
授乳中の食生活で大切なことは、下記のとおりです。
- 水分を十分にとる(水、お茶、果汁、野菜ジュース、スープなど)。「母乳を出すために」と、牛乳をがぶ飲みする必要はありません。牛乳は優秀なカルシウム源ですが、アレルゲンになることもよくあります。
- 酵素や繊維質を取るために、生野菜と果物なども食べましょう。また、できれば、全粒粉のパンや精製していない穀類を食べましょう。
- バランスの取れた食事を取るように心がけましょう。これは、炭水化物・脂肪・たんぱく質のバランスを考えるということです。
避けたほうが良いのは、カフェインです。母親がコーヒーや紅茶、コーラなどをとりすぎると、カフェインに敏感な赤ちゃんは反応してしまいます。
また、基本的に「ばっかり食べ」をしないこと。そして、食品添加物は避けたほうが良いので、加工食品ではなく、できるだけ手作りのものを食べるようにしましょう。
基本的に、「食べてはだめ」というより、「赤ちゃんの反応を見ながら控えたほうがいいものを見つける」、これがいいのです。最初から証拠もないのに特定のものを控える必要はありません。母親がキムチを食べても大丈夫な赤ちゃんもいれば、チョコレートを食べるとむずかる赤ちゃんもいるというように、いろいろなのですから。
公共の場での授乳に関するワシントン州の法律について教えて下さい。
ワシントン州では、「公共の場での授乳は基本的な権利(civil right)」です。
授乳のために結果的に胸をさらけ出しているように見えたとしても、授乳行為そのものは法で守られています。(Washington Law Against Discrimination, RCW 49.60)母親は、いつでも、どこでも、授乳してよいことになっていますが、それを見て不快に感じた人が何かアクションを起こすことは、また別の問題です。ですから、授乳中の母親の良識に任せるしかないでしょう。
上の子の小学校に手伝いに来ていた母親が校内のカフェテリアで下の子に授乳していたところ、学校の教師にトイレでやるように言われたため、前述の法律と「哺乳瓶で飲ませている親にもそういうのか」という「差別」の点から、授乳行為を認めさせたケースを知っています。
母乳を寄付することはできますか。
アメリカでは母乳を寄付することができます。(残念ながら、日本ではできません。)”donate breast milk” などで検索してみてください。