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ウミタナゴ (海タナゴ:White Perch、分類:スズキ目ウミタナゴ科)

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ウミタナゴはスズキ目に属する30cmほどの魚で、淡水のタナゴ(分類:コイ目コイ科タナゴ亜科)と区別してウミタナゴと呼ばれます。北太平洋の沿岸の岩礁域に分布し、日本では各地の外洋に面した岩礁や湾口部に生息しているため、防波堤からの浮き釣りで子供や初心者でもよく釣ることができます。商業用には刺し網や定置網で漁獲されます。日本では春から夏が食べ頃で、春には子持ちが人気が高く、ほとんどが鮮魚として産地の市場で消費されます。

魚は卵が孵化した稚魚が成魚になるとばかり思われていますが、このウミタナゴは卵ではなく、ある程度成長した仔魚(シギョ)を生むという卵胎生の不思議な魚で、一腹に平均13尾の仔魚がいます。親魚からの栄養物を摂取して成長しているので、生まれたばかりでも全長約5cmと、かなり大きくなっており、十分な運動能力があります。しかし、仔魚は尾びれを先にして出てくることもあり、これは人間でいえば逆子に当たるため、妊婦に食べさてはならないという地域もありますが、その一方では安産を祈願して食べる地域もあります。

北太平洋の沿岸でもあるここピュージェット・サウンドにも、胎仔を持つ同種のものがいます。名は “white perch” といい、サンフランシスコ辺りまで生息しているようで、宇和島屋でも冬から春頃にかけ、不定期に入荷します。1匹の重さは約1ポンド(454g)程です。

東京に住んでいた頃の思い出として、毎年6月頃になると「冷やし中華そば」だけは、なぜか「冷やし中華そばを始めました」というのれんがラーメン屋さんの入り口に吊り下げられます。こののれんを見ると吸い込まれるようにそのラーメン屋さんに入り、大好きな「冷やし中華そば」を注文したものでした。この “white perch” の入荷時期はわかりませんので、「冷やし中華そばを始めました」というお知らせを出すことはできませんが、入荷いたしましたら、Seafood Newsletter でお知らせいたします。

残念ながら、今年はウミタナゴ(white perch)は4月1日で禁漁となってしまいました。来年の1月から4月にかけ改めて、「ウミタナゴ(white perch)を入荷しました」とお知らせいたします。

掲載:2006年5月

『お魚豆知識』 は、宇和島屋鮮魚部の沖良三さんが発行している 『Seafood Newsletter』 の一部です。宇和島屋の入荷商品やおすすめ商品の情報が満載ですので、ぜひご購読ください。お申し込みは seafoodnews@uwajimaya.com まで、日本語でどうぞ。

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