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シアトルの水門『バラード・ロックス』:海と湖の水位を調節する水門 鮭の里帰りも支える

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シアトルのダウンタウンから車で約15分の所にあるハイラム・M・チッテンデン・ロックスは、船舶が水位の差が大きい海と湖を行き来できるよう調整する、閘門式の水門(Locks)です。

アメリカ陸軍工兵司令部が1917年に完成したもので、米国にある水門では最も船舶の往来が多く、米国の史跡に登録されています。入場は無料で、毎年たくさんの観光客が訪れます。

地元では「バラード・ロックス」、または「ロックス」と呼ばれています。

もくじ

この水門都関連施設の3つの目的

海から湖へ、またはその逆を、どのように船が行き来するのでしょうか。その仕組みは、水門を20分ほど見学することで理解できます。

左:湖から海へ行く場合
右:海から湖へ行く場合

この水門には、次の3つの目的があります。

  • 淡水のレイク・ユニオンとレイク・ワシントンの水位を海抜20~22フィート(6.1~6.7m)に維持すること。
  • ピュージェット・サウンド(海)からの海水が湖に侵入する(塩水遡上)のを防ぐこと。
  • 水位の異なる海から湖へ、またはその逆への船舶の行き来を可能にすること。

水門のある敷地には、小型(30 x 150フィート、8.5 x 45.7メートル)と大型(80 x 825、24.4 x 251.5メートル)の二つの閘門があります。そして、水位の調節を補助する6つのゲート(32×12フィート(3.7メートル)、9.8×3.7メートル)を備えた放水路(235フィート、71.6メートル)が備わっています。

さらに、生まれ故郷の川を目指して海から戻ってくる魚、特にサーモンが水位の高い湖に遡上するのを補助するフィッシュ・ラダーが閘門に組み込まれています。

チッテンデン水門

バラード・ロックスは、閘門式の水門であり、ダムではありません。ダムは貯水を目的としていますが、水門は水位の高低差の大きい河川などを船舶が通過するために水位を調節することを目的としています。

サーモンの俎上が見られるフィッシュ・ラダー

チッテンデン水門 フィッシュ・ラダー(Fish Ladder)

水門で船舶の行き来の仕組みを見学した後は、フィッシュ・ラダー(fish ladder)に行き、サーモンの俎上を見てみましょう。

夏の間、3種類のサーモンがこのフィッシュ・ラダーを通過し、産卵のために40~50マイル(約64〜80km)も川を遡上します。

  • Sockeye(ソッカイ:紅鮭):数が年々減少しており、その数には大きなばらつきがある。最近の年間平均は約25,000尾で、6月中旬から7月中旬にピークを迎える。
  • Chinook(チヌーク/キング):年間平均約15,000匹。8月にピークを迎える。
  • Coho(コーホー:シルバー):年間平均約25,000匹。9月にピークを迎える。

レイク・ワシントンのサーモンの集計数は、ワシントン州魚類野生動物局の公式サイトで公開されています。

サーモンの遡上がピークを迎える時期は、アザラシやアシカも見ることができます。この地域にとって重要なサーモンを食べてしまうアザラシやアシカは問題ですが、完全に駆除することは実現できていません。

ビジター・センターと無料ツアー

ビジターセンター

ビジター・センターでは、この水門の歴史、サーモンを守るための取り組みなどについて展示で学べるようになっています。

また、ビジター・センターが開館している日の午後2時から、無料のウォーキング・ツアーがあります(添付のスケジュールを参照)。

ツアーはビジターセンターからスタートし、所要時間は約1時間。 ツアーはいつでも参加でき、申し込みは必要ありません。

8名以上のグループや、ご希望の時間やニーズに合わせたツアーをご希望の場合は、プライベートのグループツアーを申し込むことをお勧めします。

小さな植物園

ロックスのもう一つの見どころは、小さな植物園

もう一つの見どころは、小さな植物園(Carl S. English, Jr. Botanical Garden)。ロックスの建設で残った土地に造られたこの庭園では、バラなどの美しい花々が楽しめます。

Hiram M. Chittenden Locks
【住所】 3015 NW 54th Street, Seattle(地図
【公式サイト】 www.ballardlocks.org

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