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2010年から2019年の10年間で、シアトル市の人口は13万6000人増えたとか。

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シアトルに長年住んでいる人も、2010年以降に引っ越してきた人も、人口が増えていることを日々感じますよね。それもそのはず、2010年から2019年の10年間で、シアトル市の人口は13万6000人も増えているのです。

シアトル

シアトルが2.8%の人口増加率を記録し、全米1位となったのは2013年のこと。その後、2017年がそれを上回る3.1%を記録しましたが、2018年には増加の速度がゆるやかになりつつも全米で2番目を記録。2010年からの10年間でシアトルの人口は13万6000人増え、2019年に74万5,000人に達しました。

シアトル・タイムズでいつもデータを使った記事を執筆しているジーン・バークさんによると、100年間にわたり郊外の人口増加率が市内の人口増加率を上回っていましたが、2010年~2019年の10年間でそのトレンドが変わり、ワシントン州外からシアトル市に引っ越してくる人は年間約5万人に(シアトルから引っ越していく人もいるため、毎年5万人ずつ増えるわけではありませんが)。

そこでよく聞かれるのが、

「シアトル市は100万人もいないのに、どうしてたくさん世界企業があるの?」

シアトル市だけを見ると、そういう謎が浮かびますよね。

その謎を解くには、市内の人口だけでなく経済圏の人口を見る必要があることを、ワシントン大学に研究に来られていた青山学院大学経済学部の井上孝教授の取材で知りました。

アメリカでは一般に市の範囲が狭く、市の人口だけでは実質的な人口を表すことができないという現実があるんですね。

そのため、経済圏の人口を見る必要があり、大都市統計地域(メトロポリタン・スタティスティカル・エリア:MSA)が、その経済圏にあたるのです。

「アメリカには約380の MSA があるのですが、日常生活ではこの MSA がぴったりなんですね。なぜかというと、中心地に対してほぼ通勤範囲内の一つの経済圏だからです」。

例えば、サンフランシスコ市を例にとるとわかりやすいそうです。サンフランシスコ市だけの人口は約87万人で、シアトル市の約74万人より少し多いだけですが、それだけを見ると、

「サンフランシスコ市は100万人もいないのに、どうして世界企業があるの?」

という、シアトルと同じ謎が浮かびます。

でも、サンフランシスコ広域大都市圏となると約870万人。経済圏の人口がそれだけあると、あのように世界企業がたくさんあることも納得がいきますね。

それと同じく、シアトル・タコマ・ベルビュー大都市圏を見てみると、人口は約394万人です。

このように、経済圏で見ると、全体像が見えてきます。

取材した2014年時点でのワシントン州の人口は約700万人でしたが、2019年には推定約755万人となりました。その半分以上がシアトル・タコマ・ベルビュー大都市圏に集中しています。ワシントン州の人口は2040年までに900万人まで増えることが見込まれていますが、このまま行けばそれが現実になりそうですね。

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