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シアトル観光で楽しむ!1990年代の人気ラブコメ『10 Things I Hate About You』(邦題:『恋のからさわぎ』)ロケ地ガイド

Photo by alex° on Unsplash

1999年公開の青春ラブコメディ『10 Things I Hate About You(邦題:恋のからさわぎ)』は、シェイクスピア原作の喜劇『The Taming of the Shrew(邦題:じゃじゃ馬ならし)』をアメリカの高校を舞台にアレンジした作品。監督はジル・ジュンガー、主演はジュリア・スタイルズ、ヒース・レジャー、ジョセフ・ゴードン=レヴィット、ラリサ・オレイニクといった演技力のある若手俳優が務め、全米で大ヒットしました。映画の舞台となったのはシアトルやタコマ。観光の合間に立ち寄れるロケ地が多く、ファンなら訪れてみたいスポットばかりです。

  • 制作年:1999年
  • 監督:ジル・ジュンガー
  • 出演:ジュリア・スタイルズ、ヒース・レジャー、ジョセフ・ゴードン=レヴィット、ラリサ・オレイニク ほか
  • レーティング:PG-13

あらすじ

転校生キャメロン(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)は、学校一の人気者ビアンカ(ラリサ・オレイニク)に一目惚れする。しかし、ビアンカの父親は「姉のキャット(ジュリア・スタイルズ)がデートしない限り、妹のビアンカもデート禁止」という厳しいルールを課してしまう。周りと敵対してばかりのキャットにはデート相手などいないだろうと思ってのことだったが、ビアンカと付き合いたい同級生ジョーイ(アンドリュー・キーガン)が不良っぽい転校生パトリック(ヒース・レジャー)に現金を渡してキャットをデートに連れ出すよう画策したことで、事態は複雑になっていく。

主なロケ地(シアトルとその周辺)

ケリー・パーク(シアトル)

ケリーパークからの眺め

冒頭シーンでトラックを運転するキャット(ジュリア・スタイルズ)が隣り合った車に乗る女子高生4人を睨む場所は、シアトルのクイーン・アンにあるケリー・パークの前。ここからはシアトルの街並み、スペースニードル、エリオット・ベイ、そして晴れていればマウント・レーニアが見えることから、記念写真の撮影スポットとして人気があります。

スタジアム高校(Stadium High School:タコマ市)

映画の中心舞台となったのが、シアトルから約30マイル(約48km)南のタコマ市にあるスタジアム高校(Stadium High School)。1891年に高級ホテルとして建設が始まりましたが、鉄道会社の経営破綻で工事が中断し、放置中に火災で内部が焼失しました。その後、タコマ学区が建物を取得し、残された外壁を活かして修復。1906年に「タコマ高校」として開校し、1913年に現在の校名となりました。城のような外観から「ブラウンキャッスル」と呼ばれ、歴史的建造物として保存されています。キャメロン(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)が転校してくる冒頭から数々の名シーンが撮影されました。

ガス・ワークス・パーク(Gas Works Park:シアトル)

©︎Rachael Jones

シアトルのレイク・ユニオンとガスワークス・パークでは、キャット(ジュリア・スタイルズ)とパトリック(ヒース・レジャー)のデートシーンが撮影されました。二人はレイク・ユニオンでペダルで漕ぐボートを楽しみ(実際にはレイク・ユニオンではこのボートではなく、カヤックができます)、ガスワークス・パークでペイントボールをします。ガスワークス・パークの丘の上から眺めるレイク・ユニオン越しのダウンタウンのビル群は、観光客にも地元の人にも愛される絶景ポイントです。

パラマウント・シアター(Paramount Theatre, シアトル)

シアトルのダウンタウンにあるパラマウントシアターの外観

シアトルのダウンタウンに位置する歴史的劇場。映画ではパーティーや演奏シーンの舞台として使用されました。現在もコンサートやブロードウェイ作品が上演されており、映画の雰囲気を感じながら観劇を楽しめます。無料の館内ツアーもあるので、ぜひ参加してみてください。

タコマの住宅街や公園

映画全体を通して、タコマの住宅街や周辺の公園でも撮影が行われました。観光地として紹介されることは少ないですが、街歩きの中でローカルな雰囲気を味わえるのも魅力です。

ファッションチェック!ビアンカのヘソだしTシャツに「阪急電車」「大阪行きは速い」「25分」の文字?

妹のビアンカが着ているTシャツに注目!日本語が読める人なら「阪急電車」という文字を見逃さないはずです。調べてみると、このTシャツのデザインは、関西を走る阪急電車が昭和初期に制作したレトロなポスターをもとにしたもの。「大阪行きは速い」「25分」といったキャッチコピーも描かれており、今でもおしゃれに着こなせそうです。実際にビンテージTシャツとして古着市場で人気があるようです。

さらに、映画に登場する女の子たちのファッションには、1990年代を象徴するヘソ出しスタイルが取り入れられており、これが2020年代に再びブームになっているのも興味深い点です。「お母さんが若かった頃にも流行っていた」と言われた若い世代も多いはず。ファッションには周期があることを実感させられます。

音楽にも注目!映画を彩るサウンドトラック

『10 Things I Hate About You』は、物語やファッションだけでなく音楽もいい。ヒース・レジャー演じるパトリックが学校のPAシステムを使って歌い踊る『Can’t Take My Eyes Off Of You』(Boys Town Gang)は、この作品の名場面の一つとなりました。

さらにプロム(卒業パーティー)のシーンでは、スカ・バンド Save Ferris が出演。『I Know』を演奏した後、Letters to Cleo のボーカル、ケイ・ハンリーをサポートし、Nick Lowe の名曲『Cruel to be Kind』のカバーもバックアップ演奏しました。

クライマックスでは、Letters to Cleoが屋上で『I Want You To Want Me』を披露し、カットとパトリックのキスシーン、そしてエンドロールへとつながっていきます。

また、クレジットが流れ始めた後には、撮影中の裏側を映した特別映像が続きますので、最後まで見逃せません。

まとめ

当時高校生だった方やシアトルの街並みを知る方には、懐かしさがこみあげる作品。まだスマホもSNSもなかった時代の恋と友情を描いており、1990年代の空気をそのまま感じられます。映画の名場面を思い出しながらロケ地を巡れば、シアトル旅行がより思い出深いものになること間違いなしです。

そして忘れられないのが、パトリックを演じたヒース・レジャー。撮影・公開当時まだ18〜19歳だった彼は、この映画をきっかけに一躍スターとなり、その後『ブロークバック・マウンテン』や『ダークナイト』でその世代を代表する俳優の一人となりました。しかし残念ながら、2008年に28歳という若さで急逝。スクリーンに残る彼の笑顔と存在感は今も多くの人の心に残り続けています。

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