米国税関国境警備局(CBP)が運営する入国審査簡素化プログラム「グローバルエントリー(Global Entry)」が、2026年3月11日午前5時(東部時間)より正式に再開されました。
このプログラムは、議会での予算不成立に伴う政府機関の一部閉鎖(シャットダウン)の影響を受け、2月22日から一時停止されていました。国土安全保障省(DHS)は当初、リソース節約のためにグローバルエントリーとTSA PreCheck®の両方を停止すると発表していましたが、TSA PreCheck®については即座に撤回。グローバルエントリーのみが約2週間にわたり利用不可の状態が続いていました。
政治的対立とDHSの主張
今回のシャットダウンは、2月13日に議会が国土安全保障省の予算案を承認しなかったことから始まりました。DHSの広報担当者は今回の再開に際し、「(野党)民主党側の責任によるシャットダウンが旅行者に引き起こした混乱を軽減するために尽力している」と述べていますが、これは現政権側の主張であり、実際には政党間の激しい対立による予算案のデッドロックが背景にあります。
旅行業界の反応:再開を歓迎しつつ、現場の危機を訴え
米国旅行協会(U.S. Travel Association)のジェフ・フリーマン会長兼CEOは3月11日付のニュースリリースで、今回の再開を「重要な一歩」と高く評価しています。
「トラステッド・トラベラー・プログラムは、移動の円滑化とセキュリティの強化を両立させるものです。業界は一貫して、グローバルエントリーやTSA PreCheck®の重要性を訴えてきました」(ジェフ・フリーマン氏)
一方で、フリーマン氏は空港の安全を支える現場職員の過酷な現状についても強い懸念を示しています。
「プログラムの再開は前進ですが、議会は無給で働き続けているTSA(運輸保安局)職員を支援するために行動しなければなりません。彼らはこのシャットダウン中も職務を遂行しており、遅延なく報酬を受け取る権利があります」
シアトル・タコマ国際空港 TSA 職員への物品の寄付を呼びかけ
TSA職員は2月末に一部の給与を受け取って以降、3月中旬には「全額未払い」の支給日を迎える見通しです(CNN報道)。シアトル・タコマ国際空港(SEA)は、無給で働くTSA職員支援のため「フードパントリー」を開設しました。寄付したい方は下記の場所へ物品をお持ち下さい。
募集: 日持ちする食品、衛生用品、オムツなど
場所: SEAカンファレンスセンター(中2階/第3保安検査所の上)
時間: 平日 8:00 am – 4:00 pm
SEA has opened a food pantry to support them. If you’d like to help, donations of non-perishable food, hygiene items, and diapers can be dropped off at the SEA Conference Center between 8 a.m. and 4 p.m. pic.twitter.com/ZMU56rgLIt
— Seattle-Tacoma Intl. Airport (@flySEA) March 11, 2026
旅行者への影響
今後も連邦政府の一部閉鎖が解消しない場合、無給で働く職員の欠勤増加やそれに伴う保安検査場の混雑が懸念されています。
また、グローバルエントリーのキオスクは復旧しましたが、政府閉鎖が完全に解消されるまでは、空港での手続きに通常以上の時間を要する可能性があります。シアトル・タコマ国際空港などを利用される方は、引き続き最新の動向に注意が必要です。
