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シアトルでも人気!ビタミン&カルシウムが豊富なスーパーフード「ケール」

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ケール

西海岸で代表的な青菜は、ケール、チャード、カラードグリーン。小松菜や青梗菜などのアジア系の青菜に比べれば、日本人には馴染みの薄い野菜ですね。ケールは日本では主に青汁に加工するために栽培されてきましたが、最近は野菜としても流通するようになってきたようです。

シアトルのスーパーマーケットには一年中並んでいますが、そのほとんどはカリフォルニア州産で、ワシントン州産は日照時間が長く、気温が上がる夏の間だけ手に入ります。収穫してからの時間が短いほど瑞々しく柔らかくて甘いので、夏の間はぜひローカルのものを食べてみてください。

スーパーフード

家庭菜園で黄色い花が咲くまで育てたことのある方はご存知のように、ケールはアブラナ科の植物で、意外なことにキャベツの親戚です。寒冷地でも育つので、ヨーロッパや北米で重宝されてきました。ビタミンA、ビタミンK、ビタミンC、カルシウムが豊富で、生のケール100グラムにはそれぞれ200%、881%、200%、15%と、成人に必要な摂取量が含まれています。

青菜にも牛乳と同じくらいのカルシウムがあります。特にケールはカルシウムの吸収に必要なマグネシウムも12%含まれている優れもの。牛乳だけに頼らずに、青菜をたくさん食べて植物性のカルシウムも摂取することをお勧めします。

ケール

また、ブロッコリーなどの他のアブラナ科の野菜と同じようにスルフォラファンという解毒酵素や抗酸化酵素を活性化するファイトケミカルを含んでいます。栄養価の高いケールがスーパーフードとかグリーンパワーと呼ばれ、青汁やグリーンスムーシーとして毎日の生活に取り入れる人が増えているのもうなずけます。ジュースに絞るだけでなく、野菜として美味しく食べてください。

でも、とてもビタミンKが豊富なので、ワーファリンなどの血液をサラサラにする薬を常用している方は、大量には食べないようにしてください。

選び方と下ごしらえ

葉のふちが波打っているカーリー・ケール(curly kale)、カーリーよりも葉が薄く、葉もギザギザでなくカールもしていないサイベリアン・ケール(Siberian kale)、葉は細長く濃い緑色で亀の甲羅のようにひび割れた模様が入っているダイナソー・ケール(dinosaur kale)あたりが、スーパーマーケットやファーマーズ・マーケットで売られています。ダイナソー・ケールは、ラシナート(Lacinato)やタスカン(Tuscan)とも呼ばれます。味には大きな違いはありませんが、食感はかなり違います。カーリー・ケールやサイベリアン・ケールのほうが、ダイナソー・ケールよりも柔らかく、繊維が少な目です。

ケール

育ち過ぎたり、収穫から日にちが経っていると葉の水分が抜けて固くゴワゴワとした歯触りになり、味も苦みが強くなってしまいます。新鮮で瑞々しいものを選びましょう。

茎から葉につながる太い葉脈に土がこびりついていることが多いので、指で丁寧に洗ってください。オーガニックのアブラナ科の野菜にはときどきアブラムシが付着していることがあります。カーリー・ケールの巻いている葉の付け根に隠れていることがあるので、水を張ったボールの中で葉の内側を探るように洗い落としてください。

葉の根元が痛んでいるようなら切り落としますが、新鮮なものならそのまま調理します。カーリー・ケールは片手で根元を持ち、もう片方の手で葉を根元から先の方にしごくと茎から簡単に外せます。柔らかいケールは包丁を使わずに手で簡単にちぎれますし、一口大に葉を切り分けるにはキッチンばさみが便利です。

美味しくて簡単な調理の仕方

ケールのいちばん美味しい食べ方は、蒸すこと。炒め物にするときでも、生のまま炒めるよりも、蒸したケールを調理するほうが油がなじみます。スープの具に使う場合も、あらかじめ蒸しておいたケールを加えるほうが、ケールの青臭さや苦みがスープに染み出しません。

蒸し器がない場合は、大き目の鍋に水洗いしてちぎったケールを入れて、大さじ2ほどの水を加えて強火にかけて蓋をし、水蒸気が蓋の隙間から出てきたら中火にして、2、3分蒸してから火を消します。好みの柔らかさになるまで蓋をしたまま余熱で調理します。緑色が濃くなると蒸し上がりです。あまり長く調理すると色が悪くなり、食感もモソモソしてくるので、早めに蓋を開けて確認しましょう。温かい料理に使う場合はそのままで、サラダなどに使う場合はザルに移し替えて冷ましてください。固めに蒸したものは冷蔵庫で2、3日保存がきくので、ミネストローネやボルシチの色取りに加えると便利です。

大皿の中央にローストチキンを置き、緑色の鮮やかなケールを周りに盛り付け、オレンジ輪切りやトマトを飾ると華やかなパーティ料理になります。カーリー・ケールを野菜スティックと一緒に花束のように盛り付けるのも夏向きの演出ですね。

蒸しケールは生のときよりも甘味があり、茹でブロッコリーのような歯ごたえがあります。レタスよりも水分が少なく腹持ちが良いので、レタスの代わりにサラダの主役にすると、ケール料理のレパートリーが広がります。マヨネーズやクリーミーなドレッシングとも相性が良いです。キュウリやトマト、スナップピーなどの野菜やチキン、ナッツなどのたんぱく質を加えて栄養バランスの良いメインディッシュになります。

また、シンプルにオイル&ビネガーのドレッシングで和えれば副菜の一品になります。オイル&ビネガーは、塩味、酸味の二つの味を油でつなげたドレッシングで、使う塩味、酸味、油によってさまざまな味を作り出せます。塩にレモン汁とごま油で和えれば中華風、アンチョビと塩にワインビネガーとオリーブオイルで和えればイタリア風、醤油と塩に米酢とごま油で和えれば和風と、メニューに合わせてケールの味付けを工夫してみてください。

簡単!蒸しケールの梅酢和え

蒸しケールの梅酢和え

1. ケールの葉4枚をよく洗って一口大にちぎる。蒸し器で4、5分蒸してから、ざるの上で粗熱を取り、余分な水分を飛ばす。

2. ボウルに梅酢小さじ2分の1、ごま油大さじ1を混ぜ合わせて、ケールが温かいうちに和える。

掲載:2018年8月 文・写真(一部):本多ゆか Cook Veggies at Home 主宰

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