感謝祭やクリスマスの伝統的なメインディッシュといえば、ターキー(七面鳥)の丸焼きですね。ターキーを焼くことに慣れた方もいれば、今年初めて挑戦する方もいるかもしれません。どちらにしても、冷凍のターキーを購入した場合は、正しく解凍するところからスタートすることが大切です。ここでは、CDC(疾病予防管理センター)、USDA(農務省)、保健福祉省の Foodsafety.gov が推奨する方法をまとめました。
生か冷凍か?
スーパーマーケットやオンラインでターキーを買う場合、生か冷凍のチョイスがあります。USDA は次のようにお勧めしています。
調理する日まで1週間以上ある場合
調理する日まで1週間以上ある場合は、冷凍(frozen)のターキーを購入します。冷凍のターキーとは、華氏0度(-17.8℃)以下に冷やされたターキーのことです。
調理する日の2日前から当日の場合
調理する日の2日前から当日の場合は、生(fresh)のターキーを購入します。生のターキーとは、26°F(-3.3℃)以下に冷やされていないターキーのことです。製造元のタグに「Best by(賞味期限)」や「Use by(使用期限)」が記載されていない限り、生のターキーは調理する1~2日前まで購入すべきではありません。
冷凍ターキーの正しい保管方法
冷凍で購入したターキーは、解凍し始めるまで、購入した時のパッケージのまま、冷凍庫で保存します。
- 家の裏のポーチや車のトランク、地下室など、温度を管理できないところで保管してはいけません。
- 冷凍した肉をキッチンのカウンターに2時間以上置いて解凍するのは、安全ではありません。中心部はまだ凍っていても、外側の層は40~140°F(4.4〜60℃)にあり、食中毒を引き起こす細菌が急速に増殖する温度です。
解凍方法(1)冷蔵庫で解凍する(refrigerator thawing)
USDA は、冷凍のターキーを解凍する方法として、冷凍庫から冷蔵庫に移して解凍することを推奨しています。冷蔵庫に十分なスペースがあるなら、この方法が手軽で最適です。
- 40°F(4.4℃)以下に設定した冷蔵庫で、ターキーの重さ4~5ポンドあたり約24時間で計算して解凍します。
- ターキーは購入した時のパッケージのまま、肉汁が漏れた場合に他の食品にかからないよう、容器に入れることをお勧めします。
- 解凍したターキーは、調理前に冷蔵庫で1~2日保存することができます。
- 冷蔵庫で解凍した食品は、調理せずに再冷凍することができますが、品質が多少落ちる可能性があります。
冷蔵庫での解凍時間 refrigerator thawing
4~12ポンド:1~3日
12~16ポンド:3~4日
16~20ポンド:4~5日
20ポンドから24ポンド:5日〜6日
解凍方法(2)冷水で解凍する場合(cold water thawing)
冷水で解凍する場合、ターキーの重さ1ポンドあたり約30分で計算して解凍します。
- 冷凍ターキーを完全防水のパッケージに入れます。二次汚染を防ぎ、また、解凍中に水を吸って水っぽくなるのを防ぐためです。
- 完全防水のパッケージに入れた冷凍ターキーを冷水に沈めます。ターキーが解凍されるまで、30分ごとに水を取り替える必要があります。
- 冷水で解凍したターキーは、すぐに調理する必要があります。調理後、再冷凍することができます。
冷水での解凍時間
4~12ポンド:2~6時間
12ポンドから16ポンド:6時間〜8時間
16ポンドから20ポンド:8時間〜10時間
20ポンドから24ポンド:10時間〜12時間
解凍方法(3)電子レンジで解凍する場合(microwave thawing)
ターキーを解凍する際は、電子レンジメーカーの指示に従う必要があります。
電子レンジで加熱している間にターキーの一部に火が通り始める可能性があるため、すぐに調理する必要があります。部分的に加熱したターキーをそのまま保存することは、食中毒を引き起こす可能性のある細菌が死滅していないため、勧められていません。
ブライニング(brining)とは
生のターキーに下処理を施して、よりジューシーで風味豊かにする「ブライニング」。これには、次の2種類があります。
- ウェット・ブライニング(wet brining):肉を塩水(brine:ブライン/ブライン液)に12時間〜24時間漬け込む。brining bag を使うと便利(Amazon でも購入できます)。塩分濃度は3~5%。水を捨て、ターキーを拭いて調理する。
- ドライ・ブライニング(dry brining):塩やシーズニング、ハーブなどをまぶして、冷蔵庫に一晩置いてから調理する。
好みによりますが、塩が筋肉繊維内のタンパク質を分解し、肉が水分を吸収しやすくなることで柔らかさが保たれて、よりジューシーで風味豊かになるとされています。Food Network の記事が参考になります。
ターキーの調理時間
ターキーは丸ごとオーブンに入れて焼きます。
オーブン用クッキングバッグを使わない場合
425°F(218℃)に予熱したオーブンに入れ、30〜45分ほど焼いてから、350°F(177℃)に下げ、以下の時間を目安に調理します。
オーブン用クッキングバッグを使う場合
詰め物をしていない、丸ごとの七面鳥をオーブン用クッキングバッグに入れて焼く場合は、350°F(177℃)で、以下の時間を目安に調理します。
Foodsafety.gov によれば、オーブン用クッキングバッグは安全で、調理を早める効果があります。具体的な時間については、オーブン用クッキングバッグに記載されているメーカーの説明書を確認する必要があります。ターキーに詰め物をする場合は、調理時間に30分追加する必要があります。
ターキーの調理時間の目安
8~12ポンドの七面鳥:1時間30分~2時間
12~16ポンドの七面鳥:2~2時間30分
16~20ポンドの七面鳥:2時間30分~3時間
20~24ポンドの七面鳥:3時間〜3時間30分
ターキーを解凍し忘れたら
ターキーを解凍し忘れた場合、冷凍のまま調理しても問題ありませんが、調理時間は完全に解凍した場合の推奨調理時間より少なくとも50%も長くなります。
Foodsafety.gov によれば、七面鳥を冷凍の状態から調理する際は、オーブン用クッキングバッグを使用すべきではありません。Foodsafety.gov による冷凍したままのターキーの調理時間は次の通りです。
4~8ポンド(胸肉): 2時間15分〜5時間
8ポンドから12ポンド 4時間15分〜4時間30分
12ポンドから14ポンド:4時間30分〜5時間45分
14ポンドから18ポンド 5時間45分〜6時間30分
18ポンドから20ポンド 6時間30分〜6時間45分
20~24ポンド 6時間45分〜7時間30分
ターキーが焼けたかどうかの見極め方
ターキーが中心部まできちんと焼けたかどうかは、食品用温度計(food thermometer)で測ります。
Foodsafety.gov によると、胸肉の一番厚い部分、もも肉の一番内側、手羽元の一番内側の温度を確認し、最低165°F (74°C) に達していれば出来上がりです。
詰め物をしている場合は、ターキーの調理を止める前に、詰め物の一番内側の温度も165°F (74°C) に達していることを確認しましょう。