母乳育児をしている母親にとって、子どもの授乳、母乳の搾乳は必要不可欠です。でも、公共の場や職場で「どこまで認められているのか」と不安に感じる方も少なくありません。ワシントン州は授乳や搾乳の権利を守る法律を制定しており、シアトル市でも授乳条例が制定されているため、企業も社会もそれを遵守する必要があります。また、アメリカ全体でも公共授乳の権利がすべての州で保障されており、職場での授乳・搾乳スペースの提供も義務化されるなど、環境づくりが進んでいます。この記事では、育児中の家庭や、企業経営者・人事担当者にとって知っておきたい法的背景と最新の状況をわかりやすく解説します。
ワシントン州の法律による保護
ワシントン州では、2001年に「公共の場での授乳は公然わいせつ罪(indecent exposure)に該当しない」とする法律(RCW 43.70、RCW 9A.88.010)が制定されました。これにより、母親が公共の場で授乳することは、自然で尊重される行為として法的に守られています。
さらに、2009年には州差別禁止法(WLAD: RCW 49.60.030 および RCW 49.60.215)が改正され、レストラン、図書館、プール、公園、公共交通機関などで授乳している母親に対して、移動や退場を求める行為が禁止されました。これは、授乳する母親が安心して公共空間を利用できるようにする重要な規定です。
シアトル市の条例
シアトル市では、2012年4月9日に市議会が「公共の場での授乳は守られるべき人権である」と明記した条例(Ordinance 123863)を可決しました。これにより、市内の公共施設や店舗において、授乳中の母親にカバーを強要したり、退席を求めたりする行為は不当とされ、差別的な扱いとみなされます。
全米の現状(2025年時点)
2025年現在、全50州、ワシントン D.C.、プエルトリコ、アメリカ領ヴァージン諸島で、公共の場での授乳は合法とされています。
かつては「31州と一部地域のみが授乳を公然わいせつから除外」とされていましたが、現在は全米で広く保護されていることが確認されています。
職場における授乳支援
ワシントン州では、2019年7月28日から、従業員15人以上の職場において「トイレ以外のプライベートな搾乳スペースを提供すること」が義務付けられています(SHB1930)。これは、連邦レベルのPUMP法を補完するワシントン州独自の規定です。
まとめ
ワシントン州では2001年から公共の場での授乳が合法とされ、2009年には差別禁止法で保護が強化されました。シアトル市は2012年に条例を制定し、授乳の権利を明確にしています。アメリカ全体でも公共の場での授乳は合法であり、さらに職場でも母親が安心して授乳や搾乳を行える環境づくりが進められています。
