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第10回 読書の効果

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30代後半で「働くお母さん」の仲間入り。何もかも「初めて」の息子と一緒にいろいろな発見をさせてもらっています。20年以上住んでいるシアトルも、親子になるとまだまだおもしろいことがたくさん隠れているものですね。シアトルのお気に入りを息子に紹介しながら、「ここに自分の子供と来ることになるとは!」と、しみじみする日々です。

シアトル子育て日和

ようやく夏!息子と一緒に popsicle 製作中。

ようやくシアトルにも夏がやって来ましたね!
6月末のような華氏90度以上はごめんですが、75度ぐらいで過ごしやすいシアトルの夏が大好きです。

さて、6月末で2歳7ヶ月となった息子。今は日本語も英語も文章で言うようになりましたが、なかなか笑えることを言ってくれます。「親の言うことをよく聞いて記憶してるなあ」と感心することがある一方で、「クマさん、大きなケガをしたよ。大きな血が出たよ」と言ったりして、「なるほど、”大きい” “たくさん” の使い分けって、必要だなあ」と、こちらが改めて考えさせられることも。「その場合は “たくさん血が出たよ” って言うんだよ」と教えると、「フンフン、そうか」というようにうなずきながら、「たくさん血が出たよ」と繰り返してくれます。それからしばらくは「大きい」「たくさん」を使っていろいろなことを言ってみますが、まだまだ頭の柔らかい子供がさまざまな状況を通して言葉や言い回しを日々どんどん追加修正していく様には驚かされます。

正確にはいつだったかもう忘れましたが、言葉を発し始めた頃は単語を1つ言うだけで精一杯。単語と意味が次々とつながっていく一方で、発音は後から来るんですね。例えば「ゴリラ」は最初は「ゴア」でした。舌足らずなのがかわいいなと思いながら、「ご・り・ら」と区切って言うと、一生懸命に同じように言おうとします。違っていても、「そう~、ゴリラ」と言って喜ばせていましたが、それが「ゴリラ」「gorilla」と日本語でも英語でも言えるようになるまですぐでした。

聞いたこと、言われたことを正しく繰り返せるようになるのは大きな成長の一つですが、自分が言いたいことを明確化して、それを意味する言葉とリンクし、的確に伝えられたら、もうワーワー泣いて伝える必要もなくなりますね。その確率が増えていくと本人も俄然おもしろくなってきたらしく、新生児の頃から読み聞かせている本の話を覚え、日常生活のいろいろな場面でこんなふうに話すようになりました。

「ぐらが、ドシーン!」 (『ぐりとぐら』)
「たつ君、どんどん走ったよ。」「お母さん、ジャブジャブ洗うの。」 (『はけたよ はけたよ』)
「ゆうた、風邪引いたね。」 (『ゆうたくんちのいばりいぬ』)
「ミシン、カタカタ、ミシン、カタカタ」 (『わたしのワンピース』)
「小僧、待てえー」「おお、おお、うまそうな納豆じゃ」「しゃーんしゃん」(『やまんば』)
「引っ張れ、引っ張れ」 (『ノンタンほわほわほわわ』)
「うーん、気持ちのいい朝だ」(『ランスロットとパブロくん』)
「警報が鳴ってるよ」 (『それいけしょうぼうしゃ』)
「終点、終点、終点でーす、降りてくださーい、終点でーす」 (『がたんごとん』)
「おかあさんが助けてくれるでしょ」 (『あーんあーん』)

私は息子と読んでいる本はすべて覚えているので、「ああ、今はあの本のことだな」とわかって、それにあわせて話を続けると、息子は大興奮。さらに、絵本のおかげで私が何を言っているのか理解できることが増えたので、コミュニケーションがスムーズになる部分が増えてきました。例えば、汽車を片付ける時に「終点、終点、終点でーす、降りてくださーい、終点でーす」と言うと、「はい、おしまい」とか言いながら、すんなり片付けることができたりします。もちろん、いつもそうではないのですが・・・。

と、ここまでは書かれたことをあてはめて現実の理解を深めるという感じでしたが、つい数ヶ月前、自分でオリジナルなことを言うという段階に来ました。ある日、息子と一緒に家で何かをしていた時のことです。ふと窓から外を見た息子が、

「マミー、雨、降ってきた」

と言いました。私はそれに対し、

「えー、雨?」

と言って窓を見ると、窓ガラスに本当に雨粒がポツンポツンと落ちていたのでビックリ。こんなに早く、自分の目で見たことを自分の言葉で表現できるようになるんですね!なんだか人間らしさが一気に増した気がしました。

(2013年7月)

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