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シアトル市内近郊の紅葉スポット ー 秋を楽しむおすすめの場所

秋の風物詩といえば紅葉狩り。シアトル周辺では、わざわざ遠出しなくても市内近郊で紅葉を楽しめる場所が複数あります。この記事では代表的なスポットを紹介します。天候や気温によって紅葉の進行は変動しますので、訪問前には各公式サイトなどで最新情報をご確認ください。

シアトル

ウォーターフロント

Erik Holsather photo courtesy Friends of the Waterfront Park

再開発で見違えるようになったウォーターフロントも、紅葉する街路樹が植えられています。写真は以前にもご紹介したパイオニア・スクエア・ハビタット・ビーチ。ワシントン州フェリーやウォータータクシーなどが発着するコールマン・ドックとピア48の間にある小さなビーチで、サーモンの生息環境を再現した特別な場所です。車が通る道路ののすぐそばにありながら、1,400本以上の在来植物が植えられていて、ちょっと一息つくのにおすすめ。

オリンピック彫刻公園

©︎Benjamin Benschneider

ウォーターフロントのピア70近くにあるオリンピック彫刻公園(Olympic Sculpture Park)は、紅葉と現代アートの彫刻が一緒に楽しめる場所。園内には20点以上の作品が設置されており、入園は無料です。

開放的な敷地には芝生と遊歩道が整備され、アート鑑賞をしながらピュージェット・サウンドとオリンピック山脈の絶景を望むことができます。シアトルのダウンタウンからもすぐなので、地元の人々の憩いの場であると同時に、観光客にも人気の高いスポットです。

ワシントン・パーク植物園とシアトル日本庭園 (モントレイク)

モントレイク地区の中心に位置するワシントン・パーク植物園(Washington Park Arboretum)は、シアトルを代表する紅葉スポットです。その一角にあるシアトル日本庭園(Seattle Japanese Garden)は、1960年に開園した本格的な池泉回遊式庭園で、四季折々の自然が楽しめます。

秋にはモミジやカエデが庭園全体を彩り、静寂の中に深まる秋を感じられます。1960年の開園後まもなく、当時の皇太子明仁親王殿下(現・上皇)と美智子妃殿下(現・上皇后)が訪問され、桜とカバノキ(European White Birch)を植樹されました。ワシントン・パーク植物園(Washington Parks Arboretum)を周遊できる2マイル(約3.2キロ)のトレイル 『Washington Park Arboretum Loop Trail』 もぜひ歩いてみて下さい。詳細は「日本とシアトルの桜の深いつながり」をご一読ください。

Washington Park Arboretum and Seattle Japanese Garden
住所:1075 Lake Washington Boulevard East, Seattle(地図
公式サイト:www.seattlejapanesegarden.org

チッテンデン・ロックス (バラード)

バラードのチッテンデン・ロックス(通称 Ballard Locks)は、ピュージェット・サウンドとレイク・ユニオンをつなぐ水門として1917年に完成しました。水門周辺には芝地や街路樹があり、秋には穏やかな紅葉風景が楽しめます。

夏から秋にかけて鮭の遡上を観察できる施設もあり、紅葉とともにシアトルらしい水辺の景観を楽しめます。

Chittenden Locks
住所:3015 NW 54th Street, Seattle(地図
公式サイト:www.nws.usace.army.mil

グリーン・レイク(ノース・シアトル)

シアトルのダウンタウンから車で北へ約15分のところにある、市民の憩いの場グリーン・レイク。周囲約2.8マイル(4.5km)の遊歩道を歩きながら、湖面に映る木々の紅葉を楽しめます。ちょうど東京の皇居の周りを一周するのと同じぐらいで、春の桜と並び、秋は紅葉が湖畔を鮮やかに彩る定番スポットです。

リンカーン・パーク(ウエスト・シアトル)

© George Cole

ピュージェット・サウンドに面したリンカーン・パークは、約135 エーカーの広さを誇る海辺の公園です。夏は濃い緑に包まれ、秋には海沿いの散策路が紅葉で彩られます。

フェリー・ターミナルの Fauntleroy Ferry Terminal のすぐ北にあり、ビーチ沿いの約4.6マイル(約7.4km)の遊歩道、約3.9マイル(約6.3km)の自転車道、テニスコート、ピクニックシェルター、野球場、海水プールなどがあります。夏は豊かな緑に恵まれていますが、秋にはその緑の葉がきれいに紅葉し、海沿いを歩くだけで癒されます。

2023年にはデンマークのアーティストが制作した木製トロール像「Bruun Idun」が設置され、散歩の楽しみが増えました。

Lincoln Park
住所:8011 Fauntleroy Way SW, Seattle(地図
公式サイト:www.seattle.gov

窪田ガーデン (レーニア・ビーチ)

シアトル南部レーニア・ビーチ地区にある窪田ガーデンは、140種類のモミジがあることで有名な日本庭園。1907年に高知県高岡郡からサンフランシスコを経てシアトルに移住した窪田藤太郎氏(1879~1973)が1927年に5エーカー(6120坪)の土地を購入して造園を開始したのが始まりです。現在は20エーカー(約8ヘクタール)の広さを誇ります。紅葉期には赤橋や滝、池を囲むモミジが色づき、無料で散策できます。

このモミジは赤い橋のある池のほとりに生えています

独学で造園を学んだ窪田氏は、戦前戦後を通じて「日本の美意識とノースウエストの自然の調和」をテーマに設計しました。窪田氏が関わった庭園には、シアトル大学のキャンパスや、ベインブリッジ・アイランドのブローデル・リザーブにある日本庭園などがあります。第2次世界大戦中のアメリカ合衆国政府による日本人・日系人強制収容を生き延びた窪田一家は、戦後にシアトルに戻り、窪田ガーデンを完成させました。

1970年代にコンドミニアム建設業者が庭園を再開発する計画を立てましたが、市民がシアトル市に保護を要請し、1982年に庭園の中心となる4.5エーカーが市の歴史的建造物に指定されました。その後、シアトル市は1987年に窪田家から庭園を購入し、市の庭園として管理しています。

2015年には、日本全国各地の城の石垣を築いた「穴太衆積み」の技術を世界に伝える粟田建設が手がけた石垣が完成しました。日本政府は窪田氏の功績を称え、1972年に勲五等瑞宝章を授与しています。この庭園の石垣の建築に携わった彫刻家の児嶋健太郎さんのエッセイ「シアトル石垣プロジェクト」も、ぜひご一読ください。

Kubota Garden
住所:9817 55th Ave South, Seattle(地図
公式サイト:www.kubotagarden.org

郊外

ベルビュー・ボタニカルガーデンと八尾ガーデン(ベルビュー)

ベルビュー市中心部にある Bellevue Botanical Garden は、都市部にいながら四季の自然が感じられる緑地です。園内には大阪府八尾市との姉妹都市提携を記念した八尾ガーデン(Yao Garden)があり、日本庭園風の景色が楽しめます。

Bellevue Botanical Garden
住所:12001 Main Street, Bellevue (地図
公式サイト:bellevuebotanical.org

サマセットの丘

サマセットの丘の上からベルビューレイクワシントンマーサーアイランドシアトルオリンピック半島オリンピック山脈を臨む
©︎Junko

ベルビュー南部の高台住宅地サマセット(Somerset)からは、レイク・ワシントン越しにシアトルのダウンタウンオリンピック山脈を一望できます。紅葉シーズンには、丘の斜面を覆う街路樹や住宅庭木が色づき、視界の手前に鮮やかな赤や黄、奥に青い湖と街並みが重なる美しい景観が広がります。特に、夕方の日差しが差し込む時間帯には、ピュージェット湾とシアトルのビル群、そして紅葉の丘が黄金色に輝きます。

Somerset サマセット
ベルビュー中心部から車で約10分
Somerset Blvd SE周辺(住宅街のため静かに見学を)

ロックス・トゥ・レイクス・コリドー(バラード〜イサクア)

サマミッシュリバートレイル

シアトルのバラードと郊外のイサクア市の約44 マイル(71 km)を結ぶ長距離トレイル群がロックス・トゥ・レイクス・コリドー(Locks to Lake Corridor)です。バーク=ギルマン・トレイル、サマミッシュ・リバー・トレイル、メアリモア・コネクター、イサクア・プレストン・トレイルなどを連結し、都市と自然を楽しめるようになっています。

レイク・サマミッシュ周辺では街路樹や湖畔林が鮮やかに色づき、自転車やE-Bike、徒歩で秋の風景を満喫できます。特にレドモンド〜イサクア間の区間は整備が進み、紅葉期に人気です。

レイクサマミッシュの東側の The East Lake Sammamish rail corridorELSRC
©︎King County DNRP

レイク・サマミッシュ東岸の The East Lake Sammamish Rail Corridor(ELSRC)は、1889年にシアトル・レイクショア&イースタン鉄道が、シアトルから現在のウッディンビル、レドモンドを経てイサクアの炭鉱まで鉄道を延ばした際に誕生しました。20世紀初頭、この鉄道の開通により、レイク・サマミッシュ東岸では製材所や新しい入植地、湖畔のリゾート地が次々と開発され、大いに賑わいました。しかし、時の流れとともに産業は衰退し、現在では沿線一帯が住宅地へと姿を変えています。その後、この鉄道は複数の企業に所有が移り、最終的にバーリントン・ノーザン・サンタフェ(BNSF)鉄道が買収しましたが、廃線が決定。1997年にキング郡へ売却されました。キング郡は議会および地域コミュニティと協力し、2011年から2023年9月にかけて整備を行い、トレイルとして復活させました。

トレイルには車は入れない点は安心ですが、スピードは上限時速15マイル(24km)。スピードを出しすぎないことが大切です。

ブローデル・リザーブ(ベインブリッジ・アイランド)

ベインブリッジ・アイランド北端のブローデル・リザーブは、150エーカーを超える自然庭園で、全米でも有数のランドスケープ・ガーデンです。ブローデル夫妻が1950年代から造園を始め、日本庭園の思想を取り入れた自然調和のデザインが特徴。秋にはメープルやオークの紅葉と静かな池の景観が見事です。

Bloedel Reserve
住所:7571 N.E. Dolphin Drive, Bainbridge Island
公式サイト:bloedelreserve.org

ベインブリッジ・アイランドにもデンマーク出身のアーティストと地元アーティストが共同制作したトロールが設置されています。ぜひ立ち寄ってみてください。

シアトル近郊 秋の街歩き&紅葉散策プラン

クイーンアン・ブルバード(Queen Anne Boulevard)

ケリーパークからの眺め
©︎Rachael Jones

クイーンアンの丘を一周する「クイーンアン・ブルバード」は、20世紀初頭に住民の熱意と市の協力で誕生した環状道路。約6km(3.7マイル)にわたる道はカエデやオークなどの街路樹に彩られ、ピュージェット・サウンドやカスケード山脈を望む景観ルートとして親しまれています。現在はシアトル市のランドマークに指定され、地域の歴史と文化を象徴する存在となりました。

参考:Queen Anne Historical Society

キャピトル・ヒル〜ボランティア・パーク

ボランティアパークからの夕暮れ
Photo by Weston Norwood on Unsplash

並木道と歴史的邸宅が続くキャピトル・ヒル北部は、街全体が紅葉に包まれる時期。ボランティア・パークには温室やシアトル・アジア美術館もあります。

出発地点: Volunteer Park(1247 15th Ave E)
ルート:Volunteer Park内(展望塔)→ 14th Ave E → E Roy St → E Aloha St → 16th Ave E →帰路

カークランド湖畔散策

©︎Chris Neir Courtesy of City of Kirkland

レイク・ワシントンの北東岸に位置するカークランド市。湖畔沿いに続く遊歩道と住宅街の並木が美しく、歩きながら紅葉を楽しめます。小さなダウンタウンにあるカフェやレストランも要チェックです。

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