シアトル初の本格派アイスクリーム・トラックで、卵の入ったフランス風アイスクリームが味わえるのがこの 『パフェ・オーガニック・アルチザン・アイスクリーム』。元ペイストリー・シェフのアドリア・シマダさんが作るアイスクリームは、保存料・コーンシロップ・安定剤などを一切使用しておらず、子供でも安心して食べられるとして人気が高い。2013年にはバラードに路面店をオープンし、アイスクリームをサンドしたマカロンなどの新商品を販売している。
母親が加工食品しか使わず、幼い頃はあまり新鮮な食材を食べた経験がなかったというアドリアさん。バイリンガルを目指してフランスへ留学した際に、農場付きの宿泊施設でインターンシップをし、畑でとれたばかりのにんじんを食べて「これがにんじんの味なのか!」と驚いたという。そこでペイストリーの作り方なども教えてもらい、帰国後はカリフォルニア・キュリナリー・アカデミーで学んだり、複数のベーカリーで働いたりしながら、ペイストリー・シェフとして経験を積んだ。そして「アイスクリームがもともと好きだったので、ペイストリー・シェフとして良いものが作られるのではないか」と思ったことがきっかけで、起業に至った。
アドリアさんの作るアイスクリームは卵が入ったフレンチ風で、6種類のうち1種類はソルベ。一般的なアイスクリームよりもクリーミーで軽やかな味が楽しめる。注文する前にテイスティングができるので、いろいろ食べ比べてみよう。「子供に人気があるのはバニラやチョコなどの定番、大人にはミントが人気です」とアドリアさん。シロップではなく本物のバニラ・ビーンズやミントの葉を使っているので、香りが豊かだ。地元の農場を支援する目的もあるため、乳製品はワシントン州リンデン市の 『フレッシュ・ブリーズ・オーガニック・デイリー』 から、チェリーはイースト・ウェナチー市にある 『タイニーズ・オーガニック・ファーム』 から、そしてブルーベリーはカーネーション市の 『フル・サークル・ファーム』 などから仕入れている。「店舗を構えずトラックにしたのも、その方がコストが削減でき、材料の質にこだわれると思ったから」という徹底ぶりだ。
「アメリカでは、アイスクリームはどちらかと言えば工業製品に近く、プロセス・ミックスを使うものが多いので、フランスのように一から手作りするようなパーラーを作りたいと思っていました」とアドリアさん。彼女の “フランスらしさ” に対するこだわりは、手作りのコーンにも表れている。「フランスでは毎日食べるものでも気品が感じられる」ことから、デザインが軽視されがちなコーンに美しい模様をあしらった。また、最後まで丁寧にコーンを巻いているため、溶けたアイスクリームが下から漏れて手が汚れることがなく、最後の最後まで味わえるのも嬉しい。茶色とオレンジの配色が上品なトラックのデザインも、”シンプルかつエレガント” という同店のコンセプトを見事に表していると言えるだろう。
Parfait Organic Artisan Ice Cream パフェ・オーガニック・アルチザン・アイスクリーム |
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エリア | バラード |
住所 | 2034 NW 56th Street, Seattle (地図) |
電話 | (206) 258-3066 |
公式サイト | www.parfait-icecream.com |
掲載:2010年8月