アメリカ・カナダ・メキシコの北米3カ国・16都市で、48チーム・全104試合が行われる『FIFAワールドカップ2026』が、いよいよシアトルにやってきます。シアトルではアメリカ代表戦を含むグループステージ4試合と決勝トーナメント2試合が開催されますが、混雑が予想されるため、地元の交通機関が本格的な対策を発表しました。シアトル在住の方も、観戦のために訪れる方も、この記事で移動の全体像をつかんでおきましょう。
シアトル・スタジアムで開催される6試合
©︎Jorge GotuzzoVisit Seattle
シアトルの会場は、シアトル・スタジアムです(本当の名前はルーメン・フィールドですが、FIFAワールドカップ開催中は「シアトル・スタジアム」と呼ばれます)。
グループステージ
- 6月15日(月) 午後12時(PT)/ 午後3時(ET)/ 日本時間6月16日(火)午前4時
第16戦:ベルギー vs エジプト(グループG) - 6月19日(金) 午後12時(PT)/ 午後3時(ET)/ 日本時間6月20日(土)午前4時
第32戦:アメリカ vs オーストラリア(グループD) - 6月24日(水) 午後12時(PT)/ 午後3時(ET)/ 日本時間6月25日(木)午前4時
第52戦:ボスニア・ヘルツェゴビナ vs カタール(グループB) - 6月26日(金) 午後8時(PT)/ 午後11時(ET)/ 日本時間6月27日(土)午後12時(正午)
第63戦:エジプト vs イラン(グループG)
シアトルで開催される決勝トーナメント
- 7月1日(水) 午後1時(PT)/ 午後4時(ET)/ 日本時間7月2日(木)午前5時
第82戦:ラウンド32 - 7月6日(月) 午後5時(PT)/ 午後8時(ET)/ 日本時間7月7日(火)午前9時
第94戦:ラウンド16
6月の平日昼間開催が多い点に注意が必要です。通勤時間帯と重なる日もあり、市内の交通量は試合日以外も増加が見込まれます。
「車は使わない」が基本
主催側の予測では、シアトル・スタジアム(ルーメン・フィールド)で観戦する観客の約80%が公共交通機関・徒歩・自転車で会場入りするとされています。
- 試合日の会場北側(パイオニア・スクエア)は歩行者専用エリアとなり、車両の通行が制限されます。
- スタジアムの専用駐車場(ノース・ロットおよびイベントセンター・パーキングガレージ)は、試合日には一般に開放されません。
- ライドシェアの Uber や Lyft も、会場付近への乗り入れはできず、指定エリア(パイオニア・スクエア、チャイナタウン/インターナショナル・ディストリクト、ソードーなど)で乗り降りする必要があります。
「試合日限定シャトル」は無料
Photo by Jo Cosme courtesy Friends of Waterfront Park
試合日には、2種類の無料シャトルが運行されます。どちらも運賃は無料です。
マッチデー・シャトル(試合日限定)
キックオフの3時間前から試合終了3時間後まで、シアトル・センターとスタジアムの間を運行します。主に 3rd Avenue を経由し、ピーク時(キックオフ1時間前)は3分に1本という高頻度で運行。パシフィック・プレースやビクトリー・ホールのオフィシャル・ファンセレブレーション会場へのアクセスにも使えます。
ウォーターフロント・シャトル(5月21日~レイバーデーまで)
こちらは試合日に限らず、夏の期間中に毎日運行されます。シアトル・センター、ウォーターフロント・パーク、パイオニア・スクエア、スタジアム、チャイナタウン/インターナショナル・ディストリクトを結びます。観光や買い物のついでに使える便利な路線です。
ライトレール(Link Light Rail)の使い方
ライトレールは、試合日全日にわたって8分間隔で運行(通常より増発)。終電は午前1時まで延長されます。インターナショナル・ディストリクト/チャイナタウン駅からリンウッド・シティセンターまでの区間では、1ラインと2ラインが重なるため、実質4分間隔となります。
どの駅を使うかは「どこから来るか」で決まります。
試合前(到着時)に推奨される駅
- 北から来る場合(リンウッド方面など):パイオニア・スクエア駅で下車(1ライン&2ライン)
- 南から来る場合(シアトル・タコマ国際空港、フェデラルウェイ方面):スタジアム駅で下車(1ライン)
- 東から来る場合(レドモンド、ベルビュー方面):インターナショナル・ディストリクト/チャイナタウン駅で下車(2ライン)
試合後(帰りの乗車駅)
- 北へ帰る場合:パイオニア・スクエア駅
- 南へ帰る場合:スタジアム駅
- 東へ帰る場合:インターナショナル・ディストリクト/チャイナタウン駅
試合日は、ライトレールの駅構内への自転車&スクーターの持ち込みはできません。また、駅の駐車場は早朝に満車になる見込みのため、駐車してライトレールに乗り換えるプランは現実的ではなさそうです。
サウンダー(通勤列車)も臨時運行
通勤列車のサウンダーも、全6試合に合わせて臨時列車が追加されます。エベレットからキング・ストリート駅まで約1時間、レイクウッドからは約1時間20分です。通常のスケジュールが変更される列車もあるため、定期利用者は事前に時刻表を確認しておいてください。
アムトラック・カスケーズ(ワシントン州遠方やオレゴン州から)
ワシントン州の遠方やオレゴン州からシアトルに向かう方には、アムトラックのカスケーズも利用できます。ただし、今年は特別な事情があります。
アムトラック・カスケーズは、カナダのバンクーバー(BC州)からシアトル、ポートランドを経由してオレゴン州ユージーンまでを結ぶ都市間鉄道です。シアトルのターミナルはパイオニア・スクエアのキング・ストリート駅(King Street Station)で、スタジアムまで徒歩約10~15分の距離にあります。
主要都市からシアトルまでの所要時間の目安
- ユージーン(Eugene):約6時間20分
- ポートランド(Portland Union Station):約3時間30~40分
- オリンピア(Olympia/Lacey):約1時間40分
- タコマ(Tacoma):約50~60分
- タクウィラ(Tukwila):約20~30分
アムトラックのカスケーズは2026年の夏、定員が大幅に制限された状態での運行となります。2025年春に腐食問題が発見された旧型車両が大量に運行停止となっており、新型の「Airo」車両はワールドカップには間に合わないことが公式に確認されています。現時点で増便はほぼ見込めない状況のため、観戦予定のある方は今すぐ予約することを強くおすすめします。
また、試合日は、駅周辺のバス路線が 5th Avenue South と South Weller Street 付近に一時移動します。ファースト・ヒル・ストリートカーのパイオニア・スクエア停留所も試合日は運休となり、チャイナタウン/インターナショナル・ディストリクトの停留所が終点となります。駅からスタジアムへは、徒歩またはライトレールを利用してください。
ワシントン州フェリー&ウォータータクシー
シアトルらしいアクセス手段として、ワシントン州フェリーやウォータータクシーもあります。
ワシントン州フェリー(WSF)
ワシントン州フェリーは、試合日に21隻中20隻を稼働させ、予備2隻も待機させる体制を整えます。主要ルートはシアトル/ベインブリッジ・アイランド、シアトル/ブレマートン、エドモンズ/キングストン。フェリーはコールマン・ドック(ピア52)に到着し、スタジアムまではウォーターフロント・シャトルや徒歩でアクセスできます。一部ルートでは車両の予約が可能です。
ウォータータクシー
シアトルとウエスト・シアトルを結ぶウォータータクシーは、週末の増便と深夜便の復活を予定。シアトル〜ヴァシュン・アイランドの航路は夏季の試験運行として週7日運行となります。
キットサップ・トランジット(キットサップ半島)は、ブレマートン・ファストフェリーとポートオーチャード・フットフェリーが試合日の深夜まで延長運行し、主要ホテルエリアへの深夜バスも運行します。
シアトル・タコマ国際空港からスタジアムへ
シアトル・タコマ国際空港(SEA)からは、ライトレールでダウンタウン・シアトルまで約38分。試合日は空港も混雑が予想されるため、余裕を持った行動をおすすめします。ターミナルとライトレール駅の間は無料シャトルカートが午前5時から深夜まで運行しています。
運賃、ORCAカードについて
バスやライトレールの運賃は1回3ドル。ワシントン州フェリーやウォータータクシーの運賃はルートにより2~13ドルです。
18歳以下は、バス、ライトレール、列車、ワシントン州フェリー、ウォータータクシーを含むワシントン州内のすべての公共交通機関が無料で利用できます。
1日に2回以上乗り換える場合は、All Day PugetPass(6ドル)がお得です。翌日午前3時まで、ほとんどの交通機関に乗り放題となります。6月からは3日間有効の連続パス(18ドル)も発売予定です。いずれもORCAカードが必要で、ワシントン州フェリーなど一部サービスには使えません。
支払い方法は、ORCAカードのほか、タッチ決済対応のクレジットカード、デビットカード、スマートフォン(Apple PayやGoogle Payなど)が使えます。ただし、タッチ決済はワシントン州フェリーなど一部では利用不可です。
自転車&スクーター
スタジアム周辺には、ライドシェアの自転車とスクーターの専用駐輪エリアが設置されます。歩行者専用エリア内では時速8マイル(約13km)に自動制限されます。Alaskan Way の自転車専用レーン、Yesler Way の保護型自転車レーンなど、整備されたネットワークを利用できます。なお、試合日にはライトレールとサウンダーに自転車やスクーターを持ち込むことはできません。
ファン・セレブレーション会場(無料イベント)
試合のチケットがなくても楽しめる公式のファン・セレブレーション会場が4か所設けられています。
- シアトル・センター
- パシフィック・プレース
- ビクトリー・ホール
- ウォーターフロント・パーク
いずれもシャトルやライトレールでアクセス可能な場所にあります。
道路状況と工事への影響
試合日には市内全域で深刻な渋滞が予想されます。特に混雑が見込まれるのは6月15日、19~20日、24~28日、7月1日および6日です。スタジアム周辺では、試合4時間前から終了2時間後まで路上駐車が禁止されます。
ワールドカップ期間中(6月8日~7月7日)はシアトル交通局が管理する公共スペースでの工事が中断され、高速道路 I-5 北行きのシップキャナル・ブリッジでの車線規制も試合期間中は一時解除されます。
最新情報の入手方法
試合日の交通情報やシャトルの運行状況などのリアルタイム情報は、FIFA とホストシティが管理する WhatsApp の公式チャンネルで配信される予定です。
King County Metro(多言語対応):kingcounty.gov/en/dept/metro/rider-tools/sea26-soccer/
シアトル全体の交通計画:www.seattlefwc26.org/transportation
シアトルFWC26 交通情報(英語):www.seattlefwc26.org/transportation
シアトルへの到着ガイド(英語):www.seattlefwc26.org/transportation/arriving
Sound Transit ワールドカップ対応情報(英語):www.soundtransit.org/soccertournament
ワシントン州フェリー(英語):wsdot.wa.gov/travel/washington-state-ferries
アムトラック·カスケーズ公式(英語):www.amtrak.com/cascades-train
Lime シェア自転車·スクーター(英語):www.li.me
シアトル・タコマ国際空港(英語):www.portseattle.org/sea
キッサップ·トランジット(英語):www.kitsaptransit.com/sea26
