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ホウボウ (漢字名: 魴ぼう(さかなへんに「弗」)、分類:カサゴ目ホウボウ科、英名:Gurnard)

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ホウボウは北海道以南から南シナ海の水深600メートルまでの砂泥底に生息しており、体長は40センチほどになります。体色は美しい朱紅色で、腹側は紡錘形で白く、頭は角張り胸鰭が大きく、非常に鮮やかな青緑色をしています。

底引き網や刺し網で漁獲されますが、専門漁はなく、他の魚との混獲程度です。旬は12月から翌年4月まで。骨が太いため可食部は40%弱しかなく、この点を考慮に入れると値段の非常に高い魚となります。鮮度の良いものは刺身や洗いにしても案外脂があり、クセのない白身は高級珍味です。塩焼き・刺身・蒸し物・揚げ物・鍋物、そして味噌汁の具やブイヤベースにも良いとされます。

以前の旬の頃、北千住駅近くの魚店で一人前の塩焼きにちょうど良い大きさの20センチほどの小ぶりの赤紫色した色鮮やかな福島産ホウボウが売られていました。しかし、都合で買うことができず、その味を賞味する機会を逃してしまいました。

ホウボウは世界各地に類似属種が多くいるそうです。アメリカでは東海岸の北部に主に棲息し、"gunnard" と呼ばれています。ワシントン州の沿岸でも類似のもの(当地でも "gunnard" と呼ばれている)が棲息していますが、サイズは約10センチと小さいためか、商業用や釣りの対象魚とはなっていないようです。たとえ混獲されても、米国人には小さい魚のためか、その料理方法もわからず、市場に出回る前に廃棄され、宇和島屋鮮魚部には入荷したことはありません。

一方、ヨーロッパ産種はブイヤベースになくてはならない食材だそうです。以前マルセイユを訪れた際、海岸沿いの適当なレストランで思い切ってブイヤベースを注文したことがあります。この中にホウボウ種が混じっていたかは、残念ながら記憶はありませんが、これにパンが付いて、値段は安くはなかったと記憶しています。ブイヤベースは魚介類を素材のまま煮たもので、日本の鍋物と同じようなものであるため、これが世界的に有名な料理なのかとちょっとがっかりし、これなら日本の鍋物も世界的に有名になってもいいはずだと実感しました。

日本の鍋物には、魚介類の他に豆腐・白滝・春菊・ね ぎ・しいたけ・エノキなども入り、たれもポン酢・ゴマだれ・味噌だれ・ラー油など各種あります。確かにブイヤベースと呼べば聞こえもいいですが、美味しい鍋物が日本語というハンデのためか、"Nabemono” として世界中で広まっていないのは大変残念です。

掲載:2020年2月

『お魚豆知識』 は、宇和島屋鮮魚部の沖良三さんが発行している 『Seafood Newsletter』 の一部です。宇和島屋の入荷商品やおすすめ商品の情報が満載ですので、ぜひご購読ください。お申し込みは seafoodnews@uwajimaya.com まで、日本語でどうぞ。



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