1990年代に始まった再開発で生まれ変わったワシントン州第3の都市タコマ市のダウンタウン。その中心には、ワシントン州歴史博物館、ユニオン・ステーション、ガラス美術館、タコマ美術館があります。
Museum of Glass ガラス美術館
タコマ出身の著名なガラス・アーティストのデール・チフーリ氏と、ピュージェット・サウンド大学の学長だったフィル・フィブス博士のアイデアから生まれたのが、コンテンポラリ・ガラス・アーティストによる作品の展示が楽しめるガラス美術館。2002年7月の開館以来、タコマのメインアトラクションの一つとなっています。
ダウンタウン・タコマとガラス美術館を結ぶ歩道橋は、ワシントン州歴史博物館をデザインしたアーサー・アンダーソン氏がデザインを手がけました。
Washington State Historical Museum ワシントン州歴史博物館
ワシントン州の歴史を学ぶには最適な博物館で、世界的に有名な建築家、チャールズ・ムーア氏とアーサー・アンダーソン氏がデザインを手がけました。
白人が入植する以前のワシントン州の歴史が、人形を使った展示やインタラクティブなオーディオやビデオを通して生き生きと描き出される 『Great Hall of Washington History』は必見です。コロンビア川を挟む岩に発見された岩面印刻(petroglyphs)のデザインを基に作られたペトログリフ劇場ではネイティブ・アメリカンの文化と伝統、『Hard Times and Homefront』 の展示では日系人強制収容など第2次世界大戦中に起きた出来事について学ぶことができます。特別展、サマーキャンプ、イベントなども開催されます。
Tacoma Art Museum タコマ美術館
1935年の開館以来、地元はもちろん、世界各地のアーティストによる作品を収集し、一般に公開してきたタコマ美術館。タコマ出身のデール・チフーリ氏によるガラス作品は常設展として展示され、3,200点を超える19世紀ヨーロッパの作品や20世紀アメリカの作品を所蔵し、随時公開展示しています。
タコマ美術館をデザインしたのは、ニューメキシコ州アルバカーキを拠点に世界各地で活躍する建築家アントワーヌ・プレドック。同美術館の公式サイトによると、周囲の環境に溶け込むようなデザインが最適と考えたプレドックは、米国北西部の柔らかな自然光を利用し、周辺の産業施設やワシントン州の最高峰でタコマ市の名前の由来となったマウント・レーニア(ネイティブ・アメリカンはタホマと呼んでいました)、そして今ではダウンタウン・タコマの中核を成すようになった博物館や美術館をその外壁に映し出すようなデザインを創り出しました。
プレドックの創意工夫は外観だけにとどまらず、内部にはこの美術館を取り囲む自然からインスピレーションを受けたギャラリーが広がります。2006年に米国建築家教会(AIA)はプレドリックの一連の重要作品が建築の理論と実践に持続的な影響を与えているとして、最高の栄誉である金メダルを授与しました。