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第4回 あなたの犬のお行儀は大丈夫?犬のグッド・シチズンとイエロー・ドッグ・プロジェクト

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ナオミ・シェラーさん

執筆者:ナオミ・シェラー

兵庫県神戸市出身。1998年にシアトルへ。Guide Dogs for the Blind の盲導犬パピー育成 『Puppy Raiser』(パピー・レイザー:PR)のボランティアをライフワークにしている犬好きです。

ナオミ・シェラーさんのプロフィールはこちら

犬のグッド・シチズンとイエロー・リボン・プロジェクト

ドッグパーク以外でも、犬と一緒にいろいろな場所にお出かけできるのは楽しくて素敵なことですね。

犬だって、いつもお留守番させられるのはつまらないものです。

でも、そのお出かけ前に、あなたの犬のお行儀は大丈夫でしょうか?

世間には、犬の嫌いな人、犬が怖い人、犬アレルギーの人もいます。

せっかくドッグ・フレンドリーなシアトルにいても、公共の場所での犬と飼い主のマナーがあまりなってないと、「犬お断り」にされてしまいます。

犬用ビニール設置が、このように設置されてるところが多い。

犬用ビニール設置が、このように設置されてるところが多い。

まず、迷惑がられることって、何でしょう?

無駄吠え、マーキング、人に飛びつくなどあれこれありますが、一番迷惑なのは、犬の糞を片付けない飼い主さん。ビニール袋も設置されているし、罰金制度もあるのに、どうしてなのでしょう?

生き物であるペットを飼う限り、これは飼い主の義務だと思います。この問題で「犬お断り」に決めたという公園や施設もあるくらいなので、犬を飼っている人は心してほしいです。

「ペット入店可」と、犬に優しいお店もあります。ただし、"Only Good Behaved"(行儀のいいのだけ)という表示が一般的です。

ご自分の犬のマナーがどの程度かわからない方は、このようなテストをして考えてみるのはいかがでしょうか?

Canine Good Citizen Test (CGC)

自力で CGC test に合格、喜びのワン友会メンバー犬 Kit

自力で CGC test に合格、喜びのワン友会メンバー犬、Kit

今回は、American Kennel Club Canine Good Citizen Test という、優良市民犬検定をご紹介します。 

2007年の NFL の元スター選手マイケル・ビックの闘犬事件後、保護された犬たちが一般家庭にアダプトされるおりに裁判所からこの CGC テストに合格するのが条件とされたことでも知られている、権威ある検定です。法律においても優良犬の基準とされるこの CGC テストに合格することは、意味のあることだと思います。

このテストはどんな犬種や年齢でも受けられます。クラスもありますが、飼い主が自分で教えることもできる、基礎的な項目がほとんどです。

10項目の審査で全項目クリアする必要がありますが、更新する必要はありません。一度合格すると、それがタイトルにもなります。2013年からタイトルとなったことで、優良犬としての資格としては、さらに評価が高くなっています。

ワン友の会 CGC の workshop

ワン友の会 CGC の ワークショップ

内容を紹介します。

Test 1: Accepting a friendly stranger
他人に遭遇した場合

Test 2: Sitting politely for petting
大人しく座って撫でられる

Test 3: Appearance and grooming
他人に身体検査をされ、ブラシで毛をとかされる

Test 4: Out for a walk (walking on a loose lead)
ルーズリードでの歩行

Test 5: Walking through a crowd
人ごみでの歩行

Test 6: Sit and down on command and staying in place
Sit downできる。"Stay" のコマンドで、ハンドラーが20フィート離れる間も留まる

Test 7: Coming when called
20フィート離れた地点から "Come" と呼ばれたら来る

Test 8: Reaction to another dog
他の犬との遭遇時の反応

Test 9: Reaction to distraction
刺激や気が散るものに対する反応

Test 10: Supervised separation
他人に犬のリードが渡され、飼い主が3分間いなくなる

犬によって、「ある項目は簡単にクリアできても、これは苦手かな」ということがきっとあると思います。動画などもたくさんあるので参考にして、テストを受ける前に十分に練習しましょう。

私がパークスとセラピー犬テストを受ける前も、お友達に協力してもらい、各項目で違った場面を想定して練習したものです。

CGC test の前に仲間同士で練習

CGC test の前に仲間同士で練習

セラピー犬テストは CGC テストよりさらに多く、全部で20項目あります。また、2年おきに試験を受けて更新する必要があります。

実は、犬は人と共に何かに取り組むことをとても喜びます。飼い主がまじめに向き合ってくれる訓練が大好きです。

CGC テスト会場も多く、準備ができたら申し込めばよいだけです。テスト料金は20~15ドル程度。気軽にチャレンジしてみて、自分の犬の長所と欠点を把握することもできます。

日本では優良家庭犬普及協会の CGC テストというものがありますが、試験会場や費用、項目の点からして、アメリカに比べるとまだ普及していないようです。

イエロー・ドッグ・プロジェクト

もうひとつ、犬のいない方にもぜひ知っていただきたいのが、イエロー・ドッグ・プロジェクトです。

「この犬は、そっとしておいてください」

黄色いリボンをリードなどに付けて スペースのいる犬を認識してもらう運動で、2012年6月にスウェーデンで始まったものです。

どんな犬にイエローリボンがいるのでしょうか?健康上の問題、トレーニング中、社会復帰のための訓練中、他の犬が怖かったり他の犬に強く反応してしまう犬などです。

現在、スウェーデンをはじめ、欧米や各国日本もこのプロジェクトに参加していますが、まだまだ知らない人も多いと思います。

また、このイエローリボンは、それを使用する飼い主にも、「これが永久的なものではなく、病気が治ったり、訓練が上達したり、恐がりが落ち着いたら、リボンをつけないでよくなることをゴールにするよう提案されたプロジェクトです。

Yellow dog Project

Yellow Dog Project

もし、皆さんがイエローリボンをつけている犬を見かけたら、触ったり、自分の犬を挨拶させようとせず、そっと見守ってあげてくださいね。

参考サイト

子供が、犬に本を読むセラピー犬プログラム

子供が犬に本を読む、セラピー犬プログラム

AKC Canine Good Citizen
www.akc.org

優良家庭犬普及協会
www.cgcjp.net

Reading with Rover(パークスの所属するセラピー犬プログラム)
www.readingwithrover.org

The Yellow Dog Project
www.theyellowdogproject.com

掲載:2014年10月

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