ワシントン州オリンピック半島に広がるホー温帯雨林(Hoh Rain Forest)は、世界でもまれな温帯雨林のひとつで、ユネスコ世界遺産にも登録されています。オリンピック国立公園の中でも特に人気の高いエリアで、2024年だけで約45万人が訪れました。この記事では、ホー温帯雨林の見所や行き方を解説します。
苔に包まれた神秘の森へ──ホー温帯雨林とは?
この地域の年間降水量は平均133.58インチ(約3,393ミリ)で、米国北西部の代表的な針葉樹ダグラスファーやシトカトウヒなどの巨木が約300フィート(約100メートル)の高さまでそびえ立ち、幹や枝は苔に覆われ、森全体が緑に包まれています。
それもそのはず、ホー温帯雨林では1エーカー(約4,000㎡)に約2,700kgもの苔類や地衣類が生息していると言われており、倒木や岩の上にも命が宿っているような風景が広がります。
初心者でも楽しめるおすすめトレイル

ホー温帯雨林を体験するには、実際にトレイルを歩いてみるのがおすすめです。
Hall of Mosses Trail(約0.75マイル/約1.2km)
「コケの殿堂」の名にふさわしく、コケに覆われた樹齢数百年の巨木を見ることができます。説明が書かれたディスプレイがあちこちに設置されていて、温帯雨林のさまざまな段階を学べます。
Spruce Nature Trail(約1.25マイル/約2km)
川沿いを歩きながら、新旧の雨林の姿が見られる学びの多いルート。解説パネルが点在しており、親子連れにも人気。
Mini Trail(0.25マイル/約0.4km)
入口周辺の短いトレイルで、時間がない方や足元に不安がある方におすすめ。
アクセスとおすすめの時間帯
- シアトルから車で約4.5~5時間(車利用が基本)
- 国道101号線からUpper Hoh Roadへ入って約30分
- 朝8〜10時までに訪れると、人が少なく静けさを味わえる
- 午前10時以降は観光客が増え、夏季は虫も多くなる傾向あり
持ち物・服装のポイント

- 防水ジャケット&帽子(にわか雨対策に必須)
- 滑りにくいトレッキングシューズ
- 虫よけスプレー(特に5月〜9月)
- 飲料水と軽食
- カメラ:森の中は薄暗いため、明るさ調整機能があると便利
ホー・レイン・フォレスト観光案内所(Hoh Rain Forest Visitor Center)
ホー温帯雨林入口には、季節営業のビジターセンターがあります。森の成り立ちや植物の紹介などの展示があり、子ども連れにもおすすめ。夏季にはレンジャーによるガイドツアー(英語)も開催されており、公式サイトで日程を確認できます。
- 営業時期:おおむね春から秋(5月〜10月)
※気候・年度によって前後するため事前確認をおすすめします - 営業時間:午前9時〜午後5時(変動あり)
- 住所:18113 Upper Hoh Rd., Forks, WA 98331
- 電話番号:360-374-6925
- 公式サイト:www.nps.gov/olym/planyourvisit/hoh-rain-forest.htm
自然と静けさを求めているあなたに
観光地」としてよりも、「自然の中に身を置く場所」としておすすめしたいのがホー温帯雨林です。朝の澄んだ空気の中で、巨木の間を静かに歩く時間は、都会では得られない特別な体験になるはずです。