2023年秋、シアトル市内近郊の5カ所に、リサイクル素材を使って制作した巨大なトロールの彫刻が設置されました。「トロールを見るためにアウトドアに出かけることで、環境について考えることに繋げよう」と、世界規模で行われているパブリック・アートのプロジェクトの一環です。少なくとも3年、長ければ15年にわたり保存されるそうなので、次のお天気の日にぜひ出かけてみてはいかがでしょうか。見物はもちろん無料です!
トロールのある場所
シアトル地域には、次の5カ所にトロールが設置されています。自宅や滞在先からの正確な行き方は、Google Maps などを参考にしてください。
シアトル市内
- バラードの国立ノルディック博物館:『Frankie Feetspliners』
- ウエスト・シアトルのリンカーン・パーク:『Bruun Idun』
近所なら徒歩。車が便利。車がなければ、出発地点がどこかによりますが、バスかライドシェアになります。
イーストサイド(レイク・ワシントンの東側)
- イサクア:『Jakob Two Trees』
シアトルやイーストサイドからなら、車が便利です。
シアトル近郊の島
- ヴァション・アイランド:『Oscar the Bird King』
シアトルから、車でワシントン州フェリーを使わずに行くこともできます。または、車でシアトルのダウンタウンまたはウエスト・シアトルのFauntleroy からワシントン州フェリーに乗ります。フェリーを降りてからの移動手段が必要なので、車または自転車になります。またはライドシェア。
- ベインブリッジ・アイランドの サカイ・パーク:『Pia the Peacekeeper』
シアトルから、ワシントン州フェリーで行けます。フェリーは徒歩、または自転車や車で乗るパターンです。
トロール・プロジェクトについて
トロールといえば北欧ですが、『ノースウエスト・トロール Way of the Bird King』と呼ばれるこのプロジェクトは、デンマークとアメリカの関係を支援するスキャン・デザイン財団によって発表されました。
それぞれのトロールが環境に関するストーリーの一部となっており、コースト・サリッシュの先住民とスカンジナビアの伝統に共通する、河川の流域の保護、修復、水辺の保全のための環境スチュワードシップという共通の価値観を強化し、改めて伝えることも目的としています。また、これらのトロールの設置場所はコースト・サリッシュのテリトリーにあるため、マックルシュート族とスノコルミー族の協力も得ています。
デンマークの環境アーティスト、トーマス・ダンボさん
トロールの制作を手がけるのは、デンマークの環境アーティスト、トーマス・ダンボさん。デンマークのコペンハーゲンにあるスタジオでトロールの顔の部分を制作し、現地で200人を超えるボランティアの協力を得ながら体の部分を制作しますが、材料はすべてリサイクル素材。高さは15フィートから20フィート(4.6m〜6.1m)もあります。
トーマスさんは、2021年にアメリカに視察に訪れ、今年2月に場所とコンセプトを確認した後、6月から妻と双子で1歳の息子たちと、『Trollercoaster』と名付けたRVでアメリカ横断ロードトリップを開始しました。ニュージャージー州からバーモント州、ミシガン州、コロラド州と、全米10カ所、合計10体のトロールを設置する冒険を続けています。その様子は、YouTube チャンネルでフォローできます。
トーマスさんは世界各地でトロルの設置を進めており、ベインブリッジ・アイランドのトロールが世界で121番目となりました。世界各地のロケーションは、Trollmap.com で見ることができます。GeoCachingのアプリもあるので、ぜひチェックしてみてください。