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2024年アメリカ合衆国大統領選挙 仕組みの解説と主要日程 

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アメリカ合衆国の大統領を選ぶ選挙は、約1年間にわたる長期戦。早ければ予備選が始まる1年前から立候補を表明する候補者もいるので、すべてのプロセスは約2年に及ぶと言えます。米国二大政党の民主党と共和党は、年明けごろに始まる予備選と夏の党大会を通じてそれぞれ1人ずつ候補者を選びます。その後、一般有権者が投票する本選が行われます。

もくじ

予備選の仕組み

予備選は、民主党および共和党のそれぞれが、党としての指名候補者(presidential nominee)を統一するために行うものです。つまり、同じ党内の候補者同士による、候補者指名を獲得するための戦いです。

全米の50州とワシントン DC で行われる予備選では、夏に行われる大統領候補指名の場=全国党大会に参加する代議員(delegates)が選ばれます。代議員にはそれぞれ支持する大統領候補がいるため、予備選を通じて間接的に州として支持する大統領候補の順位が決まることになります。

予備選には予備選挙(primary)と党員集会(caucus)の2種類があります。予備選挙と党員集会のどちらが行われるかは州・準州・自治領などによって異なり、ワシントン州では、民主党は党員集会、共和党は予備選挙を実施します。予備選挙は普通の選挙に近い方法で行われますが、党員集会の仕組みは複雑で、州によって実施方法が異なります。

大統領選挙で勝利するには

米国の大統領選挙は、有権者が選挙人(elector)を選び、その選挙人がそれぞれの州で投票して大統領と副大統領を選ぶという、間接選挙です。実際、米国市民も大統領候補者に投票しますが、その投票結果で大統領は決まりません。

選挙人の数は、全米50州と首都ワシントンD.C.それぞれの人口に応じて割り当てられており、合計538人となっています。2024年の大統領選挙で勝利するには、選挙人(Elector)の票(Electoral Votes)の過半数、つまり538票のうち少なくとも270票を獲得する必要があります。

ほとんどの州は「勝者総取り」方式で選挙人票を配分するため(例外はメイン州とネブラスカ州で、選挙人票を選挙区ごとに分割する)、選挙人票270に達するだけの州を制した候補者が大統領となります。

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この地図は、各州の選挙人の数を示したもので、2024年大統領選挙の結果を複数の予測者による予測を統合したコンセンサス予想を追跡するものです。

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2024年1月15日(月)アイオワ州党員集会(Iowa Caucus)

アイオワ州党員集会は、全米で最初に行われる予備選として毎回大きな注目を集める党員集会で、大統領選の事実上の幕開けとなります。アイオワ州が最初に行う理由は、大統領選に大きな影響を及ぼすことを誇りとする同州が、州法によって「全米のどの州よりも早く予備選を行う」と定めているため。地区党員集会(precinct caucus)で選んだ代表を州全体でまとめ、順位(州の代表)を決定します。この党員集会を皮切りに、全米で次々に党員集会・予備選挙が行われていきます。

共和党員は州内各地で開催する党員集会で無記名投票を行い、アイオワ州共和党が集計し、数時間以内に結果を発表します。ロイターによると、リモート参加は認められず、対面で参加しなくてはならないことから、働いている有権者や障害のある有権者を排除しているとの批判があります。前回の大統領選挙でのアイオワ州党員集会に参加できた共和党登録者は約30%でした。今回、民主党員は郵便で投票を行い、3月5日のスーパー・チューズデーに集計結果を発表します。

アイオワ州共和党予備選挙集計結果
1位:トランプ前大統領 2位:デサンティス・フロリダ州知事 3位:ヘイリー元国連大使

2024年1月23日(火)ニューハンプシャー州予備選

アイオワ州共和党予備選で2位につけたデサンティス・フロリダ州知事が選挙撤退を発表したため、共和党候補指名争い第2戦のニューハンプシャー州予備選からトランプ前大統領とヘイリー元国連大使の一騎打ちとなりました。

ニューハンプシャー州共和党予備選挙集計結果
1位:トランプ前大統領 2位:ヘイリー元国連大使

2024年2月3日(土)サウスカロライナ州民主党予備選

サウスカロライナ州予備選は民主党内での指名争いの初戦。バイデン大統領は得票率96%超で、作家マリアン・ウィリアムソン氏(2%)とディーン・フィリップス下院議員(1.7%)に圧勝しました。

2024年2月6日(火)ネバダ州民主党予備選

ネバダ州予備選で、バイデン大統領は得票率90%超えで圧勝しました。

2024年2月8日(木)ネバダ州共和党員集会

ネバダ州共和党員集会で、トランプ前大統領が勝利。アイオワ州とニューハンプシャー州に続いて3戦目の勝利となりました。7月の共和党大会で大統領候補に指名されるには、計2429人の総代議員数の過半数を得る必要があります。ニッキー・ヘイリー元国連大使は党員集会に参加しませんでした。

2024年2月24日(土)サウスカロライナ州共和党予備選

南部サウスカロライナ州の予備選挙が行われ、トランプ前大統領が勝利し、アイオワ州、ニューハンプシャー州、ネバダ州に続いて4戦目の勝利となりました。ヘイリー元国連大使の地元サウスカロライナ州での敗北が確定した後の記者会見で、撤退はせず選挙戦を続けると宣言しました。この時点での獲得代議員数は、トランプ前大統領は200人、ヘイリー元国連大使は20人です。

2024年3月5日(火)スーパー・チューズデー

16の州・米国領で予備選・党員集会が行われるため、「スーパー・チューズデー」と呼ばれます。

民主党のバイデン大統領は「スーパー・チューズデー」で各州・地域に割り振られた代議員のほぼすべてを獲得しました。

共和党指名候補争いはトランプ前大統領とニッキー・ヘイリー元国連大使の一騎打ちとなりましたが、「スーパー・チューズデー」の結果を受け、共和党候補指名を目指していたニッキー・ヘイリー元国連大使が、選挙戦からの撤退を表明しました。CBSがシェアした撤退表明演説の一部で、ヘイリー元国連大使は、移民1世の母親が娘の自分に投票したことを例に挙げてこの国の素晴らしさを称え、支持に感謝し、声をあげることを実行したこと、後悔はしていないこと、今後も自分が信じることについて声を上げ続けると述べました。これで本戦はバイデン大統領対トランプ前大統領が確実になりました。

2024年3月12日(火)ワシントン州予備選挙

ワシントン州、そしてジョージア州、ミシシッピ州、北マリアナ諸島、米国外で民主党の予備選挙、ハワイ州で共和党の党員集会が開かれ、バイデン大統領は民主党の指名に必要な代議員数1,968のうち2,107を獲得しました。また、トランプ前大統領は共和党の74%以上を獲得し、指名に必要とされる1215人の代議員に到達したことから、7月にウィスコンシン州ミルウォーキーで行われる共和党全国大会で正式に指名されることになります。

2024年7月15日(月)〜18日(木)共和党全国大会

ウィスコンシン州ミルウォーキーで、共和党全国大会が開催されます。

2024年8月19日(月)〜22日(木)民主党全国大会

イリノイ州シカゴで、民主党全国大会が開催されます。

主要メディアは、これらの全国大会をもって2024年大統領選挙戦の予備選挙段階は正式に終了し、総選挙キャンペーンは夏から11月5日(火)の選挙日まで順調に盛り上がっていくと予想しています。しかし、郵便投票の人気が高まっているため、選挙日の数週間前に数百万人が投票すると予想されています。ワシントン州も郵便投票を採用しています。

2024年9月16日(月)第1回一般選挙大統領選討論会

第1回一般選挙大統領選討論会。民主党と共和党の公認候補が、テキサス州サンマルコスのテキサス州立大学で公開討論会を行います。この公開討論会は、生中継されます。

2024年9月25日(水)副大統領討論会

副大統領討論会は、ペンシルベニア州イーストンにあるラファイエット・カレッジで開催されます。

2024年10月1日(火)第2回一般選挙大統領選討論会

2024年10月9日(水)第3回一般選挙大統領選討論会

2024年11月5日(火)Election Day 選挙日

米国の選挙の日は、11月の第1月曜日の翌日の火曜日に設定されています。

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