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ミルクフィッシュ (英名: Milkfish、フィリピン名: Bangus)

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ミルクフィッシュ

ミルクフィッシュは、南方系の魚です。日本近海では相模湾以南、主に太平洋岸に幼魚や未成魚が見られますが、日本人には一般には知られていません。

しかし、フィリピンでは “bangus”(バンガス)と呼ばれ、国民的かつシンボル的な中級から高級と位置付けられています。沿岸での養殖も盛んで、漁獲量は天然物 35%、養殖物 65%と言われます。海でとった親魚から卵を取り出し、孵化さ せた稚魚を10cm程度の幼魚に成長させてから、専門の養殖業者に販売します。海水の囲いの中で成魚になるのにかかる期間は短いそうです。また、海で産まれて2〜3週間後に河川に向かう幼魚を捕獲し、養殖することもあります。

生冷凍の他、薫製品、マリネード品などの各種調整品があり、宇和島屋各店舗でも欠品できません。しかし、購入するのはフィリピン人だけで、他の人種は買わない、または興味を示さない、あるいは間違って買われるか、食べたことのない食品に好奇心を持つ人に買われる程度と思われます。

調理方法は、フライにする、焼く、煮る、蒸す、また、内臓を除去した腹の中にタマネギ・トマト・オリーブ・溶き卵・スパイス・アラマン(Alamang:小エビを醗酵させたペースト状のもの)、バグーン(Bagoong:小魚を醗酵させたペースト状のもの)などを好みで入れ、バナナの葉で包んで焼いたり、煮たりするようです。アラマンまたはバグーンなどにつけながら(ギョウザのタレの要領で)食べることもあります。

マニラのホテルで、欧米系の人が好んで食べる酢漬けニシンのようにした酢漬けのミルクフィッシュを現地の取引先の社長さんが朝食の時に注文しくれました。その時は何も考えずに美味しく食べましたが、今思うと、それだけフィリピンではミルクフィッシュがよく食べられている国民魚ということがわかります。

好みにより、刻んだ生ショウガ、生オニオン、生ニンニク、唐辛子、胡椒、砂糖などを酢に漬け込んだマリネードを作り、薄めに切ったミルクフィッシュと混ぜ、1時間ほど漬け込んだ頃が食べごろのよう。健康食として昼食に食べることもあるようです。 また、燻製ミルクフィッシュは解凍後、小さく切り、そのままオカズとして米と共に食べるようです。

『お魚豆知識』 は、宇和島屋鮮魚部の沖良三さんが発行している 『Seafood Newsletter』 の一部です。宇和島屋の入荷商品やおすすめ商品の情報が満載ですので、ぜひご購読ください。お申し込みは seafoodnews@uwajimaya.com まで、日本語でどうぞ。

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