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民間人のみの宇宙飛行ミッション『Inspiration4』は大成功!チーム作りには、ワシントン州のあの場所も

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プロの飛行士ではない民間人のみのクルーを乗せた SpaceX の宇宙船クルードラゴン(Crew Dragon)が、9月15日にフロリダ州のケネディ宇宙センターから打ち上げられ、3日間にわたる地球周回軌道の飛行を終え、9月18日に無事、地球に帰還しました!

今年7月にはヴァージン・グループ創業者リチャード・ブランソン氏、アマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏が、それぞれ自分が創業した宇宙関連企業のロケットで宇宙空間に行って無事帰還しましたが、民間人のみで3日間も宇宙に滞在したのは、このミッション『Inspiration4』が人類初!

民間宇宙旅行がまた一歩身近なものになったことを実感します。

もくじ

『Inspiration4』 とは

小児がんの研究と治療で世界的に有名なセントジュード小児研究病院のために2億ドルの寄付を集めることを目標に、自身を含めた4人の民間人だけで軌道周回を行うという、人類初のミッション 『Inspiration4』 を企画したのは、ニュージャージー州出身のジャレッド・アイザックマン氏。

決済システム技術企業 Shift4Payments の CEO でビリオネア、戦闘機や民間機の操縦経験が豊富なアイザックマン氏は、今回のクルー4人の座席を SpaceX から買い取り、それぞれに「リーダーシップ」「希望」「寛大さ」「繁栄」といった人類のポジティブな側面を反映した名前をつけました。

そして、自身が「リーダーシップ」を体現するコマンダーとなり、1億ドルをこのミッションに寄付することを発表。未知の領域に挑戦しながらも、頼りがいがあり、思いやりとリスペクトを持って人と接する態度は、なかなかできることではないですが、アイザックマン氏のリーダーぶりは次に紹介するドキュメンタリーで明らかになります。

2人目のクルーとなったのは、幼少期に骨肉腫を克服し、現在はセント・ジュード小児研究病院で医師助手として働くヘイリー・アルセノーさん。骨肉腫の治療の一環で左足に金属製のロッドを入れているヘイリーさんは、このミッションに参加することで、これまで「危険だから、できない」と言われてきたことにも挑戦し、まさに「希望」なんですね。

そして、「寛大さ」には、ロッキード・マーチン社のエンジニア、クリス・センブロスキーさんが選ばれました。セント・ジュード小児研究病院に寄付をした人の中から選ばれた友人に参加権利を譲られてクルーの一員となったセンブロスキーさんは空軍の退役軍人で、現在はシアトルの北のエベレット市に住んでいます。

最後に選ばれたのは、長期火星探査シミュレーションに参加した経験を持つ、地球科学者のシアン・プロクター博士。アプロ11号のトラッキングを担当した NASA の職員を父親に持ち、宇宙には並々ならぬ思い入れがある方です。

ワシントン州の最高峰マウント・レーニアも登場

これまで宇宙飛行士になった人の輝かしい経歴や厳しい訓練の様子に、「自分が宇宙に行けることはないな」と思っていた人の中には、今回のミッションの成功で、「もしかしたら自分も」と思った人も少なくないはず。

そこでチェックしたいのが、今回のクルーの人柄や訓練の様子を垣間見せてくれる、Netflix の全5回のドキュシリーズ 『Countdown: Inspiration4 Mission To Space』 です。

9月6日: エピソード1、2配信開始
9月13日: エピソード3、4配信開始
9月15日:ミッション『Inspiration4』の打ち上げ
9月18日:ミッション『Inspiration4』の帰還
9月末:最終回配信

第1回~第4回は、それぞれ40分前後で、コマンダーのアイザックマン氏の思い、クルーのセレクションや家族とのやり取り、飛行に向けたトレーニング、Space X 創業者イーロン・マスク氏のインタビューなどが詰まっています。アイザックマン氏のキャリア、心配する家族の思い、ヘイリーさんの子どものころの闘病と、それからの生き方、すでに他界した親への思い・・・素直にグッと来ます!

クルーたちがチーム作りのために登った、ワシントン州の最高峰マウント・レーニア

そのトレーニングの最中、アイザックマン氏がチーム作りの一環に使った場所は、なんと!ここワシントン州の最高峰マウント・レーニア!

マウント・レーニアは、標高1万4411フィート(4392m)の、万年雪で覆われた山。天候の変化が激しく、厳しい状況になることがあるため、頂上までの登頂には少なくとも半年の訓練が必要とされています。

クルーが標高1万フィートのベースキャンプ『キャンプ・ミューア』 まで登頂したのは今年5月だったので、もちろん雪は深く、初日は曇り空。でも、左足に金属製のロッドを入れていることから「山登りは無理」と言われていたヘイリーさんも挑戦し、9時間半かけて標高1万フィートのベースキャンプに到達しました。

翌朝、澄み切った青空のベースキャンプから医師に電話し、成功を報告するヘイリーさん。安堵と自信に満ちていましたね~!

9月末に公開される予定の最終回は、打ち上げの前から、宇宙への飛行、軌道周回、そして地球への帰還が宇宙船内部から撮影された映像が見られるそう。楽しみです!

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